[LIVE Report] 愛され続けるシンガー・ソングライター藤田麻衣子のオール『緋色の欠片』曲によるスペシャル・ライヴ!

藤田麻衣子   2017/11/10掲載
はてなブックマークに追加
 シンガー・ソングライター、藤田麻衣子が11月7日、東京・EX THEATER ROPPONGIにてワンマン・ライヴ“藤田麻衣子 Live 2017 〜緋色の欠片 10th Anniversary〜”を開催した。昨年デビュー10周年を迎えた彼女の出発点となったシングル「恋に落ちて」をはじめ、26もの楽曲を提供したゲーム&アニメ『緋色の欠片』シリーズ10周年を記念し、初めて開催された“オール『緋色の欠片』曲”のライヴ。当然チケットは即完売、待ちに待ったスペシャルな公演を前に涙ぐむファンもいるほど、会場は熱気に包まれていた。
 暗転したステージに藤田の靴音が響くと、息をのんで見守る観客たち。静寂を溶かすように響く美しいピアノの音、そして彼女の柔らかなワンピース姿と凛とした表情にスポットライトが当たると、誰もが瞬間に“藤田麻衣子”の世界に引き込まれてしまった。1曲目は「横顔〜わたしの知らない桜〜」。桜が散るように儚いふたりの恋とすれ違う想いを、あらゆる心のひだを震わすように歌い上げた。
 あふれる才能を開幕から見せつけたものの、MCでは素顔のほんわかテンションになる藤田。バンドの呼び込み&メンバー紹介の後には、今回のライヴに込めた想いをゆっくり丁寧に語った。26曲すべての“恋の歌”を通して、「順番に“季節”を見ていただきたい」という。桜の出てくる1曲目の「横顔」を“4月の歌”として「ここから季節は春から夏に……、いろんな物語を楽しんでいただけたら」と、ここから紡がれる12の季節の恋物語へと観客を誘った。
 続いて披露されたのは、 “5月”の楽曲「ねぇ」、“6月”「蛍」。届かぬ想いを歌ったバラードが続き、“7月”「金魚すくい」では、息苦しさをも感じるほどの愛の重さに胸がギュッと締め付けられる。そして少しずるくてとても弱い、恋する女性の感情そのものが描かれる“8月”「水風船」。どこか幻想的で懐かしいような情景が浮かぶサウンド、どうしようもないほどに切ないけれど、かけがえのない大切な想いを描く詞世界……“緋色”シリーズの楽曲が持つ魅力が詰まった4曲を畳みかけるように演奏した。
 自身の想いを重ねるかのように涙する客席だったが、この後のMCでも“藤田らしさ”は全開。「いつもは明るい曲で(ペンライト)つけてもらうんだけど、今日は明るい曲、ほとんどないから!」「苦しい恋の曲が続くけど、休憩を用意したので心ゆくまで苦しんでいただければ」とニッコリする彼女に、場内も一気に笑いに包まれた。
 そして季節は秋へ。「秋になってもしまい忘れた風鈴に、待ちぼうけの女心を重ねた」という6曲目「秋風鈴」をドラマティックに魅せ、そしてそのまま逸る想いに歩調を合わせていくように「運命の人」「高鳴る」とどんどんとビートを上げて聴かせていく藤田。ボルテージが頂点に達したところで1幕は閉じ、“心ゆくまで苦しんだ”ファンは15分間の休憩に。
 赤いヴェルヴェットの幕の向こうから聞こえてくるやさしく切ない歌声。2幕のスタートは、来ない連絡を待ち続けてしまう女心を歌った「きっと」から。ゆっくりと幕が開くと、白のブラウスに紅葉色のジャンパースカート姿に衣装替えした藤田の可憐なかわいらしさに目を奪われる。続く10曲目「それでも私は」と、一旦“季節”テーマからは離れ片思いを描いた2曲を歌い終わった藤田は、「はい、後半始まりました〜!」「次はようやく、両思いの曲が2曲!!」と元気いっぱいに。11曲目「二人なら」ではステージいっぱいを歩き回って右に左に客席をあおり、12曲目「瞬間」では愛しさを爆発させるように歌い上げると、この日いちばんの満面の笑みを見せた。前半グッと重厚な恋の味を楽しんでいた客席も、ここぞとばかりにテンションMAXで場内は一気に多幸感に包まれた。
