尾崎亜美 2003/07/29掲載(Last Update:08/03/31 17:57)
そう、そうだったかもしれない
あなたは たしか あの時の風・・・。(「瞑想」)
ディープソウル愛好家、ポップス求道者達から愛されてやまない
尾崎亜美。日本のシンガーソングライターの歴史の中でも他に類を見ない個性と、ケタ外れの作曲能力、そしてあのソウル声!
ユーミン、
大貫妙子に続く第3世代を代表するソングライターですが、ユーミンや大貫妙子が新しい若い世代にも積極的に聴かれているのに対して、何故に尾崎亜美は忘却の彼方へ?? 筆者が何年も聴き続けている彼女の1st『シェイディ』は松任谷由実の『紅雀』、大貫妙子の『MIGNONNE』に匹敵する陰影の深い、女性ならではの湿ったグルーブが漂う女性SSWの最高峰だと思うんですけどね。特に名曲「瞑想」の良さと言ったらもう聴いていただく以外に無いのですが、そんな大名盤『シェイディ』の次に素晴らしい3rd
『ストップモーション』(写真)がこの度、東芝EMIの“必聴名盤シリーズ第2弾”として9月10日に再発される事になりました。24ビット・リマスタリングで初回生産限定(TOCT-25171 \2,300(税込))! 初期の尾崎亜美は、どの作品も素晴らしいので、いっそ全て紙ジャケで出してもいいと思うのですが、贅沢は言えまい。まずは『ストップモーション』だけでも素直に喜びたい。
『シェイディ』がキャラメルママ総出演で
マンタのアレンジだったのに対し本作は尾崎亜美自身が編曲を担当。バックはキャラメルママから
鈴木茂、
林立夫、ベースに高水健司、サックスに
ジェイク・H・コンセプションなど、言ってみれば70年代後期のユーミンのバックそのもの。つまりは最高峰の演奏陣!この頃の歌伴で演奏する
松原正樹って、いい仕事してますね。 現在ではバリバリのフュージョニストだけど、リードギターよりもサイドで16のカッティングなんか演る時に、いい味出すんですよ。他にはコーラスに
オフコースと
寺尾聰といった意外な面子も参加。
と、プロフェッショナルなサウンドプロダクションに貫かれた作品なんだけど、それと同様に素晴らしいのが亜美のヴォーカル! もちろん彼女は現在でも現役で歌っていますが、この頃の亜美の歌唱には、何と言いますか、圧倒的な説得力とパワーがあります。当時の彼女に会ってみたいものですね。