シンガポール、ジャカルタと満員のオーディエンスを集め、日本のネオ・ビジュアル・シーンを世界へ向けて発信している〈JROCK EVOLUTION 2012〉。その台北公演が10月21日(日)、「Legacy Taipei」にて行なわれました。
この日も開場前から長蛇の列! 詰めかけたファンで埋め尽くされた会場が暗転。悲鳴に似た歓声が沸いた瞬間、鳴り響いたのは小気味の良いSE。自然と会場に巻き起こるハンドクラップに乗って
ギルガメッシュがアジアに初上陸! 押しも押されぬ代表曲「Break Down」を初っ端に披露し、その世界へと一気に引き込んでいく。続けざまに「CRAZY-FLAG」「driving time」と、彼らの持ち味が存分に表れたヘヴィ・サウンドを繰り出すと、「今晩は! ギルガメッシュです」と現地の言葉で挨拶。台湾でもリリースされた新曲「斬鉄拳」をお見舞いしたかと思えば、「sunrise」では左迅(vo)の先導のもと会場にタオルが縦横無尽に振り回される中、MCや各曲の煽りも現地の言葉で繰り広げられ、会場はさらに一体感を増していく。ラスト・ナンバー「evolution」でしっかりとライヴを締め、ヨーロッパやアメリカでの単独ツアーを敢行した経験も持つ、世界基準のステージに会場は満面の笑顔と熱狂に包まれました。
そして、こちらも満を持しての台湾初上陸となる
Alice Nineがいよいよステージへ。ギルガメッシュが温めたステージが暗転するや否や、荘厳なSEがビートを刻み始め、スポットライトを浴びたギターのヒロトと虎が繰り出す「閃光」のギター・リフに合わせ、オーディエンスが拳を突き上げる。続いて「RAINBOWS」を立て続けに演奏すると、「これまで長い間待ってくれていた台湾のみんな、今日は忘れられない夜にしようぜ!」と、オーディエンスの気持ちをひとつに。「みんなに贈る次の曲、日本ではライトを照らしてみんなで星空を作るので、今日はみんなも思い思いに楽しんでください!」と披露した「FANTASY」では、携帯電話やライターなどの光が会場中を見事な景色で埋め尽くしました。
後半戦では「TSUBASA.」「RED CARPET GOING ON」と激しいナンバーで会場をモッシュの嵐にすると、「みんな何年待ってくれた? 三年? 四年? 八年? 本当にありがとうね」と、将(vo)の問いかけに、手で数字を表して待ち続けた想いをぶつけるオーディエンス。「もっと気軽に来れるように僕たちも頑張るのでこれからも待っていてください。そんな君たちのために心をこめて、この曲を贈ります」と初期の名曲「春夏秋冬」。会場全体にコーラスが鳴り響く「the beautiful name」で、愛に満ちたフィナーレへ。
ギルガメッシュ、Alice Nineのライヴに温まりすぎるほど温まった会場へ最後に現れたのは
MUCC! 扇情的なオープニングとなった「フォーリングダウン」「ファズ」をぶつけると、オーディエンスも熱い反応を返し、さらに「アゲハ」「絶望」で圧倒的な音圧を浴びせたかと思えば一転、「雨のオーケストラ」を抒情的に届ける。変幻自在の彼らの姿に驚かされると共に、その変化の一挙手一投足を見逃すまいというファンの強い視線が印象的。
途中のMCでは逹瑯(vo)が「久しぶり! ただいま!」と挨拶すると会場からは「おかえり!」と歓声が沸く。MUCCの台湾公演は今回で4度目、温かく迎えてくれた台北のファンに現在進行形のMUCCを見せつけるかの如く、リリースが迫る新曲「MOTHER」や、「アルカディア」「ニルヴァーナ」など、ここ最近の楽曲を中心に構成したパートも。最後は「リブラ」を情感豊かに歌い上げると、「See you next time」と盛大な歓声に包まれながらステージを降りました。
〈JROCK EVOLUTION 2012〉は、いよいよ11月3日(土・祝)のZepp Tokyo公演でグランドフィナーレ! これほどの顔ぶれを1日で観ることができる日は今後ないかも……? お楽しみに。(Photo By 大木大輔)