現在、大ヒット公開中の映画『ぼくたちの家族』(監督:
石井裕也)。6月18日(水)には主演の
妻夫木 聡、そして
リリー・フランキーを迎えたトークショーが東京「新宿ピカデリー」で行なわれました。
盛大な拍手の中、妻夫木と、5分前に会場に到着したというリリーがバッグを持ったまま登壇! トークショーは和やかな笑いからスタート。リリーからの「いい映画でしたが、ずいぶんとつらい役だったね。家族を好きな人だから余計重い話だよね」に、妻夫木は「そうですねつらかったですね。でも自分は次男なので自分の兄貴と似ているなと思っていました」と、自身の家族を投影していたことを明かしました。
本作について、「細かいところが本当にリアルで、自分の経験を思い出した。男はいざというとき頼りにならない。その時になって頑張ることでしか埋め合わせできない。そういうところも、とてもリアルだった。俺も人生で一番頑張ったなって思ったときは母親が入院したときだったね」と、自身の経験を振り返る。また、「普段の妻夫木さんとは違う、ひきこもりの過去を持つ設定で“リアリティがないな”と観る前は思っていたけど、笑顔のシーンで不器用な感じがすごく出ててましたね」(リリー)との感想に、「石井監督からは、“笑うことになれていない笑顔”と“泣かないこと”を、気を付けるようにと言われていたので、そう感じてもらえてとてもうれしいです!」(妻夫木)と喜ぶ場面も。
リリーは石井監督について、「デビュー作からあんなに安定している監督はいないよね、作品をどんどん出して、クオリティを下げないし、すごい監督だと思う」。また、キャストの
池松壮亮については、「彼は天才でしたね! 人間と子犬との中間のような独特な空気感があって。あと、一番バランスがいいのはこの子の役なんじゃないかなと」と激賞!
また、来場者から寄せられた「『東京タワー』と『ぼくたちの家族』、どちらも家族の物語ですが、家族ってどういうものだと思いますか?」という質問に、「俺は物心ついた時から母親と2人だったし、家族ってこういうものだと思っていた。妻夫木くんのところのように仲の良い家族をみるとそれ以上いいものはないよなって思う。いい家族を作るってことは難しい。あと、親はもともと親だったわけじゃないって思うと、頑張ってきたんだなって、すごく愛しく思えるよね。自分が親を養うようになってやっと親のことを聞けるようになったし、話せるようになった」(リリー)と、語りました。
最後に、「こんなに熱のあるいい映画なので、多くの人に観てもらいたい」(妻夫木)、「こういう映画は長く映画館で公開していてほしいと思う」(リリー)とメッセージが寄せられ、イベントはフィナーレ。「苦しくてしょうがないシーンの間に
ユースケ(・サンタマリア)さんが出てることでリラックスできました」と明かすリリーの言葉に会場からも笑いが起こるなど、心地よく『ぼくたちの家族』の余韻を楽しむことの出来る時間となりました。