吉川 友ベスト・アルバム『Best of YOU!』発売記念。恒例のロング・インタビュー!

吉川友   2013/08/22掲載
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 きっかがベスト・アルバム『Best of YOU!』をリリース! デビューからこれまでの全シングル楽曲に加え、グリコ乳業「カフェオーレ」CMソング「カフェオーレのうた(performed by きっかレン)」、そしてキマグレン・プロデュースによる新曲「八月の花火(Produced by キマグレン)」など全15曲を収録。そのリリースを記念して毎度恒例となったライター南波一海さんとの名勝負数え歌・第4戦をお届けします。
――吉川さんの近況を聞きたいなと思っています。
 「最近ですね、茨城に帰りましたよ。茨城からそのままここに来ました。スイカ、トマト、トウモコロシ(トウモロコシ)を持って帰ってきたんですよ、茨城からこっちに。そしたらトマト潰れちゃった。柔らかいから気をつけてねって言われたんですけど、さっき見たらベチャベチャで。ああ、どうやって食べよう」
――よく実家帰られますよね。
 「1ヵ月ぶりくらいかな? すーんって帰れちゃう距離なので。次の日仕事が遅いくらいだったら全然帰っちゃったりします」
――どういう理由で帰るんですか。
 「チョコ(飼い犬)に会いたくて。あと東京の生活に飽きた時とか」
――本当ですか?
 「いや、たまにありません? 東京に居心地さをなくした時とか」
――居心地さって!
 「ん? いぐ苦しさ?」
――息苦しさを感じた時とかに。
 「そうですそうです、それで帰りたくなる衝動に」
――都会の息苦しさを感じたりするんですね。
 「きっか自身は感じないんですけど」
――どういうことですか?
 「体が」
――あはは。体が実家を求めるんですね。
 「はい。体が勝手に東京駅の方に走っていくという」
――コントロールしてくださいよ(笑)。でも実家の犬に会いたくなる気持ちはわかります。
 「会ったら会ったでそっけないからすぐに(東京に)帰りたくなるんです。いっつもそうなんですよ。久々に帰ったらワーキャーしてくれるんですけど、最初の数分だけで、すぐにそれまで通りの日常になる。だから実家に帰ったら寝るだけみたいな感じです。すごい睡眠を取りますね。まぁでも、実家からの物産品を持ち帰るのはひとつの楽しみです」
――その物産品が潰れちゃったと……。料理はするんですか?
 「しますよ! やればできる子なんですよ。クックパッドさえあれば」
――あはは。便利ですもんね。
 「クックパッドさえあれば誰でもできます。でも料理に合わせて切り方が違ってくるじゃないですか。みじん切りとかザク切りとか乱切りとか、よくわかんないんですけど」
――あんまり料理をやってない人の発言ですよね。
 「いやいやいや。最近やり始めたんですって」
――自炊は野菜を摂れるからダイエットにも繋がっていいですよね。
 「そうなんですよ。じゃあなんか聞いてくださいよ」
――え、何を聞くんですか?
 「得意なやつ」
――なるほど。得意料理はなんですか?
 「野菜を切って入れて、コンソメを入れたスープ。ポトフみたいな。あれはダイエットのためにもやってます」
――いいですよね、簡単だし。
 「ふっ、簡単……。得意料理なんですけど」
――ああ、すみません。
 「でも切って入れるだけですからね!! でもハマってます、クックパッド」
――こうして何ヵ月かに一度お話を聞かせてもらってますけど、ハマってるものが毎回違いますよね。
 「最近はないんですよ。趣味とか聞かれるから毎回どうしようって言ってて。だからテキトーにウォーキングとか言ってます」
――テキトーって!
 「言葉が滑っちゃった(笑)。テキトーにっていうか、ウォーキングが主流ですね。本当に歩いてます。料理はあと、パリパリ塩キャベツ? キャベツに塩と胡椒とごま油をかけて」
――それ、ほとんど料理じゃないですね。
 「あれ? おかしいな。でも野菜はいっぱい摂ってます。ダイエットで」
――ダイエットの調子はどうですか?
