演歌だけではないらしい・・・“スポーツ選手がリリースしたCD”特集!

2006/07/14掲載
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演歌はもちろん、ロック〜ヒップホップ〜童謡〜ジャズ〜ワールドなどなど、今やプロ顔負けの才能を発揮してしまう人も多いらしい“スポーツ選手の音楽活動”。これまでに発表された名盤/珍盤を一挙ご紹介!あの人の意外な才能に気付くかも?
 2006FIFAワールドカップ・ドイツは閉幕しても、季節は間もなく夏本番! 8月6日より開催される全国高校野球選手権大会(通称:甲子園)を皮切りに、マスターズ甲子園(大会テーマ・ソング:浜田省吾「光と影の季節」)、パソコン甲子園2006俳句甲子園まんが甲子園写真甲子園麺の甲子園ファッション甲子園ディベート甲子園森の“聞き書き甲子園”M-1甲子園音楽甲子園2006映画甲子園2006、そして毎年恒例『24時間テレビ 愛は地球を救う』内にて、めでたく復活を遂げるダンス甲子園!と、全国各地で熱く火花を散らしているアスリートの皆々様へ向けまして、CDJournal.comでは“スポーツ選手がリリースしたCD”を特集! 本職で素晴らしい成績を残しているにもかかわらず、どこにそんな才能があったのか!? と、思わず息を飲む名盤/珍盤をズラリ取り揃えました。

クライム『テイク・ア・チャンス』
 神山高志を中心に、林田慎二郎/前田彰/メカ沢新一/フレディなどが在籍する高校名のこと……では決してない、1983〜1990年にかけて読売ジャイアンツで活躍した助っ人外野手“ウォーレン・クロマティ”。バラエティ番組でも披露していた愛くるしいキャラクター、首位打者/MVPなどのタイトルを次々と奪取する実力、今も多くの巨人ファンよりラヴ・コールをおくられる彼。プリッとお尻を突き出したフォームを思い浮かべれば、そこへボンヤリ現われ出でる“Climb(クライム)”の文字……。大リーグ時代よりミュージシャンとの親交も厚かったクロマティが1988年に結成したロック・プロジェクト唯一の作品が『テイク・ア・チャンス』。ゲディ・リー(RUSH)/ルー・グラム(フォリナー)といったゲスト陣、そして、マドンナ「Like A Virgin」を生んだビリー・スタインバーグ&トム・ケリーや、ラス・バラード(元アージェント)が作家として楽曲提供しているなど、クロウのドラム・テク以外にも聴き所は盛りだくさん。

『阪神タイガース優勝祈念オフィシャルCD VICTORY〜猛虎に捧ぐ Tribute to HANSHIN Tigers〜』
 星野仙一監督(当時)が掲げた「NEVER NEVER NEVER SURRENDER」のスローガンのもと、見事なリーグ優勝を飾った2003年の阪神タイガース。その勢いがスピーカーごしに伝わってくる熱き“優勝祈念オムニバス・アルバム”がこちら。CharJesseRIZE)/松村邦洋千秋ウルフルケイスケウルフルズ)/世良公則サンプラザ中野杉本恭一レピッシュanalers)/中川敬(SOUL FLOWER UNION)などの由緒正しき“虎キチ”の皆々様をはじめ、何でかデイヴ・ナヴァロJane's AddictionRed Hot Chili Peppers)/スティーヴ・ヴァイロバート・トゥルージロMetallicaSuicidal Tendencies)といった外国勢も巻き込んだ半端なきタイガース愛が注ぎ込まれた名品。なかでも注目は、阪神に在籍していた“千手観音”投手トレイ・ムーア(オリックスへ移籍/退団の後、2005年に現役引退)と、“リターン・オブ・ザ・ギャングスタ”ことクーリオとのラップ対決が聴ける「Take it to the Wall」。妙にカツゼツの良いムーアさんのハキハキ・ラップが目に沁みる! ちなみに、星野仙一・公認ソング“星野仙一心情歌”GO2「NEVER SURRENDER」には、コーラスとして田淵幸一の長男・裕章/次男・帝次の両者が参加。

