北村早樹子 2014/12/22掲載(Last Update:15/02/02 20:29)
今年8月にリリースのシングルCD
「卵のエチュード」および同時発売の7inchヴァイナル「マイハッピーお葬式」が好評のシンガー・ソングライター、
北村早樹子。2015年のデビュー10周年を機に、これまでの楽曲から選りすぐりを収録したベスト・アルバム
『グレイテスト・ヒッツ』(HYCA-3047 2,200円 + 税)を2015年1月28日(水)にリリースすることを発表した彼女が、同作のカヴァー・アートを公開。
カヴァー・イラストを担当しているのは、「マイハッピーお葬式」に引き続き漫画家 / イラストレーターの本 秀康。本 秀康作品としてもこれまでにないタッチの、シックでファンタジックな仕上がりとなっています。またブックレットの解説文には、
杉作J太郎(映画監督 / 男の墓場プロダクション局長)、森下くるみ(女優, 文筆家)の特別寄稿が掲載されることも決定。現在、その抜粋が公開されています。
2015年1月25日(日)には大阪・本町 シェ・ドゥーヴル、2月28日(土)には東京・渋谷 7th floor、3月14日(土) は京都・恵文社コテージにて発売記念イベントも決定。詳しくは北村早樹子オフィシャル・サイト(
kitamurasakiko.net)にてご確認ください。
写真: じゅんじゅん北村早樹子さんの奏でる音楽を耳にしていると聴いてるぼくのなにかが研ぎ澄まされていく。
なにかが帰ってくる。
なにかを取り戻した。
いつ。どこからだろう。ずいぶん昔、もう記憶も失っているくらい昔の、なにかを取り戻した。たいせつなものを取り戻した。
おそれ、おののき、よろこんだり、笑ったり泣いたりしてるうちに埋もれてしまった。
埋もれてしまって見えないから、それを喪失したものと思い込ん でいたが、まだ持っていた。そんなものを取り戻した。――杉作J太郎(映画監督 / 男の墓場プロダクション局長)こんなに愉快なひとなのに、ひとりきりで涙を落とすことがどれだけたくさんあったろう。
どれくらい深く絶望して、どれだけ暗いものを、重いものを呑み込んできたんだろう。
細い腕で小さな背中であらゆるものを静かに赦した、その心の柔らかさこそが祈りなのかもしれない。
北村さんは誰のためとか自分のためとかでなく、もっともっと遠いところに向けて歌うひとなのだ、ということにふと気づく。――森下くるみ(女優, 文筆家)