 「あっ(自分の体のあちこちを見る)。こんな感じです」
――そうですか(笑)。特に変わりもなく、いい感じじゃないですか。
 「いやいやいや、じぇじぇじぇ」
マネージャー 「じぇじぇ……」
――ほぼ何も言ってないに等しいですね。デビュー当時と比べていかがですか?
 「あっ」
――“あっ”て。とにかくダイエットは引き続きという感じでしょうか。
 「そうですね。一生言い続けると思います」
――個人的にはやらなくていいような気がするんですけどね。
 「ノンノンノン」
――事務所やメーカーから言われたりする?
 「もう。宣戦布告ですよ。イエローカードどころかレッドカードですよ」
――退場だ。
 「退場ですよ」
――大変だ。
 「他人事ですね」
――その切り返し(笑)。心配はしてますよ! でも個人的にはすごく細いよりかいいと思いますけどね。
 「その中間めざして」
――今がその中間かなって思うんです。
 「いや、まだでしょ!」
――何キロくらい落とせばいいんですか?
 「2〜3、5キロ……」
――いきなり5に飛びましたね。
 「5かな。まず計れって言われました」
――計ってないんですか?
 「はい。じゃあ、きっかが5キロ痩せたら、CDジャーナルさん主催のフェスをやってください。ジャフェス。東京じゃないですよ? 海外ですよ?」
――それをやるには今の体重とダイエット後の体重を公表しないといけないですよ。
 「アイドルなんでできないです。そこは自分で見とくので」
――まさかの自己申告制(笑)。それで海外でフェスをやるかどうかが決まるんですね……。
 「でもダイエットは引き続きで。今、あれにハマってるかもしれないです。ペーパーランチ。わかります? タイの。巻くやつ」
――ライスペーパーですか? ペッパーランチと混ざっちゃってますね。
 「ライスペーパー! 生春巻きにハマってて家で作ります。ほんとですよ。ペチャーって水にひたして、具をまさいで」
――具を挟んで。すごいじゃないですか。
 「(エイフェックス・ツイン『Richard D James Album』のような笑顔で)どや」
――悪そうな笑みを浮かべてますね。
 「サーモンとか海老とか入れてます」
――お友達の光井(愛佳)さんは料理上手ですよね。教えてもらったらいいじゃないですか。
 「自分で開拓していくのがいいんです」
――でも、クックパッドなんですよね。
 「何がですか?」
――……ではプライヴェートの近況はこのあたりにして、歌手活動としてはどうですか。
 「キマグレンさんとの活動が多かったですね」
――CMで見ますよ。
 「(急に歌い出して)♪カフェオーレが飲みたいの 強いコーヒーもいいけど」
――ありがとうございます(笑)。男性とのコラボって珍しいですがいかがでした?
 「でも女性とのコラボっていうのもなかったので。ミルキーウェイとかくらいですよね。キマグレンさんはお兄ちゃんみたいな存在でした」
――109でイベントも一緒にやられてましたよね。行きたかったんですが。
 「いなかったんですか?」
――すみません。その日は℃-uteの音霊ライヴに行ってました。
 「あれ、おかしいな。なんでですかね。貸し1ですね。一生に一度の晴れ舞台だったのに」
――もっと大きな晴れ舞台がきますって。
 「苦渋のせんたつ(選択)してもらえればよかったんですが」
――しかし吉川さんと話すとなかなか作品の話にならないんですよね。
 「まったく触れてないですね。びっくり。今回はさせてくださいよ」
――でも、アルバムに関するコメントは紙に書いて事前に準備していることが前回のインタビューで判明したじゃないですか。だから、そういうのは、決められた時間でビシッと言わないといけないラジオとか、文字数が決まっている雑誌とかで話すのがいいと思うんですよ。ここでは基本的にフリーでできればなと。
 「えー、そういう体質ですか?」
――体質って言葉の使い方が若干ずれてる気がしますが、ここではこのやり方でやってきてもう4回目ですよ。
 「なるほど、そうですよね」
――そういえば吉川さんはここのインタビューの反応をチェックされてますよね。
 「そうですね。これで離れてくファンがいますよね」
――絶対いないですよ(笑)。こんな人なんだって興味を持つ人の方が多いですよ。
 「特に最初のやつは、みんなが拡散拡散ってしてて。“やばいぞコイツ”みたいな反応がすごくて、親に見られたらどうしようって思いました(笑)」
――読者からの反応を見てどう思いました?
