“製造中止”の事実を知って、思わず実家を捜索してしまったファミコン・フリークの皆様へ捧ぐ“ファミコン化映画”特集!心に残る名作から、未DVD化の珍作まで、懐かしの逸品の数々を大フィーチャー!
1983年7月15日、家庭用ゲーム機として生まれた“ファミリー・コンピュータ”。
大竹まことでお馴染みのPCエンジンにメガドライヴ、スーパー・ファミコン、セガ・サターン、NINTENDO64、3DO、ネオジオCD、そしてプレイステーション……。時の流れと共に押入れの奥深くへとおいこまれ、2003年9月には製造中止。事実上その歴史に幕を閉じた愛すべき先駆者。せっかく遊びに行ったのに、友達は延々と『ドラクエ』をし続けていたあの日……ディスク・システムの海賊版で馴染みの店が摘発されたあの日……ゴミ捨て場に無造作に置いてあるツイン・ファミコンをみつけた時の衝撃……走馬灯のようにめぐる思い出を頼りに、名作を数多く生んだ“ファミコン化映画”を特集致します!
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『ゴーストバスターズ』 かの
ソフィア・コッポラ監督によるオシャレ映画
『ロスト・イン・トランスレーション』でも主役を演じたあの男、すっトボけた表情は今も健在の
ビル・マーレイはもちろん、 気弱なちびメガネ・キャラが実にはまった
リック・モラニス、今思えばなんとなく意外な
シガニー・ウィーバーなど、それぞれにキャラ立ち濃厚なキャストが集合したオモシロお化け映画。ファミコン版は徳間書店より1986年に発売。カーチェイス/お化け吸引、稼いだお金で装備を整えまた出動!と、バラエティに富んでいるようで、いかんせん煮え切らない内容にガックリ。ゲーム内容よりも「ゴーストバスターズ!」と唐突に叫ぶ合成音声ばかりが思い返されます。
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『グーニーズ』 公開20周年を記念し、撮影場所となったアストリアの地にキャストの皆さんが大集合(アイス食べまくりのチャックは弁護士になったそうな)。サイン会やトーク・ショーといったイベントが行われたアドベンチャー大作!ファミコン版は1986年にKONAMIより発売。着メロ並の
シンディ・ローパー「グーニーズはグッド・イナフ」にのせて仲間&鍵を見つけ出す、アクション・ゲーム仕上げ。ネズミに蹴りをくらわしつつ、隠しアイテムにワープなど、ところどころに用意されたお楽しみを見つけるのもまた楽し! 近年、映画ファンの間で話題となった『グーニーズ2』も、『グーニーズ2 フラッテリー最後の挑戦』としてファミコン界では実現済みですね。
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『ミュータント・ニンジャ・タートルズ』 甲本ヒロト(
ザ・ハイロウズ)氏がよくTシャツをお召しになっているのも記憶に新しい、“ニューヨーク生まれの突然変異・亀”ことニンジャ・タートルズ。もとは自費出版で発売されたコミックが大ヒット、少々テカりすぎな着ぐるみとなって実写化。本国アメリカよりも日本でヒットし、シリーズ3部作(“3”では戦国時代の日本へタイムスリップ!)に膨れ上がった愛すべき動物アクション(師匠はネズミ)。ファミコン版はKONAMIより1990年に発売と、割と後期に出た作品だっただけに、悲しいかな印象薄。横スクロール・アクションものとしては『熱血硬派くにおくん』の勝利? 亀が選び放題(4匹)ってところが原作ファンには嬉しかったような……。
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『火の鳥 鳳凰編』 2004年にNHKで放送されたアニメはもちろん、
市川崑・監督による実写版映画(出演:
若山富三郎、
尾美としのり、
草刈正雄、
高峰三枝子など)/
沖田浩之・主演のミュージカル/宝塚歌劇/
蜷川幸雄・演出による舞台……などなど、小学校図書館の蔵書としてだけではなく、様々に形を変えて伝わる
手塚治虫の代表作! その中でも、1987年に公開された映画『火の鳥 鳳凰編』(監督:
りんたろう)をもとにファミコン化されたのが、『火の鳥 鳳凰編 我王の冒険』(KONAMI 1987年発売)。たった一つの武器であるノミを手に、鬼瓦をくりだすゴリラ激似のドット絵・我王! パズル・ゲームな要素も熱中度をアップさせた“1M(メガ)ビット”の名作。
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『GAME KING 高橋名人VS毛利名人 激突!大決戦』 じっとりと額に汗を滲ませながら、シューティングウォッチ(シュウォッチ)相手にひたすら連射に励んだ方も多いことでしょう……1986年・夏。ハドソンの開催した全国キャラバンへの出場をかけて、ひたすら『スターソルジャー』の自主練に励むキッズたちの憧れの的といえば、今も昔も“名人”に変わりなし、北海道出身/ハドソン所属の高橋名人。毛利名人との激戦を描いた映画『GAME KING 高橋名人VS毛利名人 激突!大決戦』での雄姿(指の連打でスイカ割り、指でバイク止め……など)、あまりの感動のため、腹を抱えて爆笑してしまった覚えも。そっと口でなぞらえるだけでタイムスリップしてしまいそうな“16連射”の甘い響き、後にジョイカードやホリコマンダーなど“文明の利器”に頼ってしまうこととなる僕らを戒めるべく、腰ミノ一つで自らを“野生化”した『高橋名人の冒険島』(ハドソン 1986年発売)を発売した……とかしなかったとか。
3大巨頭“
高嶋政宏/
川平慈英/
斉藤洋介”が勢ぞろいを果たしたSFXロボット・アクション映画『ガンヘッド』(『ガンヘッド 新たなる戦い』(バリエ 1990年発売))をはじめ、“ファミコン化”とは多少離れるものの、
ジョージ・ルーカスのルーカス・フィルムが作った『マニアック・マンション』(ジャレコ 1988後年発売、後に映画化)、“PAXのしわざ”こと、パワーグローブ大フィーチャー映画『スウィートロード(原題:THE WIZARD)』(写真)……切っても切れない映画×ファミコンの素敵な関係。貴方の愛機をさっそく磨いて、往年の名作たちを今再び味わってみてはいかが。ゴールデン・ウィークはファミコンでウッドボール!