坂本慎太郎 x VIDEOTAPEMUSIC「バンコクの夜」対談――ひらめきからの出発が結構重要

2016/12/10掲載
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 坂本慎太郎VIDEOTAPEMUSICのコラボレーション第2弾が、思いがけないかたちで実現した。坂本慎太郎「悲しみのない世界(You Ishihara Mix)」のMVをVIDEOTAPEMUSICが映像監督として手がけたのが2015年。今回2人は、共作名義の12inchシングル『バンコクの夜』をリリースする。しかもその題材は、2017年2月の公開決定で話題を呼んでいる映像制作集団「空族(くぞく)」最新作映画『バンコクナイツ』富田克也監督)に対するトリビュート楽曲というもの。そして、坂本慎太郎、VIDEOTAPEMUSIC、そして『バンコクナイツ』。この最高な組み合わせの鍵となったのが、大阪を拠点に世界的に注目される音源発掘とリリースを続けるEM Recordsだった。
 はたしてそのコラボレーションはどのように決まり、どうやって行われたのか。意外にも音楽で誰かと共同作業をすること自体が初めてだったという坂本慎太郎、映像的なイメージを持つ宅録の手法を坂本の音楽と拮抗させていったVIDEOTAPEMUSIC。稀有なコンビネーションが発揮された12inchリリースを記念して、両者の対談を行った。
――今回の坂本慎太郎&VIDEOTAPEMUSICの楽曲リリースにあたって、発売元であるEM Recordsの江村幸紀さんに聞いたところ、江村さんが“坂本さんがどうやらタイの音楽に興味があるらしい”と伝え聞いたことがオファーのきっかけだったそうなんです。
坂本慎太郎 「特にタイの音楽が好きだとか公言はしてなかったんです。でも、タイには何度か行ってるんですよ。よさそうなCDをまとめてジャケ買いして個人的に聴いてて。去年(2015年)とかも、イサーン地区の人たちが行く生演奏で踊るディスコみたいな店に連れてってもらったりしたし。ただ、買ったCDはいかんせんまったく字が読めないし、ただ適当に聴いてただけでした。たぶん、DJのマフト・サイ*がバンコクでやってるレコード屋に行って、店員さんと話したりしてたんですよ。タイ人の店員さんでしたけど、ゆらゆら帝国のことを知ってるみたいで、写真一緒に撮ったのをネットにあげたりしてたから、そういうところから噂になったんじゃないですかね」
* Maft Sai / レーベル「PARADISE BANGKOK」を主催し、タイ・ファンクのコンピレーションを監修するなど、タイ・ビート流行の仕掛け人
――江村さんは“これはなにかおもしろいことが起きるかもしれない”と思って、EMで出しているタイのモーラムやルークトゥン音源を坂本さん宛にどっさり送ったそうです。
坂本 「今年(2016年)の頭だったかな。どさっとレコードをいただきました。自分でも以前にEMで出てたタイの音源は買ってはいたんですが、突然なんでこんなにたくさんくれたのか理由がよくわかんなかったですね。でも、とりあえずお礼のメールをしたんです。そのときに自分でも“全く詳しくないけどタイの音楽は聴いてます”とはメールに書いたかな」
VIDEOTAPEMSUIC 「CDを送ってきた段階では江村さんからはなにも言ってなかったんですね」
坂本 「本当に謎でした(笑)。でもお礼のメールの返事で、すぐに“12inchを作ってもらえませんか?”と提案が来て」
――江村さんからオファーが来た段階では、作ってほしい音源は映画『バンコクナイツ』へのトリビュートだと明らかになっていたんですか?
坂本 「なってました。僕が聞いた段階では、空族のサポートを自主的にやるという話になっていたと思います」
――江村さんからのオファーに対する坂本さんの反応は?
