21年前(!)の5月31日は、初めてアジアで、また初めて2ヵ国共同開催となった、サッカーの世界選手権「2002 FIFAワールドカップ」(日韓ワールドカップ)が幕を開けた日です。開催国として2大会連続2回目の出場を果たした日本代表“サムライブルー”は、ベルギーと引き分けてワールドカップ初の勝ち点を獲得すると、ロシア、チュニジアに連勝し、グループリーグを1位で通過。初の決勝トーナメント進出を果たしました。
ワールドカップなどFIFA主催の国際大会や試合においては、ドイツ人音楽家のフランツ・ランベルト作曲の行進曲「FIFA Anthem」(フィファ・アンセム / FIFA賛歌)が選手入場曲として使われることが慣例でしたが、2018年のロシア・ワールドカップで例外的に
ハンス・ジマー&
ローン・バルフの「Living Football」を採用。すると、以降は同曲が国際親善試合やクラブワールドカップなどのFIFA主催大会のアンセムとして使用されることになりました。
そのロシア・ワールドカップ同様に、例外となったのが2002年の日韓ワールドカップのアンセム。ギリシャのシンセサイザー奏者 / 作曲家の
ヴァンゲリスが日韓ワールドカップに限って採用されるアンセムのために書き下ろしたもので、タイトルもズバリ「アンセム」。試合中継はもちろん、サッカー関連番組などでも数多く楽曲が流され、当時の日本のオリコン・シングル・チャートのトップ5に入るヒット曲となりました。
ヴァンゲリスは、第54回アカデミー賞作曲賞を受賞し、シングル・アルバムともに全米1位となった映画『
炎のランナー』の音楽(アルバム『
炎のランナー』、シングル「タイトルズ」)や、映画『
ブレードランナー』『
1492 コロンブス』などの音楽で世界的なヒットを放ち、日本でも『
南極物語』の音楽を担当。2000年のシドニーオリンピック閉会式での音楽・指揮や、2004年のアテネオリンピックの公式エンブレムのサウンドロゴなど、国際大会での音楽を手掛けてることでも知られています。
また、日韓ワールドカップの公式テーマ・ソングは、米シカゴ出身の歌手、
アナスタシアの「ブーム」が起用されました。ちなみに、前回の1998年のフランス大会では
リッキー・マーティンの「ザ・カップ・オブ・ライフ」、次回の2006年のドイツ大会では
イル・ディーヴォ&トニー・ブラクストンの「タイム・オブ・アワー・ライヴズ」がオフィシャル・ソングに採用されています。
なお、サッカー天皇杯などの日本のJFA主催の国内大会では「日本サッカーの歌」が用いられており、日本におけるアンセムとして長く親しまれています。作曲は
坂本龍一です。
ヴァンゲリスの「アンセム」は、『
パーフェクト・コレクション』(写真)『
オデッセイ〜ザ・ベスト・コレクション』などのベスト・アルバムなどで聴くことができます。
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