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ドラマ『地面師たち』の劇伴を手掛けた石野卓球のインタビュー到着 「役者・ピエール瀧のファンになってしまった」

石野卓球   2024/07/26 12:41掲載
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ドラマ『地面師たち』の劇伴を手掛けた石野卓球のインタビュー到着 「役者・ピエール瀧のファンになってしまった」
 綾野剛×豊川悦司ダブル主演、監督・大根仁で贈るクライム・サスペンス・ドラマ『地面師たち』がNetflixにて7月25日より配信がスタートしました。

 実在の地面師事件に着想を得た新庄耕の同名小説を、TVドラマ『エルピス-希望、あるいは災い-』(2022年)で知られる大根仁監督が映像化した本作は、欲望にまみれた不動産詐欺師たちが繰り広げるストーリー。役者たちの緊迫感あふれる演技で、「イッキ見必至!」と話題沸騰中。また、本ドラマにて電気グルーヴ石野卓球が初めての劇伴音楽を担当、砂原良徳がマスタリングを手掛けた全30曲におよぶサウンドトラックもあわせてデジタル・リリースされ注目を浴びる中、石野卓球のオフィシャル・インタビューが到着しました。

 新庄耕の小説『地面師たち』は、他人の土地の所有者になりすまし、虚偽の売却を持ち掛け、多額の金をだまし取る不動産詐欺集団の実態を、入念なリサーチのもと、手に汗握るエンターテインメント小説へと昇華した作品。そこで描かれる「地面師」たちの詳細な手口と、「だます側」と「だまされる側」の手に汗握る駆け引きの面白さに魅了された大根仁が、自ら出版社に映像化を交渉し、Netflixに持ち込んだだことが今回のドラマ化のきっかけ。

 キャスト陣も一癖も二癖もある実力派キャスト揃い。地面師詐欺の道に踏み込む男・辻本拓海を綾野剛が、巨額詐欺を率いる大物地面師・ハリソン山中を豊川悦司が演じるほか、ハリソン率いる地面師グループの面々に、北村一輝小池栄子ピエール瀧、そして染谷将太が名を連ね、彼らの標的となる大手デベロッパー「石洋ハウス」の幹部を山本耕史が、ハリソンを追う定年間近の刑事役にリリー・フランキーが扮し、アウトローな登場人物たちを見事に演じ切っています。

 また、劇伴を電気グルーヴの石野卓球が手掛けていることも大きな話題。もともと友人で、2015年公開のドキュメンタリー映画『DENKI GROOVE THE MOVIE? 〜石野卓球とピエール瀧〜』の監督も務めている大根監督のラヴコールにより、今回の起用が実現したとのこと。ネット上でも、ドラマ本編配信前の本予告映像公開時から、使用されている音楽に“エモい!”“すごい!”と評判を呼んでおり、石野卓球自身もXで「マスタリングはまりん」と紹介するなど、電気グルーヴのファンを筆頭に注目を浴びています。

 今回公開されたオフィシャル・インタビューでは、制作の裏側や苦労、役者としてのピエール瀧についてまで、興味深い内容が語られています。

[石野卓球 (音楽) インタビュー]
――ドラマや映画の音楽を担当するのは、意外にも今回が初になるんですね。
そうなんです。オープニング曲とかエンディング曲は、電気グルーヴで何度もやっているんですけど、いわゆる「劇伴」みたいなものは、実は今回が初めてで。単純に、これまで依頼がなかったという(笑)。まあ、まったくなかったわけではないんですけど、僕の音楽的な引き出しでは太刀打ちできないものというか、感動的なシーンに音楽をつけてくれって言われても、ちょっと困るじゃないですか(笑)。ただ、大根さんはもともと友だちだし、2015年に電気グルーヴの映画(『DENKI GROOVE THE MOVIE? 〜石野卓球とピエール瀧〜』)を撮ってもらったりもしていて僕の音楽性みたいなものも十分知っているので、こっちの引き出しにないものを求められることはないだろうと。それで引き受けさせてもらいました。

――大根監督との事前の打ち合わせでは、どんな話をされたのでしょう?
最初の打ち合わせのときに大根さんのほうから、僕が昔出した『LUNATIQUE』のイメージで、まずはメインテーマを作ってほしいですという話があって。だから、話は早かったですよ。抽象的なイメージではなく、具体的に言ってもらえると、すごく取っ掛かりができるので。あと、全体としては「不穏な感じで」というのは、最初から言っていて。まあ、そういうものは僕も好きなので、「なるほど、わかりました」という(笑)。

