ただいま来日中の
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が、11月19日(火)都内にて記者会見を開催しました。
会見には首席指揮者・芸術監督の
サイモン・ラトル(Simon Rattle)をはじめ、同楽団のコントラバス奏者でありオーケストラ代表を務めるペーター・リーゲルバウアー、ソロ・チェロ奏者でありメディア代表のオラフ・マニンガーらが出席。ベルリン・フィルの現在とこれからについて、記者からの質問を受けながら語りました。
ベルリン・フィルにとって、20回目となる今回の来日公演。初来日は1957年、
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮のもと、NHKホールで公演が行なわれました。それから50年以上にわたり、ベルリン・フィルと日本は深い関係を築いてきました。
国際色豊かなベルリン・フィルには現在、24ヵ国ものメンバーが在籍。第1コンサートマスターを務める樫本大進をはじめ、4人の日本人メンバーが活躍しています。
2年もしくは3年おきに来日公演を行なっているベルリン・フィルですが、早くも次回の来日公演について発表がありました。次回は2016年5月、
サイモン・ラトル指揮のもと、5回にわたるベートーヴェン・ツィクルスを行なうとのこと。今から期待に胸がふくらみます!
ベルリン・フィルは生のコンサートだけでなく、さまざまなメディアを使って世界中の人々に音楽を届ける活動にも力を注いでいます。なかでも注目を集めているのが“デジタル・コンサートホール”。本拠地ベルリンのフィルハーモニーで行なわれる演奏会の映像を、自宅のテレビやパソコンで楽しめるサービスです。
サービスが開始された当初と現在とでは、使いやすさが格段に向上したというデジタル・コンサートホール。誰もが気軽に、面倒な設定をすることなく、生中継やオンデマンドでベルリン・フィルの演奏会にアクセスすることができます。
現在、全世界でユーザーは32万人、年間定期会員は1万8千人にのぼっているとのことです。
また、レコーディング計画についても重要な発表がありました。今後はベルリン・フィルの自主レーベルでCDやDVDなどを作ることになるそうです。すでにDVDとブルーレイで『J.S.バッハ:マタイ受難曲』と『モーツァルト: 歌劇「魔笛」』がリリースされていますが、来年前半には
シューマンの交響曲ツィクルスのCDがリリースされる予定とのこと。ツィクルスで取り組むレパートリーを中心に、続々とCD化されていきそうです。
伝統の中心にいながら、より開かれた世界へ向けて革新的な試みを続けてきたベルリン・フィル。教育プログラムについての質問に、ラトルは以下のように答えていました。
「教育プログラムにはクリエイティヴな視点が必要です。私たちはベルリンの子どもたちともっと関わりたいと思い、これまでダンスを通して交流を深めてきました。これからは合唱に力を入れていこうと考えています。ベルリンの子どもたちの間に歌を。そして、ウィルスのように音楽を世界へと広げていきたい。私たちは、音楽はすべての人のものであるということを堅く信じています」
今後もあらゆる面で、ベルリン・フィルの活動から目が離せません!