ジャズ・シンガーmegが東京ブラススタイルとともにアニソンに挑戦したアルバムが完成!

meg(Jazz / Singer)   2014/11/25掲載
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 2006年のデビュー以来、気鋭のコンポーザーたちとコラボを重ね、巨匠ロン・カーターのプロデュースによるアルバム『Little Waltz』(2012年)などの意欲作や精力的なライヴ活動で人気を集めるジャズ・シンガー、meg。今年はアニメ『ヒーローバンク』(テレビ東京系)のエンディング曲となった「サヨナラマタイツカ」をフィーチャーしたニュー・シングルを10月にリリース。そして、11月26日には名門トムス・エンタテインメントのアニメ制作50周年を記念したアルバム『TMS JAZZ』を発表する。
――アニメ『ヒーローバンク』のエンディング曲は、シェネル「ビリーヴ」のソングライターとして知られるSWEEPが手掛けた楽曲としても話題になりましたね。
 「いまだに“あれ歌ってるの本当にmegさんなの?”ってよく言われます(笑)。最初は『ヒーローバンク』のイマドキな内容に驚いたし、ジャズの歌い手としてSWEEPさんのポップな世界は未知の領域で、歌唱法を変えてみたりして、けっこう挑戦だったんですが、結果としてすごく楽しい経験になりました」
――その流れで今回はアニメ・ソングのジャズ・カヴァー・アルバム『TMS JAZZ』をリリースされると。
 「今回のアルバムのお話をいただいたときも、最初は戸惑いましたが、昔からアニメは大好きで、ライヴのときにもいろんなアニメ・キャラクターの髪型を真似してみたりしていたし。何よりアレンジを担当するのが、90年代にT-SQUAREのメンバーとしても活躍されたサックス奏者の本田雅人さんで、演奏が女子だけのブラス・ユニット、東京ブラススタイルっていうのが面白そうで、ぜひやってみたいと思いました」
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東京ブラススタイル / meg
――選曲は旧東京ムービー時代のモノクロ作品『怪物くん』(1968-69)から最新の『ヒーローバンク』まで幅広く網羅されています。それぞれの曲に英語の歌詞がつけられて、サウンド面でも本田さんによって新しい命が吹き込まれて、とても斬新な仕上がりになっていますね。
 「嬉しいことに選曲から立ち会うことができました。たとえば『怪物くん』はカラー版(1980-82)の〈ユカイツーカイ怪物くん〉しか知らなかったので、今回の〈おれは怪物くんだ〉は懐かしいというよりは私にとっては新鮮でしたし、〈ねえムーミン〉は有名なので聴いたことがあったけれど出来上がったアレンジが5拍子でびっくりしたり、〈アンパンマンのマーチ〉のようにリアルタイムで親しんでいたものは、英語の歌詞で歌うことに最初ちょっと抵抗があったり……。どれも一筋縄ではいかなかったですね。でも大胆なアレンジとバンド感に溢れたブラス演奏が素晴らしくて、今は名作アニメの歴史に参加できた達成感でいっぱいです」
――歌詞もオリジナルの世界観や韻を大切にして、とても入念に練り上げられていますね。たとえば「アタックNo.1」では“苦しくたって 悲しくたって”の“たって”の部分にthat dayやeach dayを、“コートのなかでは へいきなの”の“へいきなの”にOK,I know を当てて韻を踏ませたり、「CAT'S EYE」ではオリジナル曲に登場する“passion fruit”や“every night”といった単語がそのまま同じ位置にはめ込まれていたりと、芸が細かいです。
 「どれも大勢の人にとって強い思い入れがありそうな曲ばかりだから、そこは変えちゃいけないなと思って、対訳チームの先生が頑張ってくれました」
――『はじめ人間ギャートルズ』(1974-76)のエンディング曲「やつらの足音のバラード」のゆったりとしたムーディな雰囲気も、ニューオーリンズのデキシーランド・スタイルの「アンパンマンのマーチ」も素敵です。レコーディングの現場はいかがでしたか?
 「レコーディングの現場でも最後まで本田さんたちと、あそこはこうした方がいいんじゃないかって足し算・引き算して決めていきました。東京ブラススタイルもノリノリで、本田さんとのやりとりがまるで女子校で人気の男の先生の授業中みたいな雰囲気で楽しかったです」
――やはりライヴが観てみたいですね。ステージに女子ばかりがずらり並ぶ姿はさぞや華やかで、圧巻でしょうね。
 「10月に渋谷のAiiA Theater Tokyoで開催された〈Women in JAZZ Vol.5 Special Edition Love for Girls〉で、リリースより一足先に〈おれは怪物くんだ〉を東京ブラススタイルとスペシャル・ゲストの本田さんとで披露したのですが、すごく盛り上がりました。12月には4日(東京・銀座 No Bird)と20日(横浜・関内 Bar Bar Bar)で『TMS JAZZ』のアルバム発売記念ライヴをやるのがいまから楽しみ。みんなで一緒に全国ツアーができたら素敵ですよね。いつもは私ひとりだけだし、ジャズの世界ではめずらしく女性が大勢の共演なのでとても心強いです」
――2015年1月24日公開の映画『さよなら歌舞伎町』(主演: 染谷将太 x 前田敦子, 監督: 廣木隆一)では、再びSWEEPとのコラボでエンディング曲を担当されるとか。
 「来年もいろんなひきだしに手を伸ばして挑戦を続けたいと思います。ジャズに軸足を置きつつ、できるだけ幅広く経験を積んで、この世界の憧れのシンガーである阿川泰子さんに一歩でも近づけるよう、頑張ります!」
取材・文 / 東端哲也(2014年11月)
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meg
featuring 東京ブラススタイル
『TMS JAZZ』アルバム発売記念ライヴ

www.megvoice.com

[出演]
meg(vo)
レイチェル(tp) / Miru(tp) / 桑田亜季(tp) / 石川恵美(as, ss, fl) / 井口久美子(ts) / 西須友香(tb) / 本村彩織(tb) / 矢野美恵(key, p) / Okapie(b) / Rie(ds)


2014年12月4日(木)
東京 銀座 No Bird
〒104-0061 東京都中央区銀座7-3-7 ブランエスパ銀座B1F
03-6280-6006

開場 18:00 / 開演 19:00
※1ステージのみ
チャージ 2,500円(税込 / 1ドリンク込)




2014年12月20日(土)
神奈川 横浜 関内 Bar Bar Bar
〒231-0012 神奈川県横浜市中区相生町1-25 若葉運輸ビル1, 2F
045-662-0493

1st 19:45〜21:00
2nd 21:45〜23:00
※入替なし
ミュージック・チャージ 3,500円(税別)
テーブル・チャージ 500円(税別)

※ご予約・お問い合わせ: 045-662-0493
yoyaku@barbarbar.jp



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