秋葉原の老舗ショップ「千石電商」が選んだお買い得な5モデル
PCオーディオ入門に最適な小型アンプ
秋葉原の「
千石電商」といえば、電子部品や工作キットなどを幅広く取り扱う老舗のショップ。筆者もさまざまな電気パーツなどで普段からお世話になっているが、このごろはヘッドフォンアンプやUSB-DACなど、PCオーディオやポータブルオーディオ系の製品にも力を注いでいて、国内製品から輸入製品まで、幅広いラインナップを取りそろえている。そのなかでも、いまはトッピングブランドなど、コストパフォーマンスの高いUSB-DAC機能付きのデジタルアンプに人気が集まっているという。今回、トッピングをはじめとする5製品を試聴することができたので、それぞれの特徴や音質について紹介していこう。
芯のしっかりした厚みのあるサウンドを聴かせる
まず最初に聴いたのが、コンパクトサイズのデジタルアンプ、TOPPING(トッピング)「TP23」である。こちらは、同ブランドのなかでも比較的エントリークラスに位置する製品のようで、USB-DAC機能を内蔵しながらも高さ30mm x 幅100mm x 奥行き139mmという設置しやすいミニマムサイズと、8,000円強というリーズナブルなプライスを実現している。パワーは25W + 25Wと、十分なレベル。入力はUSB1系統のみとなるが、PCの起動や終了に合わせて自動で電源がオンオフする機能が搭載されているので、使い勝手はよい。ボリュームダイヤルとLEDのみという、シンプルな構成のアルミ製フロントパネルは、チープさを感じさせない上質さも持ち合わせている。
そのサウンドは、なかなかのもの。芯のしっかりした厚みのある音で、女性ヴォーカルなどはリアルさのある印象的な歌声を聴かせてくれるのだ。ハスキーすぎない音色もいい。Tripath社のパワーIC、TA2021Bは、電源部さえしっかりしていればなかなかに小気味いいサウンドを聴かせてくれるのだが、その好例といえる上出来な製品だ。
TOPPING TP23
8,285円(通販価格)■出力: 25W + 25W ■USB-DAC部: 48kHz / 16bit対応 ■デジタル出力: 光 x 1 / 同軸 x 1 ■入出力端子: USB入力 x 1 / スピーカー端子 x 1 ■外形寸法: 100W x 30H x 139Dmm ■重量: 415g 破綻のない丁寧な表現力は、バラード曲などにはピッタリ
続いて試聴したのが同じくトッピングのUSB-DAC内蔵デジタルアンプの「TP30」だ。サイズは高さ44mm x 幅113mm x 奥行き201mmと、TP23に比べてやや大柄になるが、その分アナログRCA入力を持ち合わせていたり、フロントパネルにヘッドフォン出力を用意していたりと、多機能なところが魅力となる。価格も10,290円と、こちらもなかなかにリーズナブルだ。
そのサウンドは、破綻のない丁寧な表現が特徴。価格からは望外の解像度とニュアンス表現の巧みさから、アンサンブルの楽しさがよく味わえる。ヴォーカルもややハスキーながら、伸びやかでよく通る歌声を聴かせてくれる。ハードロックなどを聴くとキレや勢いに物足りなさを感じるが、バラードなどにはピッタリのキャラクターだ。スローテンポな曲やJ-POPなどをよく聴く人にオススメしたい。
TOPPING TP30
10,290円(通販価格)■出力: 15W + 15W ■USB-DAC部: 48kHz / 16bit対応 ■入出力端子: USB入力 x 1 / ライン入力(RCA) x 1 / スピーカー端子 x 1 ■外形寸法: 113W x 44H x 201Dmm ■重量: 731g 溌剌とした男性ヴォーカルが楽しめる多機能モデル
続くTOPPING「TP32」は、USB-DAC機能やアナログRCA入力、ヘッドフォンアンプを備える多機能デジタルアンプ。フロントパネルに液晶モニターが配置されていることや、音量調整がデジタルボリュームになっていることが特徴だ。
採用しているTripath社のパワーIC「TA2024B」のキャラクターでもあるのだが、TP32のサウンドもTP30に近い丁寧な表現をしてくれる。プログレなど聴くとギターがかなり気持ちいいし、男性ヴォーカルも溌剌としたよく通る歌声を聴かせてくれる。一体型の多機能モデルということもあり、デスクトップでBGM的に音楽を楽しみたい、という人にはもってこいの製品だ。
TOPPING TP32
13,650円(通販価格)■出力: 15W + 15W ■USB-DAC部: 48kHz / 16bit対応 ■入出力端子: USB入力 x 1 / ライン入力(RCA) x 1 / ヘッドフォン端子 x 1 / スピーカー端子 x 1 ■外形寸法: 113W x 43H x 183Dmm ■重量: 700g こだわりのパーツを搭載したハイコストパフォーマンス機
さて、ここからはトッピングブランド以外の「千石電商」オススメ製品を聴かせてもらった。まずLEAD(リード)「U-AMP01」は、DAC部にPCM2704、アンプ部にTripath社製「TA2024」、ヘッドフォンアンプにSTマイクロシステムズの「TEA2025B」を搭載するという、定評あるパーツで固めたこだわりの製品。それでいて価格が6,752円だというから、コストパフォーマンスの高さには驚くばかりだ。
さて、実際のサウンドは、先のトッピング製品に比べると表現の丁寧さという点でやや色あせた印象になるかもしれないが、価格を考えると悪くないクオリティレベルといえる。立体的な造形を持つフロントパネルも、購買意欲をそそる。
LEAD U-AMP01
6,752円(通販価格)■出力: 15W + 15W ■USB-DAC部: 48kHz / 16bit対応 ■入出力端子: USB入力 x 1 / ライン入力(RCA) x 1 / ヘッドフォン端子 x 1 / スピーカー端子 x 1 ■外形寸法: 98W x 135H x 1163Dmm ■重量: 720g シンプル&ハイパワー。元気で鳴りっぷりの良い音
最後に試聴したのはMUSE(ミューズ)の「M50」。こちらはUSB-DACやヘッドフォン出力機能などを持たない、入力もアナログ1系統のみという、シンプルな構成のデジタルアンプだ。そのかわりに出力は50W + 50Wを確保、音質に定評ある日本製コンデンサーなども採用されている。
TI社製パワーIC「TPA3123」の恩恵か、元気で鳴りっぷりのよい音。制動が効かないくらいに感じるヌケのよさは、ハードロックなどと相性がよい。メリハリのよい演奏を楽しみたい人にお勧めしよう。
MUSE M50
5,250円(通販価格)■出力: 50W + 50W ■USB-DAC部: 48kHz / 16bit対応 ■入出力端子: ライン入力(RCA) x 1 / スピーカー端子 x 1 ■外形寸法: 80W x 45H x 122Dmm ■重量: 400g