葉加瀬太郎   2011/08/01掲載
はてなブックマークに追加
 会場に集まった観客を満足させるのはもちろん、アーティスト同士の新たな出会いをも演出する“大人のための夏フェス”! ついに10周年を迎えた<情熱大陸 SPECIAL LIVE SUMMER TIME BONANZA'11>(情熱大陸フェス)がいよいよ開幕! 初日を飾った大阪篇が7月30日(土)に万博記念公園もみじ川芝生広場で行なわれました。続く東京篇(8月6日@夢の島公園陸上競技場)、札幌篇(8月27日@札幌芸術の森・野外ステージ)への期待も高まるライヴ・レポートをお届けします!




■カサリンチュ(オープニング・アクト)

[SETLIST]
01. オープニング〜クスブンブン
02. あなたの笑顔
03. High High High
04. やめられない とまらない


 開演直前……。会場となった万博記念公園もみじ川芝生広場には雨がぱらつき不安がよぎるも、一転ピーカンに! 青空が広がる中、10年目を迎える<情熱大陸 SPECIAL LIVE SUMMER TIME BONANZA’11>大阪篇が、イベント・オーガナイザー葉加瀬太郎の開幕宣言で堂々のスタート!

 オープニング・アクトは、徐々にお客さんが集まりだした会場の雰囲気をリードする重要な役目。そこは3年連続出場のカサリンチュ、つかみもうまく、落ち着いた余裕のあるステージで自然とオーディエンスのテンションを上げていく。



■ナオト・インティライミ

[SETLIST] 
01. おまかせピーターパン
02. Hello
03. 今のキミを忘れない with 葉加瀬太郎

 そしてトップ・バッターは情熱大陸フェス初出場のナオト・インティライミ。2曲目には8月10日にリリース予定の新曲「Hello」を披露し、3曲目には、「ナオト最高!」の声をかけながら葉加瀬太郎が舞台に上がる。

 「(その名前から)ハーフの人が来るのかと思ってた!」と会場の笑いを誘い、ヒット曲「今のキミを忘れない」を共演。



■中 孝介

[SETLIST]
01. 花
02. Borderless sky
03. 絆、その手に
04. 君ノカケラ with 葉加瀬太郎

 2番手に登場するのは2007年以来、5年連続出場の中 孝介。若手ながら、すでに情熱大陸フェスでは常連メンバー。まずはヒット曲「花」をしっとりと聴かせ、ナオト・インティライミで熱くなった会場を適度にクール・ダウンさせる。

 葉加瀬との共演曲は、8月10日にシングル・リリースされる新曲「君ノカケラ」。シングルでは宮本笑里が参加しているヴァイオリン・パートを、葉加瀬が担当。中 孝介の高音パートのヴォーカルと絡む様が絶妙。



■ソノダバンド

[SETLIST] 
01. Soul River
02. Spanish Ecstasy
03. はしれ、はしれ

 ここからステージは、左手にあるJOUNETSU STAGE(サブ・ステージ)に移り、ヴァイオリン、チェロ、キーボード、ギター、ベース、ドラムで構成される6人組インスト・ユニットのソノダバンドが登場。情熱大陸フェスには初参戦となる彼ら、ジャズ・フュージョンやロック、クラシックをミックスさせたサウンドは葉加瀬太郎に影響を受けたとのことで、自身もオーディエンスとして情熱大陸フェスに来たこともあるそう。それを聴いてか、ステージ横から葉加瀬が顔を出し「頑張れ!」と声をかける一幕もあり、新人で初登場ながらリラックスしたパフォーマンスをみせてくれた。



■押尾コータロー

[SETLIST]
01. Brand New Wings
02. Over Drive
03. ナユタ with 葉加瀬太郎

 ステージはBONANZA STAGEに戻り、2004年の第3回以来、毎年出場を果たす押尾コータローが舞台に上がる。アコースティック・ギターを激しくかき鳴らし、意外にも(!?)激しいパフォーマンスを披露し観客を盛り上げる。