――冒頭のシーンの音楽から、ギターがフィーチャーされていたので少し驚きました。
そう、大根さんからもう一個要望があったのが、ギターの音を入れてほしいということだったんです。電気グルーヴのサポートもやってもらっている吉田サトシくんというギタリストがいるんですけど、彼のギターの音も今回の劇伴では使ってほしいと。で、そのあと台本をひと通り読ませてもらって、10曲ぐらいラフスケッチみたいなデモを作ったのかな?それが結構好評で、「この方向で行きましょう」ってなったんですけど、そこから半年ぐらい連絡がなくて(笑)。まあ、その時期に撮影をしていたみたいなんですけど、映像がある程度上がった時点で、それを観ながら大根さんとまた打ち合わせをして。そこで、さらに細かい希望を聞いたり、足りない曲のイメージを聞いたりしながら、調整していった感じです。

――最終的には、どれぐらいの数の曲を作ったのでしょう?
結局、本編では使われなかった曲もあったので、それを入れると40曲近く作ったんじゃないかな?最初から40曲作れって言われていたら、多分心が折れていたと思うんですけど(笑)。気がついたらそれぐらいになっていたというか、とにかく数が多かったので、そこはやっぱり大変でしたね。ミックスエンジニアは、昔から一緒にやっている渡部高士にお願いしていたんですけど、曲が上がり次第、彼に渡してミックスしてもらって、そのあいだに、次の曲に取り掛かるという。で、ミックスが終わったものを大根さんに聴いてもらって、場合によっては、それを修正することもあって。作業的に今、自分がどのへんにいるのかわからない大変さっていうのは、やっぱりありました。電気グルーヴのサポートをやってもらっている牛尾(憲輔)は、アニメの劇伴の仕事をよくやっているんですけど、いつもこんなに大変なことをやっているのかっていう(笑)。

――実際に完成した作品を観て、どんな感想を持ちましたか?
自分が関わったからというのを抜きにしても、すごく面白かったです。ほとんど悪い奴しか出てこないというか、勧善懲悪じゃないところも良かったし、軽いラブストーリーとかも一切入ってなくて……あと、「途中でこの人は死なないでしょ??」みたいなところもあって。そういうところが、すごく俺好みでした(笑)。

――(笑)。出演者に関しては、いかがでしたか?
豊川さんと綾野さんをはじめ、出演されているのはみなさん一流の人たちばかりなので、俺がどうこう言えるようなものではないと思うんですけど、やっぱり瀧に関しては、ちょっと思うところがあって。僕、ずーっと瀧の芝居が観れなかったんですよ。瀧が役者の仕事を始めた初期の頃の作品を観て、そのあまりの大根役者[AY1]っぷりに、自分のこと以上に恥ずかしくなってしまったことがあって(笑)。なので、瀧が出ているものは、極力観ないようにしていたというか、今回の仕事を受けるにあたって、実はそこが悩みどころのひとつだったんですよね。だって、瀧の演技を観なきゃいけないじゃないですか。

――電気グルーヴの相方である瀧さんが出演しているというのもあって、今回の仕事を引き受けたのかと思っていました(笑)。
いやいや、そこはずっと避けてきたことなので(笑)。ただ、ここはもう腹を括ってひとつやってみようと思って引き受けたんですけど、大根さんが持ってきてくれた映像を観たら、驚いたことに恥ずかしくなかったんですよ。昔感じていた恥ずかしさもなく普通に観れて……むしろ、ちょっといいなって思ったりして(笑)。そこから瀧が最近出たものを――それこそ『サンクチュアリ -聖域-』とかを観てみたらすごい良くて、すっかり役者・ピエール瀧のファンになってしまったというか、今回も瀧がすごく良かったです(笑)。

――(笑)。では、本作『地面師たち』の音楽的な聴きどころを、最後に改めて。
初めての劇伴と言っても、劇伴用に何かを変えるみたいなことは一切しなかったというか、エンジニアも含めて、通常のフォーメーションで作ったので、音源としても十分楽しめるものになっていると思います。あと、なるべく物語とか映像の邪魔をしないことを意識しつつも、地面師たちの悪巧みが徐々に進んでいくところとかは、ずっとドローンの低音が入っていたり……このドラマって、実はずっとバックで音が鳴っていたりするんですよね。なので、そのあたりはデカい音で聴いてもらったほうが、きっとよくわかるんじゃないかな。ヘッドフォンとかで聴くと、また全然違うと思うので、そこらへんも楽しんでもらえたら嬉しいです。

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©新庄耕/集英社

Netflixシリーズ『地面師たち』
2024年7月25日(木)よりNetflixにて世界独占配信
www.netflix.com/地面師たち

■2024年7月25日(木)配信開始
石野卓球
『地面師たち(Soundtrack from the Netflix Series)』

収録曲数:30曲
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