坂本 「具体的には“EMで出してるタイの音源を自由に使って、12inchを作ってほしい”というお題をいただいたんですけど、そもそも僕はサンプリングとかやったことがないし、家でリミックス的なことをやる機材や知識もなにもない。あと、ちょうど自分のアルバム(『できれば愛を』)のレコーディングをこれからするというタイミングだったので、その2つの意味で“どうしようかな”とちょっと躊躇しました。ただ、EM Recordsには昔から一目置いていたので、そこでなにかやりたいという気持ちはありました」
――じゃあ、時間さえ許せば、と。
坂本 「しめきりはまだぜんぜん先だという話でした。ただサンプリングとかの作業が自分ではできないので決断が下せなくて、“一瞬考えさせてください”と電話を切ったんです。そしたら、電話を切った瞬間に思いついたんです、“あ、VIDEOくんがいた”って(笑)」
――で、すぐに掛け直して。
坂本 「すぐだったかどうかは忘れましたけど、“VIDEOくんって人がいて、彼が手伝ってくれるならやります”と返事しました。江村さんからは、“作っていただく曲のタイトルは〈バンコクナイツ〉か〈ナイト・イン・バンコク〉のどれかで行こうと思ってます”という提案があって、それを聞いて、これはむしろVIDEOくんの仕事だなとひらめいたんです」
――江村さんは、坂本さんからVIDEOTAPEMUSICという名前が出てきたことにちょっとびっくりしたそうなんですよ。でも調べてみたら2015年に坂本さんのMV(「悲しみのない世界(You Ishihara Mix)」)をVIDEOくんが監督していたことを知って、それなら大丈夫だと思ったと言ってました。それで、坂本さんからVIDEOくんに連絡が行ったわけですね。
VIDEO 「そうです。電話で“こういう話があるんだけど”って。僕は坂本さんもEMもずっと好きだったし、『バンコクナイツ』が製作中だってことも知ってて楽しみにしてました。この仕事に出てくる固有名詞がすべて自分が気になっているものや好きなものだったので、これはやるしかないし、自分ならできそうだと思って引き受けました」
――坂本さんのMVでは過去の音源に映像をつけるという映像監督としての仕事でした。今回は、まさに音楽家VIDEOTAPEMUSICへのオファーだったわけで。具体的にはどういうふうにして作業をはじめたんですか?
VIDEO 「最初に2人で飲みに行きましたよね(笑)」
坂本 「飲みに行って、とりあえず音源を渡して。僕はその時点では自分のレコーディングのほうでいっぱいいっぱいだったんで、“とりあえずこれでなにかサンプリングで、リズムのループみたいなのを思いつくだけ作っといて”って丸投げしました(笑)」
VIDEO 「その段階では歌ものかもインストかも決まってなかったですね。ただ、そのとき飲んでたお店に中原(昌也)さんがたまたま来たんですよ」
坂本 「中原くんが“今日はなんの会なんですか?”っていうんで、これこれこういうことの打ち合わせだって説明したら、彼がぽろっと“タイのティミー・トーマスみたいなの、やってくださいよ”って言ったんです」
VIDEO 「その日、中原さんからは他にもアイデアが出ましたけど、“タイのティミー・トーマス”って言葉で“それはいいかもしれない”って話にみんながなったのは覚えてます。僕もピンとくるものがあったので、“タイのティミー・トーマス”を意識しながら、リズム・ボックスとタイ音源からサンプリングした太鼓や鈴の音を組み合わせたパターンを10個以上作って、ひとつできるたびに坂本さんに送ってました」
坂本 「最初のうちは、自分のアルバムのレコーディング中の空いた時間に、ゲストで来たミュージシャンについでに音を入れてもらったりすれば、効率良く作業できると思っていたんです。でも、レコーディングがはじまったらとてもそんな余裕はなくて。結局、アルバムが片付くまで手がつけられなくて、間が結構空いちゃいましたね」
――でも、そのおかげでVIDEOくんのトラック作りは進んで。
VIDEO 「とりあえず作るだけ作って坂本さんに投げまくりました」
坂本 「アルバム製作中もVIDEOくんから送ってくるトラックを聴いてはいたんですよ。そのなかで、アルバム用に作ろうとしたけどまだちゃんとできてなかった曲に、すごくはまりそうなリズムトラックがひとつあったんです。“その曲を完成させたら、まあなんとかなるな”という当たりだけつけて、寝かせていたという感じですかね」
――それが「夢で見た町」ですか?