 「毎度おおきにっ!」と、明るいMCで場内を和ませ、チェロの柏木広樹と葉加瀬を呼んで、前の曲とは一転した、じわりと沁みるような落ち着いた演奏を聴かせてくれた。



■Sing Like Talking

[SETLIST]
01. My Desire〜冬を越えて〜
02. Dearest
03. 涙の螺旋 with 葉加瀬太郎
04. Luz

 続いては押尾同様、常連メンバーのSing Like Talking。佐藤竹善に至ってはソロやユニットなど、様々なスタイルで2003年の第2回以来、最多出場を誇る。葉加瀬とのコンビネーションも、もはや阿吽の呼吸の域だ。

 5月18日にリリースされたアルバム『Empowerment』に収録された「涙の螺旋」をストリングス・アレンジで披露。最後に演奏したのは、東北出身の彼らが東日本大震災復興支援に書き下ろした配信限定曲「Luz」。遠く大阪から東北に向け、メッセージを込めて歌った。



■→Pia-no-jaC←

[SETLIST] 
01. Electric Parade
02. 第九
03. Jack

 ステージは再びJOUNETSU STAGEに戻り、初参戦の→Pia-no-jaC←。背中に各々P、Jとプリントされた揃いの黒ツナギ姿で登場。1曲目から場内を煽り、早くも観客を総立ちにさせる。

 ピアノとカホンというミニマルな編成でディズニーの名曲、ベートーベンの第九など、耳に馴染みのあるメロディを→Pia-no-jaC←流に解体し、激しく演奏していく圧巻のパフォーマンスを見せてくれた。



■SEAMO

[SETLIST]
01. ルパン・ザ・ファイヤー
02. 不景気なんてぶっとばせ!
03. その手は何のためにある?
04. マタアイマショウ with 葉加瀬太郎
05. ONE LIFE

 情熱大陸フェスは毎回様々なジャンルのミュージシャンが出演するが、昨年、KREVAが出演したことで新たにヒップホップ枠が誕生。同枠、今年はSEAMOが参戦した。4人のダンサーを従え勢いよく登場し、→Pia-no-jaC←で暖まった客席をさらにヒートアップさせる。

 注目の葉加瀬とのコラボはSEAMOの代表曲「マタアイマショウ」。生のバイオリンとチェロに、SEAMOのボイスが完全に一体化し、見事な化学反応を起こした。最後は震災後に書き下ろしたという7月27日にリリースされたばかりの新曲「ONE LIFE」。ベートーベンの「悲愴」をサンプリングしたトラックに乗せて“自分を信じろ!”と熱いメッセージを会場へと投げかける!



■馬場俊英

[SETLIST]
01. ボーイズ・オン・ザ・ラン
02. そこから始まる愛がある
03. スタートライン〜新しい風 with 葉加瀬太郎
04. ロードショーのあのメロディ

 馬場俊英が舞台に登場すると、会場が大いに沸く。馬場は2008年、2009年と2年連続で大阪城ホールでライヴを行なうなど、関西での人気が特に高いアーティスト。

 1曲目は元阪神タイガースの矢野捕手の打席入場曲にもなった「ボーイズ・オン・ザ・ラン」を歌い、会場に集まった地元のお客さんのハートをがっちり掴む。代表曲でもある「スタートライン〜新しい風」は、葉加瀬のバイオリンが絡む豪華な共演。



■矢井田 瞳

[SETLIST]
01. Not Still Over
02. さよならよりも切ないの
03. Over the Distance
04. My Sweet Darlin' with 葉加瀬太郎
05. 花と月とアンテナ

