“70年以上前の戦禍を歴史的音源で辿り、平和とメディアの在り方を考察する”というコンセプトのもと、全く新しい切り口の軍歌CD『日本の軍歌アーカイブス』(シリーズ全5タイトル)が来年の1月28日(水)に発売されます。監修は、『世界軍歌全集』『日本の軍歌』『愛国とレコード』などの著者で、今年注目の軍歌・プロパガンダ研究家の辻田真佐憲、そしてジャケットは戦禍をテーマにしたマンガ『cocoon』『アノネ、』『いちご戦争』の今日マチ子が担当。
その内容は、陸上戦と新聞社の軍歌をテーマにした
『Vol.1 陸の歌「戦友」1932-1944』、海戦史とラジオの軍歌をテーマにした
『vol.2 海の歌「海ゆかば」1932-1944』、航空隊全般とリバイバル軍歌をテーマにした
『Vol.3 空の歌「同期の桜」1969-1985(ステレオ音源)』と、“陸・海・空”でジャンル分け。
さらに、アイドル歌謡の原点とも言えるティーン歌手や、戦時下のアニメ『くもとちゅうりっぷ』で声優もつとめた杉山美子など童謡歌手による戦時下メディアにおける軍歌の動員と消費を生々しく物語る
『Vol.4 銃後の歌「いくさごっこ〜萌え軍歌〜」1929-1943』は圧巻。
また、戦時下の日本人作曲家・演奏家による国威発揚のために動員されたクラシック界を俯瞰する
『Vol.5 芸術音楽「英霊讃歌〜決戦下の国民音楽〜」1943』は輸入原盤が絶たれたレコード会社の生々しい記録でもあり、生誕100年を迎えた
伊福部 昭の「交響譚詩」、日本初の商用録音「ベートーベン交響曲第九番『歓喜の頌』」、初復刻の山本五十六元帥追悼曲「英霊讃歌」が収録されています。
本作に寄せて、ジャケット・イラストを描き下ろした今日マチ子は、「かつての戦争だけど、未来にも通じるようなふしぎな世界。なにより音楽として“軍歌”の楽しさ・面白さを伝えたいと思って描きました。戦争を考えるあたらしい切り口の一つになれば幸いです」と語っています。
また、村岡花子の朗読CD『花子からおはなしのおくりもの』で注目のアーカイヴ・プロデューサー、シリーズを企画した保利 透は、「戦争を知らない世代にこそ聴いていただき平和とメディアの歴史を考えていただきたい。軍歌はエンタメ(娯楽)であると言う辻田氏の主張を踏まえながら歴史的音源を聴いていただくとリアルな軍国主義時代を感じることが出来る」とコメントしています。