日本のヴァイオリン界を牽引する存在として、長年にわたり演奏活動を行なっている
前橋汀子が、2011年春の紫綬褒章を受章しました。
前橋は5歳でヴァイオリンをはじめ、小野アンナ、
斎藤秀雄、ジャンヌ・イスナールに師事。弱冠17歳で旧ソ連国立レニングラード音楽院(現サンクトペテルブルク音楽院)創立100年記念の一環として日本人初の留学生に選ばれ、ミハイル・ヴァイマンのもとで研鑽を積みました。のちにジュリアード音楽院にて
ロバート・マン、ドロシー・ディレイらの指導を受け、さらにスイスでは
ヨーゼフ・シゲティ、
ナタン・ミルシテインの薫陶を受けています。
レオポルド・ストコフスキー指揮によるニューヨーク・カーネギーホールでの演奏会デビュー後は、国内外で活発に演奏活動を展開してきました。
近年、前橋は多くの方々にヴァイオリン音楽の魅力を届けるべく、小品を中心とした親しみやすいプログラムによるリサイタルを全国各地で行なっています。2005年から年1回のペースで開いているリサイタル“アフタヌーン・コンサート”は今夏、7回目を迎えます。
一方で2007年には、ヴァイオリン音楽の原点である“J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ全曲演奏会”、続いて2008-2009年のシーズンには2夜にわたる“ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会”を行なうなど、本格的なプログラムにも積極的に取り組んでいます。
去る6月3日には、東北大震災の被災地支援のために東京サントリーホールにて行なわれた“ピースフル・コンサート”において、
中村紘子および
堤剛とピアノ・トリオを結成し、
メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番を熱演しました。
7月30日の東京・サントリーホールでの“アフタヌーン・コンサートVol.7”をはじめ、6月から7月にかけては全国で多くの演奏会が行なわれます。今後の活動に、ぜひご注目ください。