不快な読後感から生まれたミステリーの新ジャンル「イヤミス」。その代表作として名高い、
真梨幸子のベストセラー小説『殺人鬼フジコの衝動』を、動画配信サービス「Hulu」が完全オリジナル連続ドラマ『フジコ』として映像化し、11月13日(金)よりHulu / J:COMにて全6話を一挙独占配信。主演は
尾野真千子、主題歌には
斉藤和義「シンデレラ」が決定しています。
一家惨殺事件の生き残りの少女フジコは、いつしか幸せだけを追い求め殺人鬼となっていく……。その衝撃性と猟奇性から「最低に嫌な読後感だが、先を読まずにはいられない面白さ」という口コミで瞬く間に話題を呼び、55万部を超えるベストセラーとなった『殺人鬼フジコの衝動』を原作とする『フジコ』。演出は、『1リットルの涙』『電車男』『絶対零度-未解決事件特命捜査-』と、多彩なジャンルを手がけてきた名手・村上正典がつとめ、また脚本は『凶悪』で〈日本アカデミー賞〉優秀脚本賞を受賞した高橋 泉が担当し、哀しいまでに幸せと愛を求め殺し続けた壮絶な女の一生を描きます。
最初、台本を読んだ時、「殺人はあってはならない悪いもの」という思いから断りたいと思いました。台本の読後感が「むごい、ひどい、つらい」の三拍子で、とてもひどかったからです。正直、こんな衝撃的な役どころから自分を守りたいと思いました。そんなとき、『凶悪』を観て、「できるかもしれない」と思いました。それでも不安がとれないまま撮影に入り、決して納得して演じたわけではなかったのですが、つくり手の誠実さに賭けました。一言だけで片付けられない、人間の深部に問いかけてくれる部分があるドラマだから、ふんぎりをつけ、受け入れ、チャレンジするように飛び込むことができました。主人公のフジコは、客観的に見て狂気そのもので酷い女性ですし、一方で可哀そうだとも思いました。この女性はいつ幸せだったのだろうと思いました。フジコなりの幸せは時々あるようでしたが、私たちから見ると可哀そうな人。殺人への衝動の飛躍が凄すぎるし、最後まで共感は一切できませんでした。フジコより他の人が可哀そうでした。私なりの解釈でこの破滅的な女性を演じきりましたが、演じていてとても辛かったです。起伏の激しい平常心でいられない役柄でしたので、とても疲れました。疲労感が凄まじかったです。私にとっては、それだけ全身全霊で入り込めた役ということです。どうなるんだろう、狂気しかないんじゃないかと不安が90%でしたが、完成したものを観てみると、人の痛みもわかりますし、響くものがいっぱいあり、実は泣けました。やってよかったなとやっと思えた作品ですので、ぜひ、楽しみにしていてください。――尾野真千子(C)HJホールディングス / 共同テレビジョン
(C)真梨幸子 / 徳間書店
■『フジコ』
2015年11月13日(金)よりHulu / J:COMにて全6話一挙独占配信
出演: 尾野真千子 / 谷村美月 / 丸山智己 / リリー・フランキー / 浅田美代子 / 真野響子
原作: 真梨幸子「殺人鬼フジコの衝動」(徳間文庫)
脚本: 高橋 泉
音楽: やまだ豊
主題歌: 「シンデレラ」斉藤和義(スピードスターレコーズ)
演出: 村上正典(共同テレビジョン)
製作著作: Hulu 共同テレビジョン
製作協力: アスミック・エース / ジュピター・テレコム