坂本 「そうです。その時点ではまだ歌詞はなくて、曲も断片しかなかったですけど、VIDEOくんの作ったリズムを取っ掛かりにして」
VIDEO 「僕が投げたリズムに、坂本さんのメロディとコードが乗って返ってきたのが6月くらいでしたね。僕も着地点が見えないままいっぱいリズムを作っていたけど、坂本さんからひとつ戻ってきたことで、かたちになるものが見えてきたかなと」
坂本 「リズム・パターンを8分くらいの長さにしたやつを送ってもらったんです」
VIDEO 「そうでしたね。最初、“作業用に8分くらいの尺がほしい”って言われて、坂本さんから戻ってきたら、まんまその8分が使われてたんでびっくりしました」
坂本 「12inchにするって聞いてたから、ちょっとは長くしないとなと思ったんですよ(笑)」
――VIDEOくんからもすこし制作中の話は聞いていたんですが、坂本さんの作った曲をVIDEOくんがリミックスするとかではなく、本当にふたりで一緒に制作してるんだということがわかってきて興奮しました。でも、VIDEOくんはタイには行ったことないわけだし、お互いの世界観のすり合わせという作業もあったと思うんですが。
坂本 「〈夢で見た町〉を作る前に江村さんとSoi48*がやったタイ音楽教室的なトークショーを聞きに行ったことも大きかったですね。イサーン地区の性質や背景、モーラムがどういう成り立ちの音楽なのかを聞いて、“なんちゃってタイ”みたいなお手軽なネタものにはしないほうがいいし、曲を自分で作ってやることに意味があるんじゃないかなと思ったんです」
* EM Recordsのタイ音楽の再発シリーズ監修など、知られざるタイ音楽の世界を発掘し続けている日本人DJコンビ
VIDEO 「“知らない国のホテルで、テレビが点けっぱなしで、知らない国の言葉が浅い眠りのなかで聞こえてくるんだけど、悪夢を見続けてる”みたいな、あくまで旅行者の視点でやるという話でしたよね。僕も海外に行ったときの時差ぼけとかは体験してるので、そういう感覚としてなら作れるかなと思ったんです」
坂本 「あと、音楽での共同作業っていうのを僕は今までしたことなくて。どういうふうにしたらいいか、あんまり想像がついてなかったんです。でも〈夢で見た町〉で、歌の部分と寝てるときの夢の部分を行ったり来たりする構成を思いついたんです。そしたらその夢の部分をVIDEOくんに自由にコラージュしてもらうと、お互いに好き勝手できるんじゃないかなと」
VIDEO 「そういう役割分担でしたね。間奏は結構自由にやってほしいと言われて、僕もCDからサンプリングした声や音を入れて、寝てるときに現実の世界から呼びかけてるみたいな感じを意識しました。昔、友達がタイのお土産でくれたVCD*の映画からもサンプリングしたりもしましたね。その音声は、勝手にテレビが流れてるイメージにしたかったんで、家のテレビで流しながらレコーダーを置いてランダムに録って、曲のうしろでずっとちっちゃな音で入れたりしました」
* DVDの前進的な記録メディアで、東南アジアで流通している
――「夢で見た町」を中村楓子さんが歌うというのは最初から決めていたんですか?
