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| 吉川もと子＝著 |
| 2004年12月14日発売 |
| A5判 192頁 |
| 本体2,000円 + 税 |
| 雑誌コード64370-92 |
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| 戦後初めてショパン･コンクールで優勝したポーランドの名ピアニスト、ハリーナ・チェルニー・ステファンスカ女史の思い出を綴った１冊です。内容は、ステファンスカ女史に師事した日本のピアニスト・吉川もと子が、ステファンスカ女史が亡くなる直前まで東京藝術大学の官舎で衣食住をともにした女史との貴重な日々を振り返ったもの。名ピアニストの喜怒哀楽いっぱいの最後の2年間が、赤裸々に綴られています。ちなみに「カンティレーナ」とは、声楽曲または器楽曲における叙情的な旋律を意味する音楽用語で、ステファンスカ女史の得意としたピアノ奏法です。 |
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| ≪本書「まえがき」より≫ |
一緒に生活する中で、知らず知らずのうちに先生の一挙一動が私には貴重な教えとなっていった。音楽的なことはもちろん、仕事の仕方、果ては人はどう生きるか、どうあるべきか、人生の一から十まで。先生の傍らに立っているだけで、幸福でいられた。私の中に焼きついた先生の少女のような笑顔や少し高めのハスキー・ヴォイス、いぶし銀のピアノの響き、黄金の手のぬくもりは、これから先も薄れることはない。
私がここに記すのは、先生の人生の最後のほんの一部分であり、母国を離れ、大学の官舎で私という一生徒とともに暮らすという特殊な環境の中で起こったことである。
この本を手にした方が、ハリーナ・チェルニー・ステファンスカという偉大なピアニストに興味を持っていただければ幸いに思う。また、生前の先生をご存知の方には、あの美しいピアノの音色と温かい微笑を思い出していただければ、先生に対しての、私の少しばかりの恩返しになるかもしれないと思う。 |
| 吉川もと子 |
| ≪プロフィール≫ |
| ハリーナ・チェルニー・ステファンスカ |
| ポーランドを代表するピアニスト。1949年、戦後初となる第４回ショパン国際コンクールで優勝。あわせてポーランド国立放送から贈られる「マズルカ賞」も受賞した。以来、アメリカ、イギリス、ドイツ、イタリアなど世界的に活躍し、ショルティ、メータ、ボルト、スメタツェクら優れた指揮者とも多数共演した。多くのレコーディング作品も残している。2001年7月1日死去。
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| 吉川もと子 |
| ピアニスト。東京藝術大学を経てワルシャワ・ショパン・アカデミー大学院研究科卒業。94年からの2年間、東京藝術大学客員教授ステファンスカの非常勤助手となり、後進の指導にあたる。99年４月からの約2年間、ステファンスカと東京藝術大学の官舎で衣食住、仕事も一緒という暮らしを送った。2001年7月、ザコパネ（ポーランド）で行なわれた追悼演奏会にも出演した。 |
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