 会場近くで生まれ育ったという矢井田 瞳は生粋の浪花っ子。「Hello! 大阪っ!」の挨拶にお客さんも暖かい声援で応える。

 「葉加瀬さんとやるならこの曲しかないでしょ!」とMCで紹介された葉加瀬は、“矢井田 / 夜露死苦”と書かれた黄色のハッピ姿、首からは“YAICO”と書かれたメガホンをかけ、仰天の特注衣装で登場。イントロ部分が葉加瀬のバイオリンで始まったお馴染みの「My Sweet Darlin'」では場内も最高潮に盛り上がり、サビ部分はお客さん全員で大合唱。



■西村由紀江

[SETLIST]
01. 見果てぬ夢を探して
02. 誕生 with 葉加瀬太郎
03. 微笑みの瞳

 ここからはイベントも中盤にさしかかり、インスト・コーナーが始まる。最初に出演したのは葉加瀬と同じレーベルのピアニスト、西村由紀江。この構成はなかなか考えられており、矢井田 瞳でヒートアップした会場が、西村のピアノですっかり癒され、午後の一服の清涼剤のような効果をもたらしてくれた。



■沖 仁

[SETLIST]
01. メドレー:ベサメ・ムーチョ〜スモーク・オン・ザ・ウォーター〜トルコ行進曲
02. スーパー・ムーン

 続いてはJOUNETSU STAGEに移ってフラメンコ・ギタリストの沖仁。一人で弾いているのに、複数で弾いているように聴こえる素晴らしい演奏で、客席を唸らせる。

 目の醒めるような鮮やかなプレイをメドレーで3曲続けた後は、ギターを弾きながらブリッジ部をパーカッションのように叩く超絶テクを、MCで解説しながら披露する。最後は、震災の1週間後、月が通常より大きく見えた神秘的な光景を描いたという新曲「スーパー・ムーン」。



■藤井フミヤ

[SETLIST]
01. Little Sky
02. 飛行船
03. TRUE LOVE with 葉加瀬太郎
04. Blue Moon Stone with 葉加瀬太郎
05. DO NOT

 2007年以来、5年連続出場の藤井フミヤがステージに現われると、場内は黄色い歓声が飛ぶ。大ヒット・ナンバー「TRUE LOVE」に葉加瀬のバイオリンが絡むと、この曲のメロディーの美しさが際だつ。

 続いて演奏された「Blue Moon Stone」は、イントロから客席が沸いた。ソロになってから、あまり演奏機会がなかったチェッカーズ時代のナンバーだけに、レスポンスも大きい。これは葉加瀬のリクエストだそう。



■鈴木雅之

[SETLIST]
01. LOVE with 葉加瀬太郎
02. ルビーの指環
03. 愛し君へ 
04. TAXI with 鈴木聖美
05. ロンリー・チャップリン with 鈴木聖美&葉加瀬太郎

 今年ソロ・デビュー25周年を迎える鈴木雅之、新ユニット“すずきたろう”です!とMCで紹介され、1曲目から葉加瀬が登場。ブラックスーツにサングラス、エナメル靴と大人の出で立ちで歌ったのはナット・キング・コールの名曲「LOVE」の日本語カヴァー。葉加瀬もサングラスにスーツと、野外なのに夜のジャズ・クラブを彷彿させるムーディーな雰囲気。続いてもカヴァーで、なんと「ルビーの指環」! さらに森山直太朗「愛し君へ」と、カヴァー3連発! 4曲目の「TAXI」を1コーラス歌い終わったタイミングで、鈴木雅之が「マイ・ソウル・シスター!」と呼び込むと、姉の鈴木聖美が現われ2コーラス目を歌い継ぐ。その圧倒的でソウルフルな声量たるや! そしてラストはお約束の「ロンリー・チャップリン」。再び葉加瀬も登場しての夢の競演へ。



■トータス松本

[SETLIST]
01. 明星
02. マイウェイ ハイウェイ
03. バンザイ〜好きでよかった〜
04. ハッピーアワー with 葉加瀬太郎  
05. ガッツだぜ!! with 葉加瀬太郎

