1980年以降のジャズ界において、もっとも重要な人物とされるトランペット・プレイヤーのウィントン・マルサリス（Wynton Marsalis）が、ニュー・アルバム『ヒー・アンド・シー』（TOCP-66447 税込2,500円／写真）を4月22日に発表いたしました。

　日本でも2006年に「iPod+iTunes」のCMに登場したことでもおなじみの彼は、80年代初頭にジャズでもっとも有名なグループであろうアート・ブレイキーが率いるジャズ・メッセンジャーズの一員となり、鮮烈なデビューを果たしました。自らのグループでは、83年から85年に連続してグラミー賞を受賞し、合計9冠を獲得。現在はニューヨークのリンカーン・センターを本拠にジャズの演奏や教育、放送を行なう「JAZZ AT LINCOLN CENTER」の芸術監督という要職にも就いています。

　そんな彼が放つ最新作は、ブルーノートの70周年アニバーサリーの一環としてリリースされたオリジナル・アルバム。日本盤のライナーノーツでは、ジャズ評論家の小川隆夫氏が「こんなに奥が深く、ジャズが持つさまざまな魅力を網羅している音楽が作れるひとはめったにいない」と記し、最大の賛辞を与えています。

　多くの音楽ファンにアピールする、ブルースをベースに「男女の仲」をテーマに据えた作品は、ジャズ・ファンでなくても押さえておきたい1枚です。