いよいよ4月4日(金)より全国公開となる、映画『大人ドロップ』(原作:樋口直哉、監督:
飯塚 健、出演:
池松壮亮 /
橋本 愛 /
小林涼子 /
前野朋哉 /
渡辺大知)。公開目前の4月1日(火)には、東京「新宿明治安田生命ホール」にて一般試写会が行なわれ、放送作家の松崎まこと、映画文筆家の松崎健夫という通称“松崎ブラザーズ”をゲストMCに、飯塚 健監督のトークショーも実施! イベントにはサプライズ・ゲストとして主人公“由”のクラスメイトである“ハル”を演じた小林涼子も登場し、大盛り上がりとなりました。
映画を上映した後のイベントは今回が初めてということもあり、小林は、「映画をご覧になった皆様の前に立つということで、足が震えています。でも、大切に作った大好きな作品がたくさんの方の目に触れるんだと思うと、なんだか出産みたいな気持ちです(笑)」と緊張気味に語ると、飯塚監督は、「暖かく桜が満開の中、こうやって映画を観に来て頂けて嬉しいです。あと4日で公開を迎えます。改めてスタッフ陣と顔を合わせてグッときました」と感慨深く、公開を迎える喜びを語りました。
イベントの最後には、「まだ公開前の作品なので、公開されたらもう1回足を運んでいただけたら嬉しいです。家に返ったら“あの時どんな大人になりたかったかな”と、振り返って自分と向き合って、朝まで考えて、もっと考えて、明日、……明日と言わず全国公開まで存分に楽しんでいただけたらと思います(笑)」(小林)、「いろんな映画があると思いますが、この作品のようにストーリーを一言で言えないような映画を成立させるのは業界的に難しい風潮があったりします。それを、プロデューサー陣が実現させてくれました。一言で言えないからこそ作る意味があると思って作りました。一言では言えないんですが、こんな世の中ですので、気に入っていただけたらつぶやいたりして、逆にあんまり気に入らなかった方も、こんな世の中なのでそっと心の中にしまっておいて下さい(笑)」(飯塚)と、メッセージを寄せています。
また、松崎ブラザーズは小林&飯塚監督の降壇を見届けると、「実はみなさんに協力してもらいたいことが……」(松崎健夫)と、おもむろにポケットからこの作品のキー・アイテムである“肝油ドロップ”を取り出し、「僕はこの映画を観た後にすぐ薬局に行って買ったんです! なのでみなさんも今日の帰りに買って帰ったら“新宿で肝油ドロップが売れている!?”って話題になるので、みんなで『大人ドロップ』を応援しましょう!」と、イベントを締めくくりました。
【『大人ドロップ』一般試写会 / トークショーより】松崎まこと 「飯塚監督は、『荒川アンダー ザ ブリッジ』や『風俗行ったら人生変わったwww』に続く作品ですが、ご自分の中でいままでと違った部分はありましたか?」飯塚 健監督 「『荒川〜』などで早いカット割りや速いテンポを僕のカラーとして認知していただいているのはとてもありがたいと思っているのですが、登場人物が多かったりする情報量の多さが必然的にそうさせた部分もありました。この『大人ドロップ』は久しぶりに芝居を長くとれる題材でしたので、新しいと言えるのかわかりませんが、初期の頃はこういうやり方もしていたなあとか、テンポ重視の作品をやってきたことで得たことが溶け合ったかなとは思いました」
松崎まこと 「小林さんが演じたハルは、この映画ではキーとなる役ですが、演じてみて工夫したことなどありましたか?」小林涼子 「ハルちゃんは本当に愛らしい女の子で、私も大好きなでしたが、穿った見方をすると自己中心的で奔放な女の子に見えたりするかなと思いました。そういう面も“こんにゃろっ”って思える素敵な女の子になればいいなと思って頑張りました」
松崎健夫 「『大人ドロップ』を見ていると後半に壁や海を使って画面を分割するシーンが印象的です。フェデリコ・フェリーニの映画でよく用いられるように、海って彼岸を連想させるものでもあるので、最後に主人公・由が身を包む格好はそこを意識してやってるんじゃないかなーって思っていたんですよ」飯塚 「“隔たり”は意識的に描いていたのですが、“彼岸”とまでは正直思っていなかったですね。 でも、そういうふうに深く読んでいただいてうれしいんで、そうしておいていただいて(笑)。撮影って、天気との戦いでもあって、奇麗な海ではなくて風が吹きすさぶ恐い海が映る事もあるので、結果としてそうみえたのなら“ラッキー”って(笑)」
松崎まこと 「現場の雰囲気や小林さん以外のキャストとはどうでしたか?」小林 「みんなマイペースなんですけど、教室ってそういうもんじゃないですか!? 意図せずしてバランスの撮れた状態になっていて、気持ちのいい撮影現場でした。干渉はしないけど仲がいい、理想に近いですね」
■2014年4月4日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国公開
『大人ドロップ』otonadrop.jp配給:東宝映像事業部
(C)2014 樋口直哉小学館 / 「大人ドロップ」製作委員会