 「今後どう出ていったらいいか迷いますよね。ラジオにしても。きっか、相手によって変わるタイプなので。だから今日のきっかはおとなしいぞ、みたいなことを言われたりもしたり。“やばいぞコイツ感”と言いますか、それの発掘者というか、人生の変わり目がこのインタビューなんですよ!」
――あははは!
 「人生狂っちゃったなと」
――すみません……でも、僕が発見したわけじゃくて、ライヴのMCでもずっと面白かったじゃないですか。
 「それをありのままに記事にしちゃうのが!」
――調整しろっていうね(笑)。
 「文字に残すっていうのはそういうことですよね。そこはダメですよね」
――ダメでしたか。
 「どう生きて行けばいいのかって大きな問題にはなってきますよね。友達にもヤバいねって言われるし。ああ、ごめんねって」
――それは反省します。
 「あははは。はははははは」
――じゃあこうしたやりとりも載せた方がいいですね。相手によって合わせると。吉川さんってすごく真面目だと思うんですよ。僕が喜ぶからこういう方向に振り切ってくれてるんですか?
 「ああ〜。(大声で)きゃーーー!!」
――照れなのかなんの絶叫なのか、わからないですね。
 「いや、すべて変わってしまったのはこれのせいですからね!」
 (スタッフ一同爆笑)
――優しいなって思うんです。誰もが喜ぶようにしてくれて。
 「それがアイドルですから」
――だから、吉川さんは繊細なところもすごくあるんじゃないかと思うんです。
 「ありまくりですよ。1回目のインタビューでだいぶ傷つけられました」
――それはすみませんでした。
 「嘘ですよ、嘘!」
――ライヴでお客さんがどのくらい来ているとか、どんなTシャツを着てるかとか、冗談交じりとはいえすごくチェックするじゃないですか。
 「チェックしますね。繊細さのかたまりですからね」
――繊細さと豪快な感じがあって。
 「うまく中和して、きっかができてます」
――ここでのインタビューは、その繊細な部分をないがしろにしてきたんじゃないかと。
 「繊細っていうのは、心が弱いってことですか?」
マネージャー 「弱くはない」
 「あっ」
――たとえば、記事の反応を気にするとか。
 「ああ、それはそうですね。それと影響はされやすいです。友達だったりとかに、趣味とかを」
――最近はどんな音楽を聴いてますか?
 「今ですか? 洋楽はご無沙汰してます」
――相変わらず移り変わりが早いですね。
 「キマグレンさんと一緒にやったので、聴いたりしてます。今日はバスの中ではモーニング娘。さん聴いてましたね。〈元気ピカッピカッ!〉とか〈みかん〉とか。やっぱり原点ですね」
――どんどん変わっていくのはどうしてなんですかね。
 「すぐ満足するのかな。フェルト人形だったり、キャベツの千切りだったり。一番短かったのはヨナナスですね。凍った果物をシャーベットみたくしてくれるやつです。それを『ヒルナンデス』で見て、ソッコー買いに行ったんですけど、使うのは短かったですね。1週間くらいで、すぐしまいました。そんなに冷凍庫に果物入れてないよっていう」
――なるほど(笑)。逆にずっと飽きてないことはありますか。
 「ウォーキングです」
――本当ですか?
 「断続的ですけど長くやってますよ! (腕を振ってみせながら)こんな感じで」
――こんな感じですか。でも、言ってしまえば歌うことが一番長いのかもしれませんね。
 「歌は飽きないですね。現場とかでずっと歌ってるねってよく言われます」
――最初のインタビューの時はアップアップガールズ(仮)「メチャキュン♥サマー ( ´ ▽ ` )ノ」を鼻歌で歌ってました。
 「ああ。気になりますね、アップアップは。働いてるなあって。(古川)小夏に言われましたよ。写真集のコメントを見たみたいで、“友ちゃん意識してたんだね”って。(ハロプロ)エッグ出身の子は気になるんですけど、そのなかでもアップアップは一番気になります」
――真野恵里菜さんは?
