7月5日午前に松本龍震災復興担当相が辞任記者会見で、今年4月に亡くなった歌手、
フィービ・スノウ(Phoebe Snow)を引き合いに出して辞任時の気持ちを例えたことがインターネット上で話題となっています。フィービ・スノウとは誰なのか? 松本氏の真意とは? さまざまな憶測が飛び交っている模様です。
【松本氏の発言の抜粋】
「色々言いたいことはあるが、謎かけをしようと思ったが、今日、これからいなくなるから。私は、これからは。4月に亡くなった歌手でフィービ・スノウというのがいる。また、5、6年前に出たカズオ・イシグロの本ではないが、これからは子どもたちのために<ネヴァー・レット・ミー・ゴー>。私は被災された皆さんたちから離れませんから。粗にして野だが卑ではない松本 龍、一兵卒として復興に努力をしていきたいと思っている」 一瞬“?”な発言にも思われますが、松本氏は、作家カズオ・イシグロの代表作『わたしを離さないで』の原題「ネヴァー・レット・ミー・ゴー」と、フィービ・スノウの代表曲「ネヴァー・レッティング・ゴー」(77年)を、“被災地の人々から離れない”という意味で引用したのでしょう。
ちなみにの楽曲の終盤には“紳士のように立ち去るべきなのか。でも、あなたを失わない為ならどんなことをしても戦うつもりだ。正気じゃないことはわかっている。でも簡単に諦めるなんて、できっこない”と、今の松本氏の状況を重ねてしまうようなフレーズが出てきます。
会見後「いつ辞任を決めたのか」を問われた松本氏は、「(7月4日)9時半ごろ、キングハーベストという店で、昔の音楽を聴きながら、今までのことを振り返りながら、決断の時だろうと思いました」と回答。もしかしたらこのときも松本氏はフィービ・スノウを聴いていたのかもしれません。
そんなフィービ・スノウは、アメリカを代表するシンガー・ソングライターで、今年4月26日に脳内出血の合併症により60歳という若さで逝去。松本氏が会見でフィービ・スノウの名前を口にしたことで訃報を初めて知る人も少なくないようですが、今年8月3日には追悼企画として、彼女の過去の4作品
『夜の調べ』『雪模様』『薔薇の香り』『詞華集』が最新リマスタリングの元、紙ジャケで限定再発売されます。これを機に彼女のジャジィフォーク・ソングに改めて触れてみてはいかがでしょうか。