当HPでもたびたび話題になる24K Gold Disc。再生できるの? 普通のCDとどこが違うの? 音はホントに良いの?などなど、疑問に思っている方もいらっしゃるはず。そんなに疑問に対し、明確な答を……という訳にはいきませんが、CDJournal.com的考察をまとめてみました。
■24K Gold Discとは? 一般にゴールド・ディスクと言えば、発売されたCDやDVDなどが一定の販売数に到達した際に認定されるセールス記録。しかし、今回取り上げる24K Gold Discとは、その名の通りディスクが24金でコーティングされたCDのことを言います。当然のことながら、ディスクは金色に輝く高級感溢れる仕上がりになっており、パッケージも通常のCDとは異なる特殊なものになっているため、マニアからは根強い注目を浴びているのです。見た目は通常のCDと異なりますが、同じように再生できるため、コレクターズ・ショップなどで目にするセールスの方の“ゴールド・ディスク”とは違い、音楽ソフトとして楽しむことができます。
■どんなアイテムがリリースされているの? Mobile Fidelity Sound Lab社(以下MFSL社)が24K Gold Disc、商標“Ultradisc”を開発したのが1987年。一番最初のリリースはジャズのサンプラーだったそうです。最初期の作品としては、
ピンク・フロイドの『原始心母』や
ザ・フーの『トミー』、
エリック・クラプトンの『461オーシャン・ブールヴァード』などがありました。また、90年代には
ニルヴァーナの『ネヴァーマインド』などもゴールド・ディスク化しています。MFSL社は一時、事実上の倒産状態にあったようですが、ここ数年の間に再びリリースを開始し、最近では
『平和の祈りをこめて〜ライヴ・ピース・イン・トロント1969(Live Peace in Toronto, 1969)』をはじめ、
ジョン・レノンのソロ・アルバムをゴールド・ディスク化。また、SACDハイブリッド仕様としても制作を行ない、そちらには
キンクスの諸作品などがラインアップされています。
MFSL社と双璧をなすのがAudio Fidelity社(旧DCC Compact Classics/以下AF社)。こちらはパッケージ・デザインの高級感も好評のシリーズです。90年代以降、24K Gold Discのリリースを開始、これまでには
ジェスロ・タルの『アクアラング』、
メタリカの『メタル・マスター』、最近でも
ディープ・パープル『紫の肖像(Who Do We Think We Are)』、
バッド・カンパニー『バッド・カンパニー(Bad Company)』など、精力的に制作を行なっています。
どちらの会社の作品も限定盤となっており、一度品切れになると入手困難なことでも有名。特に初期に発売されたアイテムは、どれも中古盤市場では5桁の値段で取引されているとのことです。現在でも入手可能なアイテムに関しては、
MFSL社のHP及び
AF社のHPでカタログをご確認ください。
■音はホントに良いの? “金を使うことによって光の屈折率が変わり、音が良くなる”などと言われることがあるようですが、科学的にみると“金のディスクだから”という理由で音が特別に良くなることはないそうです。ただし、MFSL社もAF社も独自のマスタリング技術を駆使しており、マスター・テープの音を最大限引き出しているというのが謳い文句。したがって、何らかの音質の違いは存在します。ただ、それが“良くなった”と感じるかどうかは人それぞれの感じ方によるところが大きいようです。
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