今年6月5日で70歳を迎える現代最高のピアニストの1人、
マルタ・アルゲリッチ(Martha Argerich)のアルバム2作品が4月13日に発売されました。
ひとつは、アルゲリッチが毎年スイスのルガノで主宰しているフェスティヴァルの最新ライヴ録音
『アルゲリッチ&フレンズ / ライヴ・フロム・ルガノ・フェスティヴァル2010』(TOCE-90188〜90 税込3,980円)。3枚組にもなる収録曲のなかで、いちばんの聴きどころはアルゲリッチの12年ぶりの録音となった
ショパンのピアノ協奏曲第1番です。この曲をアルゲリッチが弾いた過去の音源はあまり音質がよいものがなかったため、ファンにとっては注目の録音となっています。
もうひとつは、アルゲリッチがキャリアを通して得意としてきたシューマンの録音をまとめた3枚組の
『シューマン室内楽ボックス』(TOCE-90191〜3 税込3,600円)。昨年10月に国内盤に先行して生産限定盤で発売された輸入盤はすでに全世界的に在庫がなくなっており、今回の国内盤の発売は大きく待たれていたものになっています。
このアルバムの注目ポイントはアルゲリッチと他のスター・アーティストとの豪華な共演で、今やフランスを代表するヴァイオリニストの筆頭となった
ルノー・カピュソンや、その弟のゴーティエ、シュヴァルツベルク母娘やドロビンスキー、日本人ではヴィオラ奏者として世界的に活躍している
今井信子も参加している。
両作品ともに、日本盤のみ通常のCDプレイヤーで再生できる高音質CDの“HQCD”での発売となっているので、アルゲリッチの音をよりよく楽しみたい方にはお勧めです。
またアルゲリッチは、今年5月に毎年恒例となっている自身の名を冠した“アルゲリッチ音楽祭”での来日を予定しているので、この2作品はそれまでの予習としても最高のアルバムとなっています。