坂本 「最初のデモでは僕が歌ってたんですけど、歌詞をつけた時点で、自分では歌えない歌詞だと思ったんです」
VIDEO 「歌詞がついたとき、すごくびっくりしました」
――僕は楓子さんの歌を聴いて、『バンコクナイツ』に出てくるタイの女の人を日本語に吹き替えして聴いてるような錯覚をしました。
坂本 「映画の内容は、バンコクでロケしてるということ以外ぜんぜん知らずに歌詞を書いたんですけど、映画を見たら結構リンクしててびっくりしましたね」
VIDEO 「作る段階で見られるなら見たいとも思ったんですけど、そこはあんまり気にせずやっちゃったほうがいいのかなと。どっちが正解とかではなく、見てしまっていたらこういう音源ができてなかったと思います」
――結果、見なかったことで映画と音源の間に奇妙な引力が発生した感じはありますよね。そして、この〈夢で見た町〉で2人の共同作業がうまくいったムードが、そのままB面の2曲のオリジナル「バンコクの夜」や「ディスコ・バンコク」にもつながっていったのかなと思ったんですが。
VIDEO 「そうですね。最初はとりあえずリードトラックの〈夢で見た町〉優先で、B面のことは2人ともぜんぜん考えてなかったですね。リミックスとかインストとかでなにかやりようはあるだろうなと僕は思ってましたけど。結構A面のかたちが見えてきた段階でB面のことを話し出した段階で、結局、僕が事前に坂本さんに投げていたいくつかのトラックをもう一回2人で聴き返しながら考えていったんです。2つのトラックを組み合わせたり、同時に鳴らしたりしながら、なにかおもしろいことができないかなと試していった。PCの前に僕と坂本さんがいて、まさに宅録っぽい作り方でしたね。で、そこから2つおもしろそうなトラックができたんです」
――ということは、「バンコクの夜」と「ディスコ・バンコク」はVIDEOくんの宅録的なノウハウで坂本さんをリードして作っていったといえますね。
VIDEO 「そうですね。宅録で2人でやってみて、そのあと僕が家でひとりでもうちょっと練って、それを坂本さんに送って」
坂本 「VIDEOくんは作業が速いんですよ。“これとこれ、合体させたらどうなりますかね?”って言ったら、ちょこちょこちょこって作業して、それを聴いて僕は“ああ、いいですね”みたいな(笑)。“さっきあったあの音、ここにうまくはまんないですかね?”って言うと、またぱちぱちぱちってやってくれる。僕はその間、お茶飲みながら待ってるだけ(笑)。あとは“これ持ち帰って、家でベースライン考えてきます”みたいな感じでしたね」
――VIDEOくんは、坂本さんと一緒に宅録作業してみて、なにか発見みたいなものはありました?
VIDEO 「まあ、やっぱりそういう作り方を坂本さんがやるのがはじめてだったんで、“なにができるか”ということをお互いに認識しあいながら探ってくみたいな作業でしたね。“サンプリングって、どうやるの?”みたいな話からサンプラーの説明を僕がしたりして」
――「ディスコ・バンコク」ができたころに、VIDEOくんから“最高にばかっぽい曲ができて、坂本さんもすごく喜んでた”と聞いた記憶があります。
坂本 「そうですね。B面の2曲みたいな、ああいうのはやっぱり自分ひとりじゃできないですよね。技術的なことだけじゃなく、あの軽さですかね。自分だけでやるともっと重くなっちゃう」
――「バンコクの夜」のチルアウトなんだけど景色が濃厚にある感じも素晴らしいです。
VIDEO 「〈ディスコ・バンコク〉とは対照的で、どよーんとして湿度が高い感じなんですけど、あの曲は、坂本さんに映画の『オンリー・ゴッド』(2013年)を教えてもらったのがきっかけにあるんです。僕の曲のMVの雰囲気が『オンリー・ゴッド』っぽいって言われて、それで僕もその映画を見たんです。その映画は全編タイで撮影されていて、そこに出てくる夜のタイの風景っぽいイメージで〈バンコクの夜〉は作ってみたんです」
――坂本さんもVIDEOくんも、もし自分だけで作っていたら「バンコクの夜」も「ディスコ・バンコク」も、また違う感じになったんでしょうね。
