ユベール・スダーン(Hubert Soudant)指揮
東京交響楽団による待望のニュー・アルバム
『シューマン:交響曲全集(マーラー版)』(MF-21205〜6 税込4,000円)が10月5日にリリースされます。
今日本でもっとも注目されるこのコンビは、昨年リリースした『ブルックナー:交響曲第7番』で第22回ミュージック・ペンクラブ音楽賞クラシック部門録音・録画作品賞とオーディオ部門録音・録画作品賞をダブル受賞しました。
今回のニュー・アルバムは、2009年5月から2010年3月にかけて4回にわたりサントリーホールで開催された、シューマン&ブラームス・チクルス(シューマンの4つの交響曲とブラームスの4つの協奏曲の組み合わせ)からのライヴ録音です。
スダーンは13年間にわたるザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の音楽監督を経て、2004年に東京交響楽団の音楽監督に就任。ハイドンを出発点と定め、
モーツァルト、
ベートーヴェンといった古典作品を東京交響楽団のプログラムの中心に据え、さらには2008年度のシューベルト・チクルス、2009年度のシューマン&ブラームス・チクルスを展開し、楽団の実力を着実に高めてきました。
マーラー版によるシューマンの交響曲全曲演奏は日本では初めての試みですが、マーラー版についてスダーンは「マーラーはシューマン読みの天才。重要なものを聴こえやすくし、それほど重要でないものを引っ込めた」と語っています。
コンサートマスターは第1番と第3番がニキティン、4番と2番は高木和弘が担当しており、それぞれの持ち味も演奏に反映されています。
曲順は、作曲された第1番、第4番、第2番、第3番の順に配列されています。
さらにCDブックレットには、公演プログラムで連載された音楽評論家、舩木篤也氏によるインタビュー『ユベール・スダーン、ローベルト・シューマンの交響曲を語る』が収録されており、この作品を理解する上での貴重なガイドになります。
マーラーの校訂と、指揮者スダーンの解釈を通して、シューマンの作曲意図が明確に示された、創造と発見の喜びに満ちたシューマン交響曲全集の誕生と言えるでしょう。