世界各国から話題作が続々と登場!今や、映画/テレビ業界ではヒットの定説ともいえる“漫画実写化”。原作を知っているだけに、評価の目も厳しくなりがちではありますが、その関門を見事突破したオリジナリティ/アレンジ・センスに溢れる逸品をセレクト!記憶の片隅で忘れかけていた、あの作品/この作品をもう一度振り返ってみてはいかがでしょうか?
大ヒットを記録した
『NANA』『ALWAYS 三丁目の夕日』
『頭文字D THE MOVIE』をはじめ、先日公開がはじまった『最終兵器彼女』、フジテレビ系にて4月の放送を予定している『ちびまる子ちゃん』、アニメ化に続く『ハチミツとクローバー』、まさかまさかの『どろろ』……などなど、驚きの“実写化”を果たす名作漫画の数々。このキャストはどうも・・・・・・なんて難癖つけておきながらも、やはり気になってしまう/観てしまう、そんな“漫画実写化作品”を一挙ご紹介!
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『ルパン三世 念力珍作戦』 まずは歴史的“珍作”として誉れも高いこの作品。監督には
坪島孝(クレイジー・キャッツの映画を手がける)、そしてかの
赤塚不二夫も企画として制作に参加しているだけに、はじめから終わりまで休むことなく急降下!ジェットコースター並みのだだ滑りギャグが繰り広げられる爽快感にさいなまれます。ルパン三世(
目黒祐樹)、次元大介(
田中邦衛)、峰不二子(江崎英子)、銭形警部(
伊東四朗)……もはや何も言うまい語るまい。ストリーキングが流行したと伝えられる1974年、ルパン実写化の年、と暗記下さい。念のために触れておきますと、前年には『ゴルゴ13』も実写化されております(主演:
高倉健)。
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『ブラック・ジャック』 現在アニメとしても放送中!
手塚治虫による命のドラマ。TBS系にて、2000〜2001年にスペシャル・ドラマとして放送されたのが今作。これまでにも数々の役者たち(
加山雄三、
宍戸錠、
隆大介)が挑戦してきた“ブラック・ジャック”を、原作以上のカルトな雰囲気で見事モノにしたお方といえば、“モックン”こと
本木雅弘!原作・岡野玲子の
『ファンシイダンス』、『まんが道』愛読者ならばご存知の『トキワ荘の青春』など、押し引き自在の素晴らしい演技を披露してきた彼、少々行き過ぎなほどにミステリアスな人物像を作り上げております。演出には
堤幸彦も参加。
●『美味しんぼ』
今に続く“グルメ・ブーム”の流れを作ったともいえる歴史的作品。この一冊がなければ、あれもこれも……と後続への影響も特大なのはご存知の通り。過去、テレビ・シリーズ(
唐沢寿明、
原田芳雄、
江守徹、
石田ゆり子、
富田靖子)と映画にて実写化されているわけですが、何といっても特筆すべきは映画版。“
三國連太郎×
佐藤浩市”というホンモノの親子対決がこんなところで実現するとは!と、業界が揺れたとか揺れなかったとかいうお話。思わずファミコン版を押入れから引っ張り出したくなる、無駄に熱いドラマが展開されます。DVD化乞う!
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『うずまき』 菅野美穂、
窪塚洋介、
妻夫木聡、
宮崎あおい……などなど、錚々たる出演者によって実写化された『富江』シリーズでもお馴染み、
伊藤潤二の『うずまき』。主題歌には
Do As Infinity「Raven」、音楽は
鈴木慶一&
かしぶち哲郎が担当するなど(サントラも発売中)、ホラーにかかせない“音”へのこだわりが嬉しい逸品。恐怖/笑いを行ったり来たりする不条理な世界観を見事再現しております。
大杉漣の変質的うずまきLOVE!っぷりが観れるのは『うずまき』だけ!そして実写ヒトマイマイが観れるのも『うずまき』だけ!といったところでしょうか。
●『漂流教室』
2005年、何と画業50周年というアニバーサリー・イヤーを迎えた
楳図かずおの代表作。轟音とともに消えた小学校が辿り着いたのは未来の地球……。未来は「空飛ぶ車が出来るんだろう」なんて純朴な子供心を、一気に30代半ばぐらいの精神年齢へと成長させるストーリーに感動!そんな楳図チルドレンの各々の思い入れを実写という形で表現したのが、監督・
大林宣彦版(1987年)/監督・J.J.ミムラ版(1995年、原題:Drifting School)/テレビ・ドラマ版(2002年
『ロング・ラブレター〜漂流教室〜』)、以上の3種。なかでも、J.J.ミムラ版の「わざと?」とも思えるチープな脱臼ぶり、もはや採点不能な凄まじさ。元祖コニタンこと、
小西博之(バスケ・コーチ“マツオ”役)も出演!
忠実な再現を楽しむ、というよりは、原作とのギャップをむしろ楽しみたい“漫画実写化”作品の数々。『あんみつ姫』(出演:
小泉今日子)、『意地悪ばあさん』(出演:
青島幸男)、『ゲゲゲの鬼太郎』(ねずみ男:
竹中直人、砂かけばばあ:
由利徹)、『タッチ』(上杉達也/和也:
岡本健一(
男闘呼組))などをこの世に産み落とした“月曜ドラマランド”の完全DVD-BOX化を夢見つつ、
『AKIRA』にクスリと笑みをこぼしましょう。