2003/09/29掲載(Last Update:08/03/31 17:57)
英国の大歌手、
ロバート・パーマーが26日、滞在先のパリで、心臓まひのために亡くなりました。今年の5月に、結果的に遺作となってしまった、自身のブルース魂を全面に押し出した最新作『DRIVE』(輸入盤のみ)でアーティストとしての円熟と新境地を聴かせてくれたばかりなだけに、54歳だったという若過ぎる突然の悲報は、何とも残念でなりませんね。
ロバート・パーマーは英ヨークシャー出身。85年に
デュランデュランと結成したユニット
“パワーステーション”や、ソロで大ヒットした86年の「恋におぼれて」。そして89年にはグラミー賞の優秀男性ボーカル部門を受賞するなど、80年代の活動が一般的に有名ですが、デビューは74年。基本的にはロック歌手ですが、ソウルフルなヴォーカルスタイルがスマートな形で堪能できる70年代の作品も忘れてはいけません! アダルトライクなジャケット画が有名な76年の
『プレッシャー・ドロップ』(写真)は、リトルフィート一派やエド・グリーンなどのスタジオメンを迎えて制作された良質ブルー・アイド・ソウル盤で、パーマーの伸びやかな歌唱がたっぷり堪能できますので、まずはこの辺から聴くのが良いのでは?そして忘れてはいけない名盤は、何と言っても大ヒットしたパーマーの看板曲「愛しき人々(Every Kinda People)」を含む78年の大名盤
『ダブルファン』ですね! AOR系のガイドブックにも載る事が多いこの作品は、これまたアダルトなエロティックジャケットが、その筋の人にとても人気がありますが、ジャンル関係無く、全曲素晴らしいポップスが収められていて、やはりこのアルバムが最高傑作だと信じるファンが多い事と思います。何と言っても1曲目の「愛しき人々(Every Kinda People)」の印象的なリフと瑞々しく動き回るベースライン、感動的なこみ上げ系メロディーを、ソウル風味で切なげに歌い込むパーマーのヴォーカルが圧巻で、今も容易に思い出す事ができます。
様々なジャンルで、ソウルフルな歌声を聴かせたくれたロバート・パーマー氏。その存在の大きさをあらためて実感しました。心よりご冥福をお祈りします。