VIDEO 「そうですね。家で坂本さんと2人で作業しながら普通にしゃべってたことがわりと音楽にも反映されてる気がします。〈ディスコ・バンコク〉みたいな曲も、ディスコって自分が一番手を出せないジャンルというか、苦手意識があったんですけど、そこを僕も坂本さんもうまいこと軽い気持ちでいい着地ができたかなと」
坂本 「直前まで自分のアルバムで、自分で全部をやることに疲れ果てていたので、いい感じでVIDEOくんに作業を投げられたことで気分もぜんぜん変わったんですよね。出し切ったあとで、また違う感じで取り組めたから、すごく助かりました。あと、やっぱりこういうお題があって、自分の作品という感じでもないっていうことでないと、なかなか作れないタイプの曲があるんですよ。それができた気がしますね」
VIDEO 「僕もそうですね。自分の名義だと、VHSからサンプリングして、ピアニカでメロディ付けて、みたいな制約がいろいろ自分のなかであるんです。今回はお題さえ守っていればなにをやってもいいという感じだったので、ライヴでやるための実用性とかも考えず、ただただイメージした風景を目指して曲を作るみたいな実験ができたというのはありました」
――これがきっかけで、坂本さんの次に作る音源に宅録的な発想が持ち込まれるとか、あるかもしれませんね。
VIDEO 「でも、坂本さんと最初に打ち合わせしたときに、“サンプラーとか買ってみたらいいんじゃないですか?”って言ったら、“やだ”って返事でしたね(笑)」
坂本 「いや、ほら、宅録の音楽は昔から好きなんで興味はありますけど、やっぱり長年その道でやってる人がいるじゃないですか。僕が急にやってもね、どうでしょうね?」
――結果的にこの12inchは、坂本慎太郎&VIDEOTAPEMUSICの作品としか言いようがない特別なものになったといえます。ここまで溶け合うとは。
坂本 「そうですね。やっぱりお題と、映画に絡めたタイトルの指定との相性もあるんじゃないですか。たぶん、僕ひとりでやってもしっくりこなかったし。僕もなにをやるかぜんぜん見えてなかったけど、“とりあえずこれはVIDEOくんだろ”とピンときた。そのピンときた通りにやったら、うまくいったんだと思います。僕も“この音を抜いたほうがいい”とか、“ここをブレイクにしよう”とか、そういう提案はしましたけど、最終的なミックスとか細かい作業はVIDEOくんに任せてるから、VIDEOくんが納得したら完成なんです。あとは、僕はもうそれを聴いて“いい”と思えたらそれでよかったんで」
VIDEO 「もともと坂本さんが僕を知ってくれたきっかけが、僕がリズムボックスとカシオトーンで作った変名のPATRICIA POMBOのCD-R音源(『Casiotone Works』2014年)だったんですよね。だから今回、坂本さんが作った曲にあのカシオトーンの音色を使うのはすごくはまるだろうと思ってました。それと中原さんから出た“タイのティミー・トーマス”というキーワードで、サウンド的な着地点は自分のなかでイメージできてたんです。だから、B面最後の〈夢に見た町〉のインスト・ヴァージョンも、単純にインストにしたんじゃなく、70年代のカシオトーンCT-701の音に全部差し替えた〈夢に見た町〉のPATRICIA POMBOヴァージョンなんですよ」
――このコンビ、一夜限りのバンコクの夢で終わるのはちょっと惜しいですよね。長いスパンで、またときどきやったらおもしろいと思います。
VIDEO 「お題があれば、またそのときに(笑)」
坂本 「なんかこれはというひらめきがあれば」
――今回も江村さんからの電話を切った瞬間に、坂本さんがVIDEOくんの存在をひらめいたところからはじまったんですもんね。
坂本 「そこから出発するかしないかって結構重要なんですよ。最初にひらめいたところからはじめると、偶然も作用してうまく転がっていったりするんだけど、最初にもやもやした感じではじめちゃうとうまくいかないってことはよくありますからね」
取材・文 / 松永良平(2016年11月)
撮影 / 三田村 亮
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