 そのまま突入したMCでは、47都道府県を回った前ツアーの話の流れから、観客の出身地をアンケート。福岡から北海道まで全国から集まったファンの中には、なんと海外・中国から来た人も! さらに、これまでツイキャスなどで行なわれていた“弾き語りリクエスト曲”の集計結果発表では、上位10曲中8曲が『緋色の欠片』シリーズの楽曲だったことが判明。そんな大人気の“緋色”キャストから、声優・岡野浩介と平川大輔が来場していることが明かされると、会場は大盛り上がりに。ふたりのお気に入り曲が「恋に落ちて」だと発表されるなど、アットホームな雰囲気のMCタイムとなった。 
 そして13曲目「君が手を伸ばす先に」、14曲目「今でもあなたが」、15曲目「この白い雪と」と“冬”の恋のメドレーへ。季節独特の透明な空気感とその奥にある感情の温かさが胸に広がる3曲を歌うと、「次は3月……、最後になります」と16曲目「卒業」へ。
 「ときめいているとき、胸の奥がジーンとする感じ。本当に好きじゃなきゃ、流れないもの。あの魔法にかかった感じを味わいたくて。歌にあのときめきを閉じ込めることができたら、聴くたびに(ときめきが)蘇るのかな。そういう歌が作れたらなって」と恋の歌を作り続ける秘密を明かす藤田。「“緋色”はいつも“恋の歌をください”と言ってくれて、楽しんで曲を提出できました。シンガー・ソングライターとしても、すごく育てられた。歌を聴いて、皆さんの心にもときめきを、熱いものが流れてくれたらうれしいです。10年経っても曲を聴いてくれてありがとう!」。
 想いを目一杯込め、大合唱する客席と心ひとつに「卒業」を歌い“季節”は1周り。全身で感謝を伝えるように深く頭を下げた藤田は、笑顔でステージを後にした。
 鳴りやまないアンコールに応え、ライヴ・グッズのTシャツに着替えて登場した藤田。「10年前、この歌でデビューしました」とアンコール1曲目「恋に落ちて」をピアノ弾き語りで魅せると、ここで2つの“重大発表”がアナウンスされた。「来年、1月10日に2年ぶりのオリジナル・フル・アルバムを発売します!」。鳴りやまない拍手に「長くない?」と突っ込みつつも喜びを分かち合うと、「〈高鳴る〉みたいなわたしが苦手な早いビートの曲もあります」「藤田麻衣子史上、いちばんドロドロした曲もあります。その怖い曲のタイトルは〈嫉妬〉です」と大爆笑で明かし、「絶対裏切らないから、楽しみにしていてね」とみずから太鼓判を。そしてもう一つの発表は、「バンド・ツアーをします!」。大阪・名古屋・福岡・仙台・札幌と回り、東京は初の国際フォーラムホールC。「絶対来て」という藤田に、会場は大きな拍手で応えた。
 「書いてきた作品、(応援してくれる)皆さん、出会ってきたすべての人が宝物です」。そんな想いを振り絞るように歌った最後の曲は「宝物」。バンド・メンバー、会場のファン、そしてスタッフそれぞれに熱い感謝の言葉を伝える藤田。全員で作り上げた“大切な場所”を永遠にするかのように観客と記念写真の撮影をすると、バンド・メンバーと手をつなぎ、深く深く、ファン全員に想いを届かせるように頭を下げた。そして会場の隅々まで、笑顔と感謝を伝えに行く彼女を、大きな拍手で見送る観客たち。ふいに「シーッ」と人差し指を口元に寄せ、拍手を止める藤田。「ありがとう! また来てね!」と全力の生声で感謝を伝えるその温かな人柄に、10年間愛され続ける理由の一つを垣間見たような気がした。
藤田麻衣子 Live 2017 〜緋色の欠片 10th Anniversary〜 セットリスト
1. 横顔〜わたしの知らない桜〜
 MC
2. ねぇ
3. 蛍
 SE
4. 金魚すくい
5. 水風船
 MC
6. 秋風鈴
7. 運命の人
8. 高鳴る
 休憩
9. きっと
10. それでも私は
 MC
11. 二人なら
12. 瞬間
13,14,15. メドレー〜君が手を伸ばす先に〜今でもあなたが〜この白い雪と
 MC
16. 卒業

