〈トロント国際映画祭〉でのワールド・プレミアでも高い評価を得た話題の映画『さよなら歌舞伎町』(2015年1月24日公開)が、10月2日(木)〜11日(土)にわたって開催されている〈第19回釜山国際映画祭〉の「アジア映画の窓」部門へ出品。10月5日(日)に行なわれた舞台挨拶 / Q&Aには、主演の
染谷将太の相手役でミュージシャンになることを夢見る“沙耶”役を演じた
前田敦子をはじめ、
キム・ギドク監督最新作『メビウス』も話題のイ・ウンウ、そして
廣木隆一監督が参加。
舞台挨拶では、「去年参加した釜山国際映画祭に、今年も来られて嬉しいです。去年上映した映画と全く違う内容なのでそこを是非味わっていって欲しいです。楽しんでいってください」(前田)、「この映画はエンドロールクレジットが終わった後まで観て、はじめて楽しめます。エンドロールが終わっても席を立たないでください」(廣木監督)とコメントを寄せていました。
■〈第19回釜山国際映画祭〉Q&A
――前田さん、今回この作品のオファーをもらっていかがでしたか?
前田敦子 「廣木監督とはずっと前から一緒に仕事をしたいと思っていました。内容云々の前に、“廣木さんとお仕事をしたい!”という私の強い願望でやらせていただきました」
――とても楽しく拝見しました。結婚したけどなかなかうまくいかないというエリート刑事がでてきますが、エリートだけどコミカルな要素交えてキャラクターを描いた理由を教えてください。
廣木監督 「つきあっている人がエリート警察で、下から試験を受けどんどん出世しようと野望を持っている彼女が浮気をしているというのが面白いのではないかと思ってこの設定にしました」
――前田さんは昨年に続いて2回目の釜山国際映画祭参加ですが、去年から1年を経て、どのような変化がありましたか? また、今後どのような女優になっていきたいですか。
前田 「(昨年参加した)『もらとりあむタマ子』はグループ卒業後一作目で駆け出しの状態でしたが、そこからぺースをつかめたんじゃないかなという想いがすごくありました。そして『Seventh Code セブンス・コード』で黒沢監督、『さよなら歌舞伎町』で廣木監督と仕事をさせていただいて、自分のやりたい道をそういう監督さんたちと出会って、歩けている感じがするので感謝しています。今、満足しております」
――映画を拝見していま涙が止まらないのですが、登場するカップルや人物たちが、一般的にはうまくいってない人たちですが愛おしく感じました。そんなふうに描かれたのは理由があったのでしょうか。
監督 「僕は人生がうまくいっている人、そういう主人公を描くのはあまり好きではないんです。自分に似てどこかだめなひとたちが僕は好きなんですね」
――改めて釜山でのアジアプレミア上映についていかがでしたか。
監督 「エンドクレジットが終わったあとも最後まで観てくれてありがとう」
前田 「こうやって二年連続参加させていただいて嬉しいです。可能ならまた来年も来たいと思います」