「CONCERT(コンサート)」「LIVE(ライヴ)」「GIG(ギグ)」。音楽に慣れ親しんでいる人であれば、普段から何気なく使っているこの3つの単語。このどれもが同じ意味を示しているにも関わらず、ジャンル/場所/雰囲気/個人の思い入れ……など様々な要因が絡んでか、知らぬ間に独自の境界線を引いているのもこれまた事実。一体どこからどこまでが「コンサート」?「ライヴ」?「ギグ」なのか?何とも難しいこの命題を追いかけてみました。
各文献、事典/辞典/辞書、Webなどでの情報収集によりますと、大まかではありますが、次のことが言えるのではなかろうかと。
●CONCERT(コンサート/演奏会)
ジャンル:クラシック/ジャズ/純邦楽/ロック&ポップス全般
会場:大ホール/中ホール
※生演奏に限らず
●LIVE(ライヴ)
ジャンル:ジャズ/ロック&ポップス全般
会場:大ホール/中ホール/ライヴ・ハウス
※生演奏に限る(形容詞的意味)
●GIG(ギグ)
ジャンル:ロック
会場:ライヴ・ハウス
※生演奏に限る(「コンサート/ライヴでの演奏」を意味するところがはじまり)
イスの有り無しは?チケット代は?……といった個人の意見を差し引いた一般的な概念で考えるならば、クラシック=コンサート、ジャズ/ロック&ポップス=ライヴ、ロック=ギグ、ということで宜しいのではないでしょうか。もともとの意味を辿れば、ジャズ・セッション/ステージでの演奏を称していたという“GIG”は、ミュージシャンの間から生まれた俗語であることも判明。
いつの頃よりか“GIG”はロック・シーンに広く浸透、小規模なライヴ・ハウスでの演奏を意味するようになったこの言葉。会場は広くなっても俺たちは変わらないぜ!とばかりに「GIG感覚」を高らかに宣言した、
BOφWY「ライヴ・ハウス武道館へようこそ!」にその真理が表現されております。
ついでに言うならば、消毒GIG、炎天下GIG、限界破滅GIG、衝撃連鎖GIG……などなど、貸しスタジオや、公園ほどの敷地も無い広場、はたまた家のガレージなどで開催されるなど、どれだけ会場が狭かろうと珍しくはないパンク/ハードコア・シーンでも“GIG”はすっかりお馴染みの存在。
今やジャイアンしか浮かんでこない“リサイタル”、フェスティバルも昔はこう呼ばれていました“ジャンボリー”、朝霧が有名“ジャム”、テクノ/ハウス系でのフェス“レイヴ”、“乗船”(
漁港)、“夜会”(
中島みゆき)……などなど、その1ステージを表現するには多すぎる語彙の数々。TPOに合わせた使い分けも大事ですが、敢えて通例を完全無視した画期的な使い方も試してみたいところ。演歌GIG!クラシックGIG!大正琴レイヴ!周囲の人々を唖然とさせるほどの開き直りっぷりでどうぞ。
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