サハラ砂漠の遊牧民、トゥアレグ族のバンド“トゥーマスト”。支配と反乱の歴史を塗り替えるために闘う彼らを追ったドキュメンタリー映画『トゥーマスト〜ギターとカラシニコフの狭間で〜』が来年の2月28日（土）より、東京・渋谷アップリンクにて公開されます。

　――サハラ砂漠西部。インディゴで染めた真っ青な布で全身を覆った青衣の遊牧民、トゥアレグ族。トゥアレグの歴史は苦しみと流浪、反乱と不正義に汚されていた。“トゥーマスト”というバンドを率いる元レジスタンス兵士のムーサは、80年代、リビア、カダフィ大佐の元へ兵士としての訓練を受けに行った。彼がそこで手に入れたものは、カラシニコフとギター。その後、反逆の精神と新しい音楽を携え砂漠に戻った彼らは、音楽で世界を変えようと闘ってきた。“トゥーマスト”とは、トゥアレグの言葉でアイデンティティを意味する。この映画は、ムーサやトゥアレグの人々へのインタビューを通して、トゥアレグ族のアイデンティティについて、サハラの今について、そして、自由のための闘いについて描いたドキュメリーである――。

　トゥーマストのメンバーたちは、90年代に政治難民としてパリに移住し、現在ヨーロッパを中心に活躍。彼らはそれを“武器をカラシニコフからギターに持ち替えたんだ”と語っています。

　公開に先立ち、イベントも続々と決定しており、〈『トゥーマスト』を通して見る、抵抗運動と音楽について〉（12月16日開催、ゲスト: ピーター・バラカン）、〈アフリカ音楽と「砂漠のブルース」について〉（2015年1月16日開催、ゲスト: サラーム海上 / 粕谷雄一［金沢大学教授］）など、興味を惹かれるラインナップに。