デカモニ。「大きな私の小さな恋」
 完全に出オチになってしまっているジャケットが逆にもったいない、日本人初のプロ・バレーボール選手“大林素子”こと、デカモニ。のデビュー・シングル(2001年8月7日発売)。日本テレビ系にて放送されていたバラエティ音楽番組『つんくちゃん』内のオーディションにただ一人合格。晴れてCDデビューを飾った記念碑的作品(インディーズ“つんくちゃん。レーベル”からのリリース)。限定5,000枚という枚数を売り切ったのかは疑問ですが、晴れ晴れとした真っ直ぐなヴォーカルを轟かせるその力量、つんく♂プロデュースの異端児として早くも伝説となっております。カップリング曲「デカモニ。ジャンケンぴょん!」ももちろん必聴。彼女のコラムを見るに、その後もワールドカップバレーボール2003会場で流れた「アタックNO.1」でマイクをとるなど、音楽活動には意欲的である模様。

ボブ・サップ「サップ・タイム」
小川直也☆岩佐真悠子「勝手に侵略者」
“キャプテン・ハッスル”小川直也「ハッスル音頭」
角田信朗&いはたじゅり「ケロロ軍曹〜ケロッ!とマーチ」
大至伸行「空に星がある限り」
 弊社・刊『レコジャケ ジャンキー!』でも取り上げられております、格闘家ボブ・サップのCDデビュー作品。マイケル・ジャクソン「スリラー」とは全く異なる、ご陽気ファンキー・ソウルで地鳴りのごとくバディ・シェイキン。かたや、バルセロナ五輪銀メダリストからプロレスラーへ華麗なる転身を遂げた“暴走王”小川直也は、“キャプテン・ハッスル”として「ハッスル音頭」/グラビア・アイドル岩佐真悠子とのデュエット「勝手に侵略者」を発表。同時期には「エスカップ」CMソング熱唱でもお馴染み、角田信朗が「ケロロ軍曹〜ケロッ!とマーチ」をリリースするなど、「歌が上手い=お相撲さん」の伝統ある図式を「歌が上手い=格闘家」へ塗り替えんとする、地道な努力が徐々に成果を上げてきております。しかしながら、角界引退後、本格的に歌の道へと進んだ大至伸行(甚句力士の第一人者)ほどの逸材はまだ出てきていないのが残念。

ダグラス・ワキウリ『ガンバレ!』
 「ヨシ、ガンバッテクレヨゥ。ヨォシ!イクゾ!」溢れんばかりにポジティヴなヴァイヴスを目の前に突きつけられた衝撃たるや! 1963年ケニアに生まれ、山梨学院大学へ留学の後、瀬古利彦と同じS&B食品陸上部に在籍。ソウル・オリンピック銀メダリストの栄光に輝いたマラソン・ランナー“ダグラス・ワキウリ”渾身のメジャー・デビュー作。ランナー現役引退後、本格的に音楽への道を歩みだした彼は、2005年に1stアルバム『PIPO〜PEWA ILE POA』を発表。以後、後進への指導を行ないつつ“第2の故郷・日本”でのライヴ・ツアーなども精力的に行なっております。自身の音楽を評して「LGT(ローカル・ゲットー・テールズ)スラムからの音楽」と言い切る彼のホンモノの魅力、アフリカン・ビート×脱力日本語メロディにてお確かめください。

●竹原慎二「下の下のゲットー。」
 ワキウリさんが“LGT(ローカル・ゲットー・テールズ)”ならば!人気番組『ガチンコ』の1コーナーから見事な再起を果たした、元WBA世界ミドル級王者“竹原慎二”によります、CDデビュー作品「下の下のゲットー。」(2000年10月10日発売)。ボクシングでタイトル奪取 → その6ヵ月後の初防衛戦に敗退 → 現役引退と、勝負の世界で生きてきた彼だからこそ語ることのできる本気のメッセージ・ソング(韻を踏みながら)。「俺に言わせりゃ」とばかりに、ラップで国家権力からコギャルにチーマー、カラ出張に至るまで、世の矛盾に対して噛み付きまくるその激情! 眉間にしわを寄せて「下の下じゃ(広島弁)」と言い放つ彼の雄姿が目に浮かびます。これぞまさしく「愛ヲコメテ、中指ヲタテテ」!
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