ショートショート作家・田丸雅智の短編を映画化し、
又吉直樹(
ピース)が主演をつとめた『海酒』(製作: カーニットエービー、監督: 吉岡 建)が8月10日(月)、愛媛県松山市で無事クランク・アップを迎えました。
クランクアップ当日は、原作の田丸が生まれ故郷である三津の撮影現場を訪れ「『海酒』は、ぼくのすべてを詰めこんだ作品です。それがどのように映像化されるのか、楽しみでなりません」とコメント。また、撮影を終え、映画製作集団「カーニットエービー」を率いる中臺孝樹プロデューサーは、「チームとして4作品目の今作は、人生の旅を続ける誰しもの郷愁を駆り立てたい作品。信頼する仲間たちと納得のいく撮影ができました」、吉岡監督は「原作にある余白の“豊かさ”を、丁寧に役柄を演じていただいた役者の皆様、素晴らしいクルーとスタッフと共に最後まで創り上げていきたいと思います」と感想を述べています。
今後は、札幌国際短編映画祭、ショートショートフィルムフェスティバル、ベネチア国際映画祭、釜山国際映画祭、サンダンス映画祭、レインダンス映画祭、ロカルノ国際映画祭、ロッテルダム国際映画祭、ベルリン国際映画祭、カンヌ国際映画祭、モントリオール世界映画、トロント国際映画祭など、国内外の多数の映画祭へ出品されることが決定している『海酒』。公開をお楽しみに。
■短編映画『海酒』
[あらすじ]
あのバーに初めて入ったのは二年前だった。飲み会からの帰り道、近道をしようと薄暗い路地へ入って行くとかすかに漂ってくる潮の香りに気がついた。香りの元を探して見つけたのは小さなバーだった、思わず店に入ってみると優しい黄色に 包まれた店内には初老のマスターがひとり。「初めての方ですね。うちは一種のストレートだけですが、構いませんか?」メニューを見るとウメ酒と書かれている横に細かく地名の書かれた地図が描かれている。なるほどここは全国のウメ酒を集めたバーなのか。僕は適当な地名のものをオーダーしてみた。しばらくしてマスターが出してきたお酒はあまりに美しくて僕は呆然となった。「お待たしました、お客さんがオーダーされた海酒です」。え、いま何て言った……海酒だって? メニューを改めて見ると確かにウメ酒ではなかった、海酒だ。僕はそのお酒を慎重に口に運んでみた……。すると――。
製作: 映画製作集団カーニットエービー
監督: 吉岡 建
企画・脚本: アベマサヒト
原作: 田丸雅智『海酒』
プロデューサー: 中臺孝樹 / 小宮 誠
出演: 又吉直樹 / ミッキー・カーチス
配給: 未定