極限まで高められたヘヴィネスと、鋭く研ぎ澄まされたヴォーカリゼイション 強い存在感を堪能できるGacktのニュー・シングル

GACKT   2008/12/09掲載
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 来春公開のハリウッド映画『BUNRAKU』の出演が決定するなど話題の多いGacktが、約1年ぶりとなるシングル「Jesus」をリリースした。研ぎ澄まされた感性の中で制作された本作は、ヘヴィなロック・サウンドが追求された楽曲に仕上がっている。緻密に作りこまれたPV(初回盤特典のDVDに収録)も見ごたえがあり、要注目のリリースだ。



 チャート1位を獲得した「RETUNER〜闇の終焉〜」以来、約1年半ぶりとなるシングル「Jesus」が到着。来春公開の予定のハリウッド映画『BUNRAKU』への出演など、表現者としての幅を大きく広げているGacktだが、極限まで高められたヘヴィネスとヌケのいいヴォーカル・ラインが一つになったこの曲では、ロック・アーティストとしての強い存在感を久々に堪能することができる。
 「12月から久しぶりのツアー(約3年ぶりの全国ツアー“Requiem et Reminiscence II〜再生と邂逅〜”)がスタートするんだけど、今回のツアーにともなう物語のオープニング、エンディングを飾るにふさわしい楽曲になったんじゃないかな。順番としては、まず物語が機軸となって、そこからコンサートの構成を組み立てていく。そこから“どういう楽曲が必要か”ということを考えるんだよね。〈Jesus〉からも想像してもらえると思うけど、今回はかなり激しいよ。キャッチーなところもあるんだけど、とにかく重くて、激しい、そして痛いサウンドになると思う。でも、美しいものにはなるけどね、もちろん。そうじゃないと、やる意味がないから」





 シンプルなバンド・サウンドを基調にした「Jesus」は、彼の鋭く研ぎ澄まされたヴォーカリゼーションをダイレクトに伝える楽曲でもある。おそらく彼はいま、自らの声をストレートに見せていきたいという強い欲求を抱えているのではないだろうか。そして、そのモチベーションを見事に反映したサウンド・プロダクションもまた、飛躍的な進化を遂げている。
 「“スーパー・ロー”(超低音)もしっかり出てるし、でも、ヴォーカルはキレイに抜けてる。音質にはとことんこだわってるからね。レコーディング中、何本スピーカーをつぶしたかわからないくらいだよ(笑)。海外のロックのアルバムを聴いたあと、日本のCDを聴くと、やたらチャチに感じてしまうことがあるじゃない? 僕のCDに関しては、そんなことは絶対にない。でかい音量で聴いてもらえれば、音圧のすごさ、音像がキレイな層になってることがわかってもらえると思う。車の中で大音量で聴けば、天国に行けるよ」

 カップリングには2001年に発表したアルバム『Rebirth』に収められたバラード・ナンバー「Sayonara―ЯR II ver.―」を新たにレコーディングして収録。凛としたピアノ、狂気的な美しさをたたえたストリングス、祈りにも似た深遠さを感じさせるヴォーカルが溶け合うこの曲も、今回のツアーのポイントとなりそうだ。
 「今回のツアーは(『Rebirth』にともなって行なわれたツアー)“Requiem et Reminiscence”の続編だからね。あのときに明確に伝わらなかったことも、ライヴのなかで解明されていくし、きっと面白いと思うよ」

 現在Gacktは次の作品のレコーディングに入っている。全国ツアーも含め、Gacktが生み出す新しいストーリーをぜひ、体感してみてほしい。



取材・文/森 朋之(2008年11月)
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