“1”が4つ並ぶ11月11日は、10月10日に続いて記念日が多い日。とくに“1111”など数字の1を並べた様子から連想される「麺の日」「もやしの日」「美しいまつ毛の日」「靴下の日」「下駄の日」(下駄の足跡から連想)「きりたんぽの日」「チンアナゴの日」「煙突の日」や、漢数字の“十一十一”から連想した「鮭の日」「電池の日」(プラスとマイナスから連想)など、さまざまな記念日が制定されています。
そのなかでももっともポピュラーな記念日のひとつと思われるのが、江崎グリコが1999年11月11日に制定した「ポッキー&プリッツの日」でしょう。“1111”が同社の人気商品「ポッキー」と「プリッツ」が並んだように見えることから、この日が記念日として選ばれました。ちなみに、1999年は平成11年なので、1が6つ並んだ年。以後、毎年キャンペーンを実施。そのキャンペーンを華やかに彩ってきたCMキャラクターやCMソングをいくつか紹介していきます。
「ポッキー」のCMは昭和の時代より、
山口百恵や
松田聖子、
菊池桃子、
南野陽子などが出演し、大物アイドルの登竜門やのちのビッグスターの証となるCMとしても知られています。現在では、スーパーアイドルから大女優へ飛躍を遂げた
宮沢りえと、ドラマ『
ドラゴン桜』(第2シリーズ)での早瀬菜緒役も記憶に新しい
南沙良らがCMに出演。CMソングには
B'zの「マジェスティック」を起用。同曲は2019年5月リリースのB'zのアルバム『
NEW LOVE』(写真)に収録されています。
「ポッキー&プリッツの日」の第1回となる1999年は、夢へ突っ走る学生を
田中麗奈が演じ、
ゆずの「
友達の唄」がCMソングに起用されていました。2002年には、当時の
モーニング娘。のメンバーを2組に分けた期間限定ユニット“
ポッキーガールズ”“
ビーナスムース”が誕生。ポッキーガールズが「YES! POCKY GIRLS」、ビーナスムースが「女神〜Mousseな優しさ〜」をCMソングとして歌っていました。この2曲は、モーニング娘。のアルバム『
No.5』にロング・ヴァージョンが、
ハロー!プロジェクトのコンピレーション・アルバム『
プッチベスト3』にショート・ヴァージョンがそれぞれ収められています。
2004年には1993年に『四姉妹物語』として映画化もされた“ポッキー四姉妹”(
清水美砂、
牧瀬里穂、
中江有里、
今村雅美)になぞらえて、
松浦亜弥、
石原さとみ、
仲間由紀恵、
柴咲コウが2004年版“四姉妹”として登場。
レニー・クラヴィッツの「
自由への疾走」のギターフレーズをバックに、“四姉妹”がクールなキメ顔でポッキーをかじるCMや、“アナタもワタシもPocky'n!”と歌うジングルとともに、彼氏とのキス寸前に大人たちの邪魔が入り悔しがる、初々しい石原さとみの姿が印象的なCMも目を惹きました。
2006年からイメージキャラクターとなったのは“ガッキー”こと
新垣結衣。「ポッキー」のCMといえば彼女のイメージが強い人も多いのではないでしょうか。ガッキーはこのCMを機にブレイク。同郷・沖縄の
ORANGE RANGEの楽曲「DANCE2 feat.ソイソース」に乗せて、教室や大阪の街などで弾けてダンスするキュートな姿で大いに話題を集めました。翌年にガッキーが高校の文化祭で友達とコントを披露するCM「はじけてチャレンジ! 文化祭」篇では、
絢香の「For today」がCMソングに使われました。
2008年に“第50代ポッキープリンセス”に抜擢されたのが、その後ハリウッドなど海外作品への出演も果たした女優の
忽那汐里(くつなしおり)。ガッキー出演のCMを踏襲した形で、ORANGE RANGEの「
おしゃれ番長 feat.ソイソース」をバックにチアリーダー姿で学園の部活動を巡りながら踊ったり、
いきものがかりの「
じょいふる」に乗せて街中やさまざまな場所で踊りまくる姿で楽しませてくれました。一部のCMではいきものがかりのメンバーも出演。
一風変わったところでは、2010年の「エビバデポッキー宣言」篇の
YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)でしょうか。
細野晴臣、
坂本龍一、
高橋幸宏のメンバー3名が、YMOの代表曲「ライディーン」が流れるなかでYMO「テクノポリス」のフレーズ“トキオ!”を“ポッキーを”に言い換えるという、クールで笑えるCMもありました。同じように、“ニノ”こと
嵐の
二宮和也がCMキャラクターを務めたシリーズでもダジャレ(?)が出現。「DRINK&Po」篇や「ALL」篇のCMソングに使われた、
MCハマーの世界的なヒット曲「ユー・キャント・タッチ・ディス」のサビフレーズ“キャット・タッチ・ディス”を、ニノが“ちゃんと合うんです”と言い換えて、ポッキーがいろいろなドリンクにも合うことをアピールしていました。
2015年からは
三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBEのメンバーたちがイメージキャラクターに就任。
小林直己、
登坂広臣、
岩田剛典によって結成されたスペシャル・ユニット“THE Sharehappi”が、両手の2本指を立てて胸の前で腕をクロスする“シェアハピポーズ”を繰り出しながら踊る“シェアハピダンス”が注目されました。CM動画や“シェアハピダンス”の振り付け動画が多くの再生数を重ね、CMソング「Share The Love」もチャートを席巻、問い合わせが殺到して発売に至りました。TV-CM「シェアハピ!」シリーズには、映画『
人狼ゲーム インフェルノ』主演や『
仮面ライダーアマゾンズ』のヒロイン、ボートレースのCMなどでも活躍している女優の
武田玲奈も出演しています。
新しい元号となった2019年、すなわち、令和1年の11月11日という“1”が5つ揃う日には、バーチャルYouTuberの
キズナアイが「ポッキー&プリッツの日アンバサダー」に就任。“あなたも、Let&s おソロPARTY”を合言葉に“11月11日”を盛り上げました。
悲しいことやつらいことも少なくないご時世ですが、時には“記念日”に乗っかって、嫌なことを吹き飛ばすべく、それぞれの世代に思い入れのあるCMソングを思い出したり聴いたりしながら、「ポッキー」や「プリッツ」を楽しく食べてみるのも良いのではないでしょうか。
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