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ダニエル・バレンボイムがドイツ・グラモフォン&デッカと大規模なレコーディング契約を締結!

ダニエル・バレンボイム   2010/11/05 19:56掲載
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ダニエル・バレンボイムがドイツ・グラモフォン&デッカと大規模なレコーディング契約を締結!
 ドイツ・グラモフォンとデッカ・クラシックスが、指揮者兼ピアニストであるダニエル・バレンボイム(Daniel Barenboim)と多岐にわたるレコーディング契約を締結したと発表しました(2010年11月、ベルリンにて)。

 バレンボイムは現在、ベルリン国立歌劇場と国立歌劇場管弦楽団の音楽監督であり、ミラノ・スカラ座のマエストロ(Maestro Scaligero)を務めています(両劇場で『ニーベルングの指環』の新プロダクションなどを手がける予定)。ロンドンのThe Times紙によれば「今日の世界中のミュージシャンの中で、伝説的という表現が相応しい数少ないひとり」とのこと。誰もが認める巨匠です。

 バレンボイムが70歳の誕生日を迎える2012年以降へと続く大規模な計画の中から、いくつか主要なリリースを挙げてみると、バレンボイムにとって初録音となるショパンリストのピアノ協奏曲、ウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団との新ベートーヴェン交響曲ツィクルス、ベルリン国立歌劇場管弦楽団ブルックナーの新録音、そのほかにもいくつかのソロ・ピアノなどの録音予定があります。これらの録音のほとんどは、バレンボイムの長年パートナーであるユニテル(UNITEL)が共同プロデュースすることになっています。

 まずドイツ・グラモフォンからのリリースとして、2011年初旬に“バレンボイム演奏デビュー60周年記念”としてショパン尽くしが予定されています。ワルシャワで録音されたソロ・リサイタルと、アンドリス・ネルソンス指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団を伴った協奏曲を2曲。

 続いて同年の後半には、デッカからウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団とのチャイコフスキー「悲愴」交響曲とシェーンベルクの「管弦楽のための変奏曲」が例年のツアーに合わせて発売されます。

 また2011年はリスト生誕200年でもあり、ドイツ・グラモフォンはバレンボイムにとって初めての録音となる協奏曲を2曲リリースする予定。ピエール・ブーレーズがベルリン国立歌劇場管弦楽団を指揮するその2曲のほかにも、ソロ・ピアノ作品なども予定しており、その中には初録音作も含まれるそうです。

 「ドイツ・グラモフォンとデッカという2大レコード会社と強力なパートナー関係を結べることとなり、とても幸せであり、感謝しています」とバレンボイムは語っています。

 「私が最初に録音したのは1950年代のフィリップスでしたから、ある意味では里帰りみたいなものですとくに何が嬉しいかといえば、このユニークなコラボレーション形態であれば、ベルリン国立歌劇場管弦楽団とウェスト=イースタン・ディヴァン管弦楽団それぞれとの作品を同等かつ最優先で扱うことができるからです。ディヴァンの形成には国立歌劇場管弦楽団がとても重要な役割を果たしました。ドイツ・グラモフォンとデッカとの新たなパートナーシップでは、我々の音楽コミュニティがとても美しく表現されています。共に歩む未来と、素晴らしい録音をいくつも残せることをとても楽しみにしています」

 ユニバーサル ミュージックグループ インターナショナルのチーフ・オペレーティング・オフィサー(最高執行責任者)、マックス・ホールは以下のように述べています。

 「ダニエル・バレンボイムが今まで発表してくれた素晴らしき一連の作品に加えて、彼の新録音や新プロジェクトの本拠地にドイツ・グラモフォンとデッカを選んでくれたことを光栄に思う。彼の思い描くクラシック音楽界の未来像に我々も共感を覚える。ぜひクラシック音楽界を再活性化し、強化し、新たな聴衆を招き入れたいと思う。ダニエルは世界の最も刺激的な人物のひとりと言えるだろう。音楽を広める大使としては彼以上に相応しい人はいないだろう」

 ドイツ・グラモフォンのプレジデントであるマイケル・ラングと、デッカ・クラシックスのジェネラル・マネージャーであるポール・モースリーが、バレンボイムと共に各々のレーベルを統制し、契約に基づく最初のレコーディングの準備を行なってゆくとのこと。

 ドイツ・グラモフォンはこれまでにも、バレンボイムとはベートーヴェン、ショパン、メンデルスゾーンのソロ作品や、ブルックナードビュッシーラヴェルのオーケストラ作品など数々の画期的な録音作を発表してきました。一方デッカ・クラシックスとバレンボイムとは初めての組み合わせで、国際的なコア・クラシック・レーベルの歴史に心躍る新章が追加されることとなりました。

 上記に加え、ユニバーサル ミュージックドイツ、オーストリア、スイス&ドイツ・グラモフォンのプレジデントであるフランク・ブリーグマンが主導して、バレンボイムと共に会社のプランを形成してゆくとのこと。バレンボイムは国立歌劇場と国立歌劇場管弦楽団を通じてベルリンとは密接な関係性があるだけでなく、その文化面に多大な貢献をしている。ユニバーサル ミュージックドイツの本部はそのベルリンににあります。

 今後のダニエル・バレンボイムとユニバーサルとのコラボレーションは、クラシックというジャンルを再活性化させる新事業計画の根幹となり、その事業計画はユニバーサル ミュージック グループ インターナショナルのクラシック部門ビジネス・デベロップメントのバイス・プレジデント、フローレンス・ジーベルトが統括とのことです。

 マエストロ・バレンボイムのますます旺盛な録音活動に期待大です!


バレンボイム


写真(右上):ダニエル・バレンボイムとマックス・ホール
写真(中央下):ダニエル・バレンボイムとマックス・ホール、フランク・ブリーグマン、マイケル・ラング、ポール・モースリー
(c)Stefan Hoederath/Universal Music 2010
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