ニュース

ショパン・コンクールの入賞者5人による記者会見をレポート!

ショパン   2011/01/17 15:47掲載
はてなブックマークに追加
ショパン・コンクールの入賞者5人による記者会見をレポート!
 ショパンの故郷ポーランドの首都ワルシャワで、5年に1度開催されるショパン国際ピアノ・コンクール。第16回となる2010年は大接戦の結果、ロシアのユリアンナ・アヴデーエワが、女性としては45年ぶりとなる優勝を勝ち取り、大きな話題を呼びました。

 そんなショパン・コンクールの入賞者たちが一堂に会する豪華なガラ・コンサートが日本各地で行なわれています。1月16日からスタートした仙台、福岡、大阪、東京、名古屋、札幌を巡るツアーを前に、14日に都内で記者会見が開催されました。

 記者会見に出席したのは、今回のガラ・コンサートに出演するコンクール入賞者5人。日本ツアーへの意気込みと、ショパンへの思いを熱く語ってくれました。それぞれのコメントをご紹介していきましょう。

 第1位に輝いたユリアンナ・アヴデーエワは、次のように語っています。
 「昨年は一人で日本に来ましたが、今回はコンクールを一緒に闘った仲間たちと共に来ることができたことを誇りに思います。

 ショパンの音楽は、これが正しくて、これが間違っているということがない。明確なストラクチャーの中に自由な精神が息づいている。1,000回演奏したら、1,000回とも違うカラーで演奏できるものだと私は考えています」


 第2位はロシア/リトアニア出身のルーカス・ゲニューシャス。ポロネーズ賞も合わせて受賞しました。
 「日本に来るのは初めてですが、かつて祖母が日本で仕事をしていた関係で、家族からよく話を聞いていました。今回、やっと来ることができて嬉しく思います。

 ショパンに対する思いですか? 私の尊敬するピアニスト、グリゴリー・ソコロフ氏はインタビューで作曲家について質問されると、“私はただ弾くだけ”と答えるそうですが、私もまったく同じ答えをさせていただきましょう。ただ、ユリアンナの言った“ショパンの音楽の中にある自由”については賛成です。

 今回はショパン・コンクールのコンサートですから当然ショパンを弾きますが(笑)、いつかヒンデミットやメトネルも日本の皆さんの前で弾きたいです!」


 同じく第2位を受賞したのは、オーストリアのインゴルフ・ヴンダー。
 「コンクールは、音楽的なことだけではなく、人とのめぐり合いを与えてくれる機会でもあります。日本の方々は、ピアノやショパンに対して熱い気持ちを持っていると聞いているので楽しみにしています。

 ショパンに関して、私はユリアンナとはちょっと違う考えを持っています。というのも、“これは絶対にやらない方がいい”という弾き方が、私の中には明確にあるのです。それはショパン演奏の伝統と言えるものかもしれません。口ではうまく説明できないので、ぜひ私の演奏をお聴きいただき、皆さんの耳でそのポイントを確かめていただけたらと思います」


 第3位とマズルカ賞を受賞したロシアのダニール・トリフォノフは1991年生まれ。今回の受賞者の中では最年少になります。
 「日本の皆さんがショパン・コンクールを応援してくれていたことを、ワルシャワでも感じていました。今回、友人でもあり、ライバルでもある4人と日本をツアーできることを楽しみにしています。このコンクールを今後にどう活かしていくかは自分次第だと思っています。

 ショパンについては、ホロヴィッツが語った言葉をご紹介させてください。“ショパンの感受性をもってモーツァルトを弾きなさい。モーツァルトの簡潔さをもってショパンを弾きなさい”」


 第5位のフランソワ・デュモン(フランス)は、浜松国際ピアノ・コンクール以来、2度目の来日になるそうです。
 「聴く耳をもった日本の皆さんの前で演奏できることを嬉しく思います。

 ショパンの音楽は歌曲のように書かれたもの。その音楽の中にある“自由さ”とは、ピアノを使って語りかけるような気持ちが生み出すものなのでは、と思います」


 ユリアンナが最初に語った“ショパンの音楽にある自由さ”について、お互いの意見を語り合った記者会見。ガラ・コンサートでも同様に、5人の個性がそれぞれの音楽を奏でてくれることでしょう。



ショパンコンクール

左からダニール・トリフォノフ、ルーカス・ゲニューシャス、ユリアンナ・アヴデーエワ、インゴルフ・ヴンダー、フランソワ・デュモン


■第16回 ショパン国際ピアノ・コンクール2010
入賞者ガラ・コンサート
 
1月18日(火) 福岡・福岡シンフォニーホール
問:アクロス福岡チケットセンター [Tel]092-725-9112

1月19日(水) 大阪・ザ・シンフォニーホール
問:ABCチケットセンター [Tel]06-6453-6000
 
1月22日(土) 東京・Bunkamura オーチャードホール
問:ジャパン・アーツぴあ [Tel]03-5237-7711 ※売切れ

1月23日(日) 東京・Bunkamura オーチャードホール
問:ジャパン・アーツぴあ [Tel]03-5237-7711 ※売切れ
 
1月24日(月) 名古屋・愛知県芸術劇場コンサートホール
問:中京テレビ事業 [Tel]052-957-3333

1月26日(水) 札幌・札幌コンサートホールKitara
問:オフィス・ワン [Tel]011-612-8696

※詳細はジャパン・アーツのサイト
最新ニュース
※ 掲載情報に間違い、不足がございますか?
└ 間違い、不足等がございましたら、こちらからお知らせください。
※ 当サイトに掲載している記事や情報はご提供可能です。
└ ニュースやレビュー等の記事、あるいはCD・DVD等のカタログ情報、いずれもご提供可能です。
   詳しくはこちらをご覧ください。
[インタビュー] 中国のプログレッシヴ・メタル・バンド 精神幻象(Mentism)、日本デビュー盤[インタビュー] シネマティックな115分のマインドトリップ 井出靖のリミックス・アルバム
[インタビュー] 人気ピアノYouTuberふたりによる ピアノ女子対談! 朝香智子×kiki ピアノ[インタビュー] ジャック・アントノフ   テイラー・スウィフト、サブリナ・カーペンターらを手がける人気プロデューサーに訊く
[インタビュー] 松井秀太郎  トランペットで歌うニューヨーク録音のアルバムが完成! 2025年にはホール・ツアーも[インタビュー] 90年代愛がとまらない! 平成リバイバルアーティストTnaka×短冊CD専門DJディスク百合おん
[インタビュー] ろう者の両親と、コーダの一人息子— 呉美保監督×吉沢亮のタッグによる “普遍的な家族の物語”[インタビュー] 田中彩子  デビュー10周年を迎え「これまでの私のベスト」な選曲のリサイタルを開催
[インタビュー] 宮本笑里  “ヴァイオリンで愛を奏でる”11年ぶりのベスト・アルバムを発表[インタビュー] YOYOKA    世界が注目する14歳のドラマーが語る、アメリカでの音楽活動と「Layfic Tone®」のヘッドフォン
[インタビュー] 松尾清憲 ソロ・デビュー40周年 めくるめくポップ・ワールド全開の新作[インタビュー] AATA  過去と現在の自分を全肯定してあげたい 10年間の集大成となる自信の一枚が完成
https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
e-onkyo musicではじめる ハイカラ ハイレゾ生活
Kaede 深夜のつぶやき
弊社サイトでは、CD、DVD、楽曲ダウンロード、グッズの販売は行っておりません。
JASRAC許諾番号:9009376005Y31015