10月より東京・岩波ホールで『光のノスタルジア』『真珠のボタン』が公開となるチリのドキュメンタリー作家、パトリシオ・グスマン。彼が亡命前にチリで完成させた約4時間半に及ぶ代表作『チリの闘い 三部作』が10月8日(木)から開催される〈山形国際ドキュメンタリー映画祭2015〉の特集「ラテンアメリカ――人々とその時間: 記憶、情熱、労働と人生」で日本初上映されることが決定しました。上映は山形市民会館小ホールにて、10月12日(月・祝)10:00〜15:28の一回限りとなります。
第一部“ブルジョアジーの暴動”(1975年 / 96分)、第二部“反乱”(1976年 / 88分)、第三部“民衆の力”(1978年 / 79分)の全三部構成で、チリの政治的緊張とアジェンデ政権の終焉を記録した『チリの闘い 三部作』。グスマン監督は映画作家であるクリス・マルケルやキューバのICAICの支援を得てこの映画を完成させており、チリのみならずラテンアメリカのドキュメンタリー映画を代表する名作として知られ、アメリカ『シネアスト』誌は“世界で最も優れた10本の政治映画の1本”と評しています。
(C)Courtesy Icarus Films
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パトリシオ・グスマン『チリの闘い 三部作』上映
山形国際ドキュメンタリー映画祭2015
「ラテンアメリカ――人々とその時間: 記憶、情熱、労働と人生」www.yidff.jp/2015/program/15p4.html2015年10月12日(月・祝)10:00〜15:28
山形市民会館小ホール
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『チリの闘い 三部作』原題: THE BATTLE OF CHILE Part 1, 2, 3
第一部“ブルジョアジーの暴動”(1975年 / 96分)
1973年3月のチリ議会選において、左派が与党となったことにより、右翼の過激な暴動がはじまる。アジェンテの社会主義打破のため、右翼を中心とした暴力的な活動が、政府を弱体化し危機的状況に追い込んでいく。
第二部“反乱”(1976年 / 88分)
1973年6月29日、軍は大統領官邸を攻撃。アジェンデは抵抗しクーデター未遂事件として終わるが、政権の崩壊は時間の問題だった。9月11日、チリ国民に向けたラジオメッセージを最後にアジェンデは自殺、軍部によるクーデターが成立する。
第三部“民衆の力”(1978年 / 79分)
幾万人もの労働者階級の人々で構成された“民衆の力”と呼ばれる組織は、食料生産などを通し、闇市場に対抗。工場や農場を経営し、社会的組織を営んでいた。反アジェンデ政権と右翼に対抗し、ソビエト型の社会主義を目指す、チリの民衆(の姿)の記録。
監督・製作: パトリシオ・グスマン
助監督: ホセ・バルトロメ
撮影: ホルヘ・ミューラー・シルバ
編集: ペドロ・チャスケル
録音: ベルナルド・メンス
提供: イカロスフィルム