ニューウェイヴ派生の研ぎすまされた感性を誰よりも体現した女性グループ、
ザ・スリッツ(The Slits)にて中心人物として活躍した
アリ・アップ(Ari Up)ことアリアンナ・フォスター(Ariane Forster)が10月20日、死去しました。48歳でした。
ザ・スリッツは、1976年にアリ・アップとドラマーのパルモリヴによって結成。1979年に発表されたデビュー・アルバム
『カット(Cut)』(写真)はニューウェイヴ期を代表する名作で、パンク、ダブ、レゲエ、ロック、ファンクなど、異なるジャンルの間を自由奔放に行き来するフリーフォームなサウンドと、
デニス・ボーヴェルによる低音を強調させたプロデュースが特徴。またメンバーが原人に扮し、ほぼ全裸の状態で写るジャケットでもインパクトを与えた作品です。
グループは2006年の再結成ライヴをキッカケに活動を再開。昨年には、28年ぶりとなるオリジナル・フル・アルバム
『トラップド・アニマル(Trapped Animal)』を発表し話題を集めたばかりでした。
今回の訃報は、アリ・アップの母親ノラの再婚相手である
ジョン・ライドン(
セックス・ピストルズ、
P.I.L.)の
公式サイト(http://www.johnlydon.com/)にて同日に明らかにされたもの。死因については発表されていないものの、“重い病を患っていた”と説明されています。心よりご冥福をお祈りします。