〈ENCORE〉
1. 恋に落ちて
 MC
2. 宝物
文/盒桐吉
Text by Takahashi Yumi
Live & Release info
藤田麻衣子
2018年1月10日(水) メジャー・サード・アルバム『思い続ければ』発売決定!
DVD付き初回盤
VIZL-1292 ¥5,200+税
※DVDには即完売したプレミアムなライヴ“藤田麻衣子 Live 2017 〜緋色の欠片 10th Anniversary〜”のライブを収録。

通常盤
VICL-6490 ¥3,000+税

■配信情報
iTunes Store、レコチョク他 各音楽配信サイト またLINE MUSIC、Apple Music、AWAなど主要定額制音楽ストリーミングサービスにて1月10日(水)より一斉配信開始


『藤田麻衣子 LIVE TOUR 2018 〜素敵なことがあなたを待っている〜』
2月8日(木)大阪・なんばHatch  18:00開場/19:00開演
2月9日(金)愛知・名古屋ダイアモンドホール 18:30開場/19:00開演
2月18日(日)福岡・DRUM LOGOS 16:30開場/17:00開演
2月22日(木)宮城・仙台Rensa 18:30開場/19:00開演
2月24日(土)北海道・札幌cube garden 17:30開場/18:00開演
4月10日(火)東京・東京国際フォーラム ホールC 18:00開場/19:00開演

オール・ジャンル 最新CDJ PUSH
 
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] 角銅真実&西田修大が語る石若 駿『Songbook2』[特集] [LIVE Report] 愛され続けるシンガー・ソングライター藤田麻衣子のオール『緋色の欠片』曲によるスペシャル・ライヴ!
[インタビュー] 秋本帆華が語るチームしゃちほこの“これまで”と“これから”[インタビュー] 原点回帰を経て再確認した“本気”の在り所 加藤和樹『SPICY BOX』
[インタビュー] “世界の先端で戦うということ” BIGYUKI『リーチング・フォー・ケイローン』[インタビュー] 音楽の“過去と未来”とを想像力でつないでみせる歌 高田 漣『ナイトライダーズ・ブルース』
[インタビュー] 永遠に愛される曲を目指して――サラ・オレインが真価を発揮した『Cinema Music』[インタビュー] ノリとヴァイブスだけで作った音楽を“ヒップホップ”としてパッケージ化する GRADIS NICE & YOUNG MAS(Febb)
[インタビュー] 密接な関係性ありきの音楽 MIKUMARI×OWL BEATS『FINEMALT NO.7』[インタビュー] (想像以上に)挙動不審!? 廣瀬真理子が総勢22人の“ドリアンな奴ら”を率いてアルバムをリリース
[インタビュー] 「知らない土地で出会う風景や人から音楽が生まれる」 ――ピアニスト、ジェイコブ・コーラーが描くシネマティックな世界[インタビュー] 上原ひろみが驚異のハープ奏者エドマール・カスタネーダとのデュオ・プロジェクトを始動
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015