 「真野ちゃんとは最近全然会えてないんですけど、たまに“何してるの?”って連絡取ったりしてます。でもブログはチェックしてますね。愛佳とアップアップと真野ちゃんはブックマークしてます」
――ベスト盤の話をしましょう。こうして過去から現在までの曲が一辺に並んでみるといかがですか?
 「いや、きっか思ったんですよ。きっかの曲って、いい曲ばっかりなんですよ。」
――そうですよ。いま気づいたんですか。
 「落ち込んでる時とかに聴くといいですよ。〈ハピラピ 〜Sunrise〜〉とか。いいことが欲しい時に聴きます」
――いいことが欲しい時?
 「“あるかもね”って言ってくれるので」
――落ち込む時はあるんですか? 想像がつかないです。
 「ありますよ、全然。振り返ればたくさん。あんまり掘り下げないでください」
――じゃあ掘り下げません(笑)。こうして聴いてみると、「きっかけはYOU!」とか初期の曲は初々しい歌い方をしていますよね。今の方がうまく感情が込められているというか。
 「カタいですよね。〈さよなら涙〉とかも片言じゃないですけど、今聴くと恥ずかしいですもん」
――今だったらこう歌えばよかったな、とか思うものですか。ベスト盤は通して聞かれました?
 「いや……、でも、普段から聴いてるので」
――あ、そうすか(笑)。
 「(ベスト盤の)曲名見るだけでどういう流れかわかりますから」
メーカー担当 「わはははは!」
 「やべ(笑)。でも最近聴くようになったんですよ。シャッフルで流してて、自分の曲が来たら次の曲に飛ばしたりしてたんです。21歳になってその辺が大人になってきたのかなと。5月以降、長いライヴをやってなかったのもあるし、聴きたいなって」
――5月のワンマンは生演奏もあってよかったですね。今回のベスト盤は過去のライヴ映像が収録されていますが、いつものようにあまり振り返って観たいとは思わない?
 「そうですね」
――なにが引っ掛かるんでしょうか。歌? ビジュアル?
 「どっちもかもしれない。だから自撮りとかもしないんですよ」
――そういえば全然ないですね。
 「カメラが苦手で。自撮りは特にやりたくないですね。できないんですよ。鏡見たりは全然するんですけど、なんでなんですかね。誰かに聞いてみてください」
――吉川さんに直接聞いてもわからないんですね(笑)。でもCDのジャケットとかで撮られるのは大丈夫なんですよね? 今回もしっかりポーズをキメてるし。
 「流れで。みんなからのヨイショもありつつ」
――「綺麗!」とか「カワイイ!」みたく声かけらたりして。
マネージャー 「でも最初は固かったよね」
 「うん」
マネージャー 「ポージングの先生に来て頂いて」
 「急遽、ゲリラで。ゲリラ・ポージング」
――ゲリラ・ポージング(笑)。このジャケの写真はゲリラ・ポージングの賜物なんですね。
 「今までわりとワンパターンだったんですけど、いろいろ教えてもらいました。こうすれば脚長く見えるよとか。他の撮影の時も思い出したりしてます」
――活動を振り返ってみて、これはよかったなっていうエピソードをおしえてください。
 「スターダストな質問ですね」
――……スタンダードですね。一瞬何のことか考えちゃいましたよ。
 「あ、そっか。よかったのは〈こんな私でよかったら〉に出会えたことですね。この曲きっかけで好きになってもらえた方がたくさんいると思うので。みんなが好きって言ってくれるので」
――大変だったのは?
 「うーん、そんなに。過去が思い出せないんで」
――記憶に障害が(笑)。
 「でもデビュー当時は苦労しました。右も左もわからないまま一人でやって、歌詞を覚えて、ダンスやって。ハロコンのオープニングアクトでやって、泣いてっていう」
――今は?
 「探せばあると思います。掘りたくはないですね」
――掘るのを拒否(笑)。ではこのあたりで終わりにしましょう。1時間があっと言う間でした。
 「大丈夫ですか?」
――今回もできる限りそのまま載せたいと思ってます。
 「削りますよ」
――吉川さんが自分で文章を確認して削ったりするんですか?
 「きっかが身を削りますよ」
――わははは! そっちですか。
 「心と体に影響がないように頼みますよ!」
取材・文 / 南波一海(2013年8月)
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