「円谷プロダクション」創立50周年を記念し、数々のドラマをDVDでリリースしている“復刻 円谷TVドラマライブラリーシリーズ”より初DVD化を果たした『スターウルフ』(1978年)。1970年代後半のSFブームを受け企画された本作は、キャラクター同士の葛藤や政治劇を硬質なタッチで描いた本格SF連続ドラマとしてスタートし、第14話からは『宇宙の勇者スターウルフ』に改題、より明快な1話完結シリーズとしてエンタメ性が高い内容へ。キャストは、当時新人だった
東 竜也が主演をつとめ、作品の鍵を握る“キャプテン・ジョウ”役の
宍戸 錠をはじめ、
高橋長英、
谷川みゆき、
山本昌平など、豪華な顔ぶれが揃っています。
そして今回、1月に発売された
DVD-BOX1に続き、3月14日(金)に登場する
BOX2を記念し、アニメ・特撮研究家の氷川竜介、映画『ウルトラマンサーガ』など多くの作品を担当した特撮監督・三池敏夫、そして本作のキャストより宍戸 錠を迎えた夢の座談会が実施。
座談会では『スターウルフ』の魅力として、「当時、日米の特撮技術を比較すると日本の技術はまだまだ低くみられていて、技術面でもかなり制約があったが、それを乗り切る力強さを感じられるところですね」(氷川)、「宇宙を舞台にしたTVシリーズは本当に挑戦です、毎週締め切りがくるわけですから。『スターウルフ』は日本の特撮魂がつまった作品で、音楽も素晴らしく、ミニチュア・ワークをさらに盛り上げている。『スターウォーズ』みたいにお金をかけられるわけではないが、同じような映像をなんとか日本でも“作ってやろう”という意気込みで作った作品で、その場で撮っているアナログの強さがあふれている作品だと思います。CGのない時代に、あの手この手のアナログ手法で映像を作っていたんですね。日本の特撮魂、アナログでどこまでできるかってことを追求した、見どころの多い作品だと思います」(三池)と、コメント。撮影当時の時代背景、円谷プロが特撮へかける熱意などが伝わる、貴重な機会となりました。
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『スターウルフ』DVD-BOX 2
発売記念座談会より――『スターウルフ』について、なにか覚えていらっしゃることはありますか? 氷川 「35年前の1970年代の日本は、アメリカのスターウォーズ公開を受けて空前のSFブームになった。『未知との遭遇』や『ターウルフ』など、各月SF作品が発表されており、まさにSF映像ビッグバン状態だったように思う。海外の特撮技術を受けて、日本も各社奮闘していましたね」
三池 「『スターウルフ』の特筆すべき点は、毎週放送していたところですね。CGなしのアナログ手法での製作で、特に爆発シーンは一発撮りだから、スタッフの呼吸感が素晴らしいですね。最終話になるにつれて爆破シーンも忠実になっていって、爆破で飛び散った破片が下に落下せず、宙をクルクルと漂うようになっていて技術がどんどん向上していったのが見て取れる。バッカスIII世号の発進シーンも見どころの一つで、『スターウルフ』はミニチュア特撮の醍醐味を感じるシーンがたくさんある」
氷川 「今、CG技術を学んでいる人にも是非観てもらいたいですね」
――なるほど。では、「これぞスターウルフ!」というポイントをお伺いできますか。 氷川 「当時、日米の特撮技術を比較すると日本の技術はまだまだ低くみられていて、技術面でもかなり制約があったが、それを乗り切る力強さを感じられるところですね」
三池 「宇宙を舞台にしたTVシリーズは本当に挑戦です、毎週締め切りがくるわけですから。『スターウルフ』は日本の特撮魂がつまった作品で、音楽も素晴らしく、ミニチュア・ワークをさらに盛り上げている。『スターウォーズ』みたいにお金をかけられるわけではないが、同じような映像をなんとか日本でも“作ってやろう”という意気込みで作った作品で、その場で撮っているアナログの強さがあふれている作品だと思います。CGのない時代に、あの手この手のアナログ手法で映像を作っていたんですね。日本の特撮魂、アナログでどこまでできるかってことを追求した、見どころの多い作品だと思います」
――宍戸さんは、なにか『スターウルフ』の撮影に関して覚えていらっしゃることなどはございますか? 宍戸 「『スターウルフ』の撮影当時は45歳だった。円谷プロから話がきた時はすごく面白そうだなと思った。当時、同時に5〜6本ドラマを掛け持ちしていて大変だったが、撮影は楽しかった。当時はすごく忙しかったから、スタジオに7分しかいない時もあったかな。“特撮の円谷”と言われるだけあって、台本を読むだけで色々なことが出来るんだなと感心したんだが、自分の時間があまりにもなくて色んなことが出来なかった。ただ、空中戦とか素晴らしい作品だし、スタッフの息も合っていた。当時、台本は3回読んだら覚えられた。アドリブでセリフを作るのも好きだったな」
――スターウルフがリメイクされるとしたら同じ役(キャプテン・ジョウ)で出演するのはいかがでしょうか? 宍戸 「今はどちらかと言うと悪役の方が似合うかな(笑)。どんな役でもするよ。今80歳だが、死ぬまで映画屋でいたい。“90で死ね”という90歳の殺し屋役なんかやってみたいな(笑)」
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『スターウルフ』DVD-BOX(全2巻)各巻 11,400円 + 税
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BOX1 好評発売中!
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BOX2 2014年3月14日(金)発売
発売元:円谷プロダクション
販売元:東映・東映ビデオ
(C)円谷プロ