「ポピュラー音楽」なんていうジャンルはない? すべての音楽はポピュラー化する?一見して難解なテーマを丁寧にかみくだき、現代の音楽の本質にずばり迫る、相倉イズムの70年代ロック&ポップス論。
「ジャズとロックは音楽的に異なるだけではない。サックスなどの楽器は身体の延長であり道具だが、ロックは機械を活用したメディア音楽である」という視点から始まる相倉ロック論を集大成し、「ロック時代の音楽の特性」を概括。『相倉久人の超ジャズ論集成』に続く待望の書が登場! |
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【著者紹介】
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相倉久人
1931年、東京生まれ。東京大学文学部美学科中退。学生時代からジャズに傾倒し、評論家に。70年代以降は、活動範囲をポップスやフォークの分野にも広げる。
主な著書に『モダン・ジャズ鑑賞』『現代ジャズの視点』『ジャズからの挨拶』『ジャズからの出発』『相倉久人の“ジャズは死んだか”』『機械仕掛けの玉手箱』『ロック時代ゆれる標的』など
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第一講 ポピュラー音楽などというジャンルはない?
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■ポップス化とは音楽の中で共同体が崩れること
■すべての音楽はポピュラー化する
■ポピュラー音楽のファッションと機能 |
第二講 都市とメディア、そして音楽
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■裏のない紙―メディア・ファッション・ノート―
■都市音楽についてのすこし抽象的なおしゃべり
■エレクトロニクスは音楽をどう変えたか
■多元時間を切りとるアンテナ |
第三講 メディア時代のブラック・ミュージック
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■『魂之素(そうる)』
■ポップス化するソウル
■ブラック・ミュージックを超えてその底を流れる力が浮上する
■ブルースの伝統をうけつぐのは |
第四講 賑やかで猥雑なロックの七〇年代
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■白地図をポケットにアメリカを行く
■ペーパー・トリップ―ぼくの目線をよぎったブライアンとレナード―
■日本で四文字の名詞に押し込められた"プログレ"ロック
■シュールセクシュアリスム―性を超えるエロス―
■大洪水のあとの七〇年代はビートルズの解散に始まり、地獄の観光船となって八〇年代に向かう |
第五講 無国籍風の日本語がロックする
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■ちょっとまじめなロックのおしゃべり
■ライフスタイルとしてのロックの成熟度をはかる
■日本語のロックが生まれるとき
■歌のオリジナリティと"音楽"のとどく距離
■憂歌団が落としていったパチンコの玉 |
※『機械じかけの玉手箱』(1975年 音楽之友社)、『ロック時代ゆれる標的』(1977年 文化放送)、『都市の彩・都市の音』(1982年 冬樹社)をもとに編集制作。
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