今週末、7月7日より『グスコーブドリの伝記』公開を控える
杉井ギサブロー監督と、7月21日公開『おおかみこどもの雨と雪』の
細田 守監督、日本アニメーション界を背負って立つ2人のトップ・クリエイターによる夢の対談が実現! 互いの作品を鑑賞したあと感想を語り、最後には「これからもアニメーション監督としていっしょに頑張っていきましょう!」と固く握手、エールを交換しました!
<細田守監督より『グスコーブドリの伝記』に対するコメント>『グスコーブドリの伝記』を拝見させていただいて、僕はこの夏に観るべき映画だと強く感じました。ものすごくファンタジックな世界観で、これでもかと圧倒されるぐらいの美しい世界が本編中ずっと展開され、夏休みのさわやかな空気を感じるような素敵な映画です。キャラクターのネコたちもとても可愛らしくて、親子でつくる楽しい夏の思い出になると思いました。イーハトーヴの風景、素晴しい世界というのがありながら、一方で今日的なテーマを深く描いている映画でもあり、僕らがこれから日本人として「どういうふうに生きていくのか」を考えさせられます。イーハトーヴというのは宮沢賢治が作り出したもうひとつの日本みたいなところですよね。そういったところと僕らのこれからの未来というものを照らし合わせて見られる、とても意義のある映画だと思います。
<杉井ギサブロー監督より『おおかみこどもの雨と雪』に対するコメント>『おおかみこどもの雨と雪』は、人間であれ動物であれ、ある生命がうまれて育てられて、一人前になっていく過程があってはじめて成長する、そこにある細田監督の目線の厳しさと優しさががんがん伝わってくる。めずらしくほろっとしながら観て、感動させてもらいました。親と子、人間と動物が自分たちの生命を子どもたちに託して、その子どもたちがちゃんと受け継いで一人前になっていくのを必死で守っていく「母性」というものを楽しく、ある意味では厳しく、アニメーションなのに行間をリアルに伝えてくる作品だと思います。今回はおおかみと人間ですがそれはシンボルであって世の中にある宗教の違いや文化の違いとか、ミクロの差でしかないつまらない違いを、「いや同じじゃないか」という監督の目線が含まれて、それを問いかけている作品だと僕は思って観させてもらいました。