 続いては地元・関西では圧倒的な支持があるトータス松本。登場するや、客席の歓声も凄まじく、グイグイと盛り上げるステージングは流石の安定感。

 4曲目からは葉加瀬も参加し、演奏された「ハッピーアワー」は、昨年MBS毎日放送の開局60周年記念ソングに使われたこともあってか、地元での認知度は抜群。誰もが知ってる「ガッツだぜ!!」で締めたステージ、心なしかお客さんもアンコールを求めているよう。



■Rake

[SETLIST]
01. 誓い
02. First Sight
03. 100万回の「I love you」

 JOUNETSU STAGEのトリは、注目の新人、Rakeがつとめる。ギター1本抱えて歌う姿はニューカマーとは思えないほど堂々としており、お客さんをグイグイと引き込んでいく姿は見事。ラストの「100万回の「I love you」」では、あの高いキーを歌いきり、最後はお客さんとのコール&レスポンスでステージを降りた。



■葉加瀬太郎

[SETLIST]
01. エトピリカ
02. Girls Talk
03. ひまわり
04. The Mission to Complete
05. 情熱大陸

■全出演者

01. タイトルのない唄
(作詞:藤井フミヤ / 作曲:葉加瀬太郎)

 大トリはオーガナイザーの葉加瀬太郎。冒頭のナオト・インティライミから、BONANZA STAGEに出演する全アーティストの舞台に参加し、アーティストごとに演奏スタイルや衣装まで変えて登場しプレイする八面六臂の大活躍。ここまで、相当に疲れているはずだが、そんな気配を一切見せずに広いステージを走り回りながら縦横無尽に演奏する。大ラスは、イベントのテーマ曲でもある「情熱大陸」!

 いつもなら、この曲に全出演者が登場して終了するが、今年は10周年とあって葉加瀬が作曲し、フミヤが作詞した書き下ろしのアニバーサリー・ソング「タイトルのない唄」を初披露。葉加瀬がイントロをバイオリンで奏で、フミヤのヴォーカルで始まり、SEAMO、馬場俊英、中 孝介、鈴木姉弟、トータス松本らが順番に1フレーズづつ、歌い次いでゆく壮大なバラード。このスタイル、あの「We Are The World」のよう。聴いていると、明日に向かって元気を出してこうという気持ちになれる応援歌だ。最後はビートルズの「ヘイ・ジュード」を彷彿させるような全員での「ラ・ラ・ラ」の大合唱。感動のフィナーレで情熱大陸フェスの大阪公演は幕を下ろした。





最新 CDJ PUSH
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] 角野隼斗 イメージ・キャラクターを務める「ベスト・クラシック100極」のコンピレーション・アルバムを選曲・監修[インタビュー] 色々な十字架 話題の“90年代ヴィジュアル系リヴァイヴァル”バンド 待望のセカンド・アルバムをリリース
[インタビュー] アシックスジャパンによるショートドラマ 主題歌は注目のSSW、友成空[インタビュー] 中国のプログレッシヴ・メタル・バンド 精神幻象(Mentism)、日本デビュー盤
[インタビュー] シネマティックな115分のマインドトリップ 井出靖のリミックス・アルバム[インタビュー] 人気ピアノYouTuberふたりによる ピアノ女子対談! 朝香智子×kiki ピアノ
[インタビュー] ジャック・アントノフ   テイラー・スウィフト、サブリナ・カーペンターらを手がける人気プロデューサーに訊く[インタビュー] 松井秀太郎  トランペットで歌うニューヨーク録音のアルバムが完成! 2025年にはホール・ツアーも
[インタビュー] 90年代愛がとまらない! 平成リバイバルアーティストTnaka×短冊CD専門DJディスク百合おん[インタビュー] ろう者の両親と、コーダの一人息子— 呉美保監督×吉沢亮のタッグによる “普遍的な家族の物語”
[インタビュー] 田中彩子  デビュー10周年を迎え「これまでの私のベスト」な選曲のリサイタルを開催[インタビュー] 宮本笑里  “ヴァイオリンで愛を奏でる”11年ぶりのベスト・アルバムを発表
https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015