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台湾のモダニズム詩人団体「風車詩社」を追ったドキュメンタリー映画「日曜日の散歩者」公開

2017/06/07 16:03掲載
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台湾のモダニズム詩人団体「風車詩社」を追ったドキュメンタリー映画「日曜日の散歩者」公開
 1933年、日本統治下の台湾に登場したモダニズム詩人団体「風車詩社(ふうしゃししゃ)」の活動を追うドキュメンタリー映画「日曜日の散歩者 -わすれられた台湾詩人たち-」が、8月より東京・渋谷 シアター・イメージフォーラムなどで公開。

 西脇順三郎や瀧口修造といった文学者から刺激を受け、日本文学を通してジャン・コクトーなどの西洋モダニズム文学に触れる中で、“自分たち”の台湾文学を築こうと模索した風車詩社。残された美しく軽やかな詩に魅せられたというホアン・ヤーリー監督は、関係者への取材や、綿密な資料調査を実施。1945年の日本敗戦を経て、蒋 介石の中国国民党による独裁時代へと移っていく、台湾の大きな歴史の流れの中で忘れられていったその存在に光を当てています。

自らの言葉を駆使できない苦悩と、日本語を通してこそ知り得たシュルレアリスムの世界。日本統治時代の台湾、中でも古都である静寂の台南に暮らした若者たちの、日常から超越した夢想の世界が絵画と音楽、言葉のコラージュで描かれていく。淀みない日本語、日本人であろうとする衣食住。それでも彼らは台湾人であり、台湾人として日本から刺激を受け、様々に夢見ながらも現実では戦争に巻き込まれていく。やがて自分たちの重要な表現手段であった日本語を禁じられる時代へと突入し、日常の激変と苦しみと共に表現の自由さえ失っていく様はあまりにもむごく悲しいが、本作は、彼らの心象風景を、あくまでも美しく描ききっている。日本人なら誰もが知っている「荒城の月」は、観るものの胸に深く刺さることだろう。
乃南アサ(作家)

驚嘆と深い思いを駆り立たせる映画だ!
大日本帝国と欧米列強との様々な摩擦の光と影。
その亀裂の迷宮に誘われ赴き、情熱を燃やした日帝時代の植民地台湾に、
かの詩人たちがいた!
彼等の熱量の総体を一身に浴びたホアン・ヤーリー監督の映像は膨大な資料と象徴的映像は縦横無尽に駆け巡り、一見混沌の態を呈しつつもその手法は末端まで計算し尽くされている。
いかなる時代・場に於いても、芸術への受難はつきまとう。
それが何かを鋭く問いかけると同時に監督自身の不屈の詩魂を浮かびあがらせる。

麿 赤兒(大駱駝艦主宰 / 舞踏家 / 俳優)

静謐にして優雅。詩と映像の稀なる結婚が、ここに実現された。
四方田犬彦(比較文学 / 映画史研究家)

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「日曜日の散歩者 -わすれられた台湾詩人たち-」
2017年8月よりシアター・イメージフォーラム他全国順次公開
www.sunpoday.com

[あらすじ]
1933年、日本統治下の台湾に登場したモダニズム詩人団体、「風車詩社」。日本の文学者たちとの交流や、留学先の日本で最先端の文化や芸術に触れる中で、西洋モダニズム文学の波は、台湾の若き詩人たちに大きな衝撃をもたらした。彼らは、仕事が休みの日曜日になると、古都・台南を散歩しながら、シュルレアリスム詩について語り合った。母国語ではない日本語で詩作する事への葛藤と哀しみを抱きつつ、彼らは自分たちの台湾文学を築こうと模索した。1945年、日本の敗戦を経て、戦後は蒋介石の中国国民党による独裁時代へと移っていく。1947年の二二八事件では、風車詩社の主要メンバーであった楊熾昌(よう・ししょう)と張良典(ちょう・りょうてん)が無実の罪で入獄させられ、1952年には白色テロによって李張瑞(り・ちょうずい)が銃殺された。植民地支配、言論弾圧という大きな時代の渦の中に埋もれていった創作者たち。その情熱は現代を生きる私たちに、何を問いかけてくるのか。


監督: 黃亞歷(ホアン・ヤーリー)
プロデューサー: 黃亞歷(ホアン・ヤーリー) / 張紋佩(チャン・ウェンペイ) / 張明浩(チャン・ミンハオ)
撮影: 黃亞歷(ホアン・ヤーリー) / 蔡維隆(ツァイ・ウェイロン)
出演: 梁俊文(リァン・チュンウェン) / 李銘偉(リー・ミンウェイ) / 沈君石(イアン・シェン) / 沈華良(イーブン・シェン) /
 何裕天(デヴン・ホー)
原題: 「日曜日式散歩者」
制作: 本木工作室 / 目宿媒體


配給: ダゲレオ出版
配給協力 / 宣伝: 太秦
監修: 大東和重
協賛: 株式会社遊茶
後援: 台北駐日経済文化代表処 / 台湾新聞社
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