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孤高の作曲家、佐村河内守による奇跡のシンフォニー『交響曲第1番「HIROSHIMA」』がリリース

佐村河内守   2011/06/29 16:31掲載
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 孤高の作曲家、佐村河内守による『交響曲第1番「HIROSHIMA」』(COCQ-84901 税込2,940円)が7月20日にリリースされます。

 佐村河内守は1963年、被爆者の両親のもと広島に生まれました。4歳から母親よりピアノの英才教育を受け、10歳でベートーヴェンバッハを弾きこなし、作曲家を志望。中高生時代は音楽求道に邁進し、楽式論、和声法、対位法、楽器法、管弦楽法などを独学で習得しました。

 しかし17歳のとき、原因不明の偏頭痛や聴覚障害を発症。高校卒業後は、現代音楽の作曲法を嫌って音楽大学には進まず、独学で作曲の道へ。88年、ロック歌手として誘いを受けるも、弟の不慮の事故死を理由に辞退。聴力の低下を隠しながらの困難な生活が続くなか、映画『秋桜』、ゲーム『バイオハザード』などの音楽を手掛けてきました。

 99年、ゲームソフト『鬼武者』の音楽「交響組曲ライジング・サン」で脚光を浴びましたが、この作品に着手する直前に完全に聴力を失い全聾となっていた佐村河内。抑鬱神経症、不安神経症、常にボイラー室に閉じ込められているかのような轟音が頭に鳴り止まない頭鳴症、耳鳴り発作、重度の腱鞘炎などに苦しみつつ、絶対音感を頼りに作曲を続けました。

 2000年、それまでに書き上げた12番までの交響曲を全て破棄し、全聾以降あえて一から新たに交響曲の作曲を開始。同年から障害児のための施設にてボランティアでピアノを教え、このうちの女児の一人は、交響曲第1番の作曲にあたり佐村河内に霊感を与え、作品の被献呈者となりました。そして2003年秋、交響曲第1番「HIROSHIMA」が完成したのです。

 中世以来の西洋音楽の歴史を包含し、ブルックナーマーラーショスタコーヴィチなど、ロマン派シンフォニストの系譜を受け継ぐこの交響曲は、佐村河内の出自(被爆二世)が反映された自伝的作品でありながら、「闇が深ければ深いほど、祈りの灯火は強く輝く」という作曲者の言葉に象徴されるように、東日本大震災の惨禍を経験した私たち日本人の心にも深く通じる、魂を救う真実の音楽と言えるでしょう。

 演奏は大友直人指揮による東京交響楽団。録音が行なわれたのは震災後の4月11〜12日でした。危険を感じる大きな余震が続く中での録音セッション。大オーケストラが、大友のタクトのもと、まさに一塊の火の玉となり燃え上がるさまは圧巻の一言です。

 最終楽章、苦しみと闇の彼方に、希望の曙光が降り注ぐ……。“現代に生まれた奇跡のシンフォニー”を、ぜひお聴きください。


※7月20日発売
『佐村河内守:交響曲第1番「HIROSHIMA」』
(COCQ-84901 税込2,940)

[演奏]
大友直人指揮 東京交響楽団

[録音]
2011年4月11〜12日 パルテノン多摩
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