大阪・名古屋・東京で行なわれた
毛皮のマリーズのツアー<コミカル・ヒステリー・ツアー>。その最終公演が2010年12月17日 (金)、東京・SHIBUYA−AXにて行なわれました。
今の彼らの勢いを物語るように、チケットはソールド・アウト。超満員に膨れ上がった会場は、開演前から異様なほどの熱気に包まれていました。
オープニングSEの
フランス・ギャル「夢見るシャンソン人形」が鳴り響き、メンバーがステージに登場。そして志磨が姿を見せずに10月にリリースしたシングル「Mary Lou」のイントロを歌いだすと、会場のボルテージは早くも最高潮に。
<ダイアモンド・ドッグス・ツアー>の時のデヴィッド・ボウイをオマージュにした青いロングT+赤いボクシング・グローヴ+サスペンダー、という出で立ちで登場した志磨は、新旧織り交ぜたオールタイム・ヒッツ的な選曲で会場に詰め掛けたファンを存分に喜ばせてくれました。途中のMCで、志磨は上京したばかりの頃、ギターの越川和磨とともにアルバイトとしてAXの警備をしていたことを告白。「警備員のみなさんも、今日は楽しんでいってください! 僕が許可します! そしてガッポリ日給を稼いで帰ってください!」という流れで披露されたストーンズ・マナー全開の「金がなけりゃ」のくだりや、「BEAUTIFUL」「コミック・ジェネレイション」で会場に巻き起こった熱狂の渦は、音楽とともにエンタテインメント全体を標榜する志磨遼平の高いパフォーマンス能力を見事に物語っていました。
アンコールでは、これまでと打って変わって静寂とともに始まった「デュマフィスの恋人」。サポート・キーボードを務めたソウル・フラワー・ユニオンの奥野真哉によるザ・ビートルズ「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」を髣髴とさせるメロトロンの音色へとつながり、最後の最後に隠されていた名曲「平和」を披露。そのあまりにもドラマチックに心に突き刺さる熱唱は、毛皮のマリーズが、過激なパフォーマンスでアンダーグラウンドを席巻していた時代がとうに過ぎ、現在、一段階も二段階も高いステージに立っていることを証明していました。
また、この日(12月17日)、先行配信した新曲「愛のテーマ」の着うた(R)が前作のTOP100圏外から急上昇し、レコチョク12月17日付デイリーランキングでロック1位、総合16位を記録することとなりました。前作「Mary Lou」から、明らかにポップ・フィールドにも大きくアピールしてきた彼らですが、キャッチーな新曲「愛のテーマ」が着うた(R)でも好セールスを記録したことで、今後、ロックのフィールドを越えて、さらなる飛躍を遂げていくことが期待されます。
【セットリスト】
01:Mary Lou
02:ベイビー・モートン
03:ボニーとクライドは今夜も夢中
04:或るGIRLの死
05:ザ・フール
06:金がなけりゃ
07:すてきなモリー
08:愛する or die
09:犬ロック
10:BABYDOLL
11:人生 II
12:ビューティフル
13:コミック・ジェネレイション
14:ジャーニー
15:REBEL SONG
EN-1:デュマフィスの恋人
EN-2:平和