最近、元メガデスのマーティ・フリードマンが見事な日本語を操って各方面で大活躍していますが、海外のミュージシャンがあれほど日本に興味を持ってくれるのは嬉しい限り。そこで、親日派のアーティスト、日本語でコミュケートできるアーティストについて、CDJournal.com的考察をまとめてみました。
●マーティ・フリードマン
テレビ東京『ヘビメタさん』出演後、テレビはもちろん新聞・一般誌にまで多数登場している
マーティ・フリードマン。彼が日本びいきだということが知られるようになったのは、
メガデス在籍中の90年代半ばから。とにかくまじめに日本語を勉強、会話はメキメキ上達し、バンド脱退前にはインタビューで英語と日本語を使い分けるほどに。しかも言葉のみならず、文字まで学ぶという徹底振りで、ヘヴィ・メタル・ファンの間ではその頃からすでに話題となっていました。日本の音楽にも造詣が深く、特に演歌とガール・ポップに関してはマニアと言えるほどです。近年は日本に在住し、最近の活躍振りは知っての通り。
ただ、マーティ自身はタレントになるつもりは毛頭なく、本職はあくまでミュージシャン。ギタリストとしては誰もが認める実力の持ち主で、現在は新たなソロ・アルバムを制作中です。
●ベンジー・マデン(
グッド・シャーロット)
米国のメロディック・パンク・バンド、グッド・シャーロットは日本好きでも有名。歌詞に日本語が登場したり、時には英詞を日本語に訳してレコーディングすることも。しかもその日本語訳を自身で行なうというのも、ファンの間では知られた話。中でも来日するたび日本語が達者になっていくベンジー・マデン(g,vo)は、いまや日本でのライヴ中、MCはほとんど日本語でこなすとか。
そんなベンジーの日本語が急激に上手くなったのには訳が! 日本でもスポーツ紙などで報じられた通り、現在彼は米国に留学中のタレント、
こずえ鈴と交際中。外国語の上達にはガールフレンド/ボーイフレンドが一番、というのは本当のようで……。
●ダンカン・レドモンズ(
スナッフ)
今年で結成20周年を迎える英国のパンク・バンド、スナッフのダンカン・レドモンズ(ds,vo)。彼による日本語楽曲のカヴァーは強烈で、「おさかな天国」「かたつむり」など、選曲がフツーじゃないところがタダモノではない雰囲気を感じさせます。ステージでも日本のポップスをカヴァーしていたりするようで、悪ノリなのかサービス精神旺盛なのか、そのバランス感覚が楽しいところ。
ちなみに彼は奥さんが日本人だとか。外国語の上達にはガールフレンド/ボーイフレンドが一番、というのは本当のようで……(その2)。
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モーマス アコースティカルなエレ・ポップを聴かせるモーマスは、日本人以上に日本に詳しいかもしれないと評判の人。日本好きが高じて本国よりも日本にいる時間が長くなり、交友関係も広がって
浅草キッドの
水道橋博士とも親交があるんだとか。最近では何を思ったか、
志村けんにインスパイアされた楽曲「Corkscrew King」まで発表(
『Otto Spooky』収録)。自分のブログに嬉々として日本語での書き込みを残す、ちょっと不思議&ステキな方なのです。
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ジム・オルーク ソニック・ユースでも活躍するシカゴの即興ギタリスト、ジム・オルークは、自身のアルバム
『ユリイカ』(99年)のジャケットに友沢ミミヨを起用、
くるりのプロデュースを手掛けるなど、日本のとの関わりが何かと深い人。特にジャズ・ミュージシャン、
坂田明との共演をきっかけに日本語も勉強し、現在ではメールのやりとりも半分は日本語でこなしているそうです。
その坂田との共演ライヴ盤
『およばれ/テトロドトキシン』収録曲のタイトル、「こんだて」「きんべん」「かばん」「こうもりがさ の しゅうぜん」は、そのメールの中で使われていた言葉とのこと。どんなメールなのか、気になる?
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ジョン・ゾーン フリー・ジャズだけでも充分スゴいのに、それ留まらない鬼才振りを見せるジョン・ゾーンは、ニューヨークと日本を行き来して活動を行ない、かつては高円寺のアパートに居を構えていたとか。
黒澤明や
小津安二郎などの映画に触発されて日本に関心を抱いたとのことですが、単に愛情を表現するだけでなく、日本社会に対して厳しい目を持っているのが他の方々と違う面と言えるでしょう。
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スティーヴン・セガール ミュージシャンではありませんが(でも昨年
『ソングス・フロム・ザ・クリスタル・ケイヴ』でデビューした……)、流暢な日本語を操る俳優と言えばこの人。17歳で武道を学ぶために来日、その後10年に渡って滞在したため、日本語はベラベラ。ちなみに滞在先が大阪だったため、関西弁だったりします。日本滞在中に儲けた2人の子ども、
藤谷文子と
剣太郎セガールは、父と同じ俳優として活躍中です。
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