夏にピッタリの“凄い曲名”特集!

2006/07/21掲載
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沢田研二によって盗まれてしまった太陽はいったいどこへ? ぐずついた空模様へ喝をいれるべく、夏夏ナツナツ・ココ夏!なCDJセレクト“夏にピッタリの凄い曲名”特集を神保町よりお届けいたします!
 7月も半ばを過ぎようとしているにもかかわらず、梅雨空が全く明けない日本列島。ぼんやりと曇り空を眺めるうちに、軍服に身を包んでは、ずぶ濡れになりながら街頭に立ち尽くしてしまう(『帝都大戦』気分で!)感受性豊かな少年少女&紳士淑女へお届けいたします、「夏にピッタリの“凄い曲名”」特集! ジメジメ・ムードに負けじと、明るく楽しく元気よく! せめて気分だけでも夏気分を満喫するべく、お部屋をアジアン・テイストにまとめてしまった貴方の腰ミノを揺らす名曲のみを取捨選択!

田原俊彦「ジラシテ果実/ドMテキーラトニック」
 「ヨロシコ。」という言葉が、ここまで似合う漢(おとこ)もそうそういないであろう、昭和36年生まれ(上島竜兵浅野温子いとうせいこう黒田アーサーマイケル富岡が同年齢)の山梨育ち、元祖アイドル“トシちゃん”こと田原俊彦。徳間ジャパン移籍第1弾となる、60枚目(!)のニュー・シングルが「ジラシテ果実/ドMテキーラトニック」。これぞ! と思わず膝を打つダンサブル・ビートに、鼻を抜けるメルティ・ヴォイス、キレ&コクが見事に調和を遂げたビデオ・クリップも付きまして、まさしく夏の魔物たる逸品がここに完成。ドリフがレア・グルーヴならば、トシちゃんはバイレファンキ? なんて妄想すら呼び起こす、ホンモノの「エロカッコいい」を知りましょう。

ギターウルフ「SEXナポレオン」
 世界的な人気を博しているにもかかわらず、そのスタンスは活動当初より何ら変化無し! 己の道を一心に突き進む爆音三羽烏“ギターウルフ”。メンバー全員の心に「ロックンロール」なるタトゥーを施したその潔さ、シンプル・イズ・ベストかつアイ・ラヴ・ユーO.K.! これまでにも「星空ジェット」「火星ツイスト」「島根スリム」「新幹線ハイテンション」「超能力ナイト」「ギオンミッドナイト」などなど、宇宙から新幹線〜新幹線から清田くん〜清田くんから京都の夜に至るまで、類稀なストーリーを紡ぎ上げてきた彼らの新曲は「SEXナポレオン」ときたもんだ!(「ウルトラ クロス VOL.2」収録)。夏に多く出没する、いいちこ片手に夜道を徘徊する不審者に気をつけろ! というメッセージなのか、なんなのか。凡人には辿りつくことのできないロックの神様が舞い降りた瞬間を目撃ください。

マキシマムザホルモン「霊霊霊霊霊霊霊霊魔魔魔魔魔魔魔魔」
 先ごろリリースされたニュー・シングル「恋のメガラバ」がヒット街道驀進中! 耳をつんざくヘヴィ・ロックなリフが鳴り響いたかと思えば、突如爽やかシンガロング・メロディを爪弾く、攻め上手な4人組“マキシマムザホルモン”。漫★画太郎先生が手掛けた見事なジャケットの数々に見惚れる貴方ならご承知でしょう、“綿棒(ミミホジル)”が付録についていたことも話題となった2枚組シングル「包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリ/霊霊霊霊霊霊霊霊魔魔魔魔魔魔魔魔」。何かにとり憑かれていたかのごとく、重くのしかかっていた肩の痛みもたまらず吹っ飛ぶ爽快感! 稲川淳二も新倉イワオもまとめてかかってこい! とばかりに咆えまくるサウンドがキマってます。

BUCK-TICK「21st Cherry Boy」
 花火、お祭り、逃げ水、あなたの知らない世界、24時間テレビ……夏の風物詩は数あれど、天真爛漫な中学生男子が思い描く夏といえば『青い珊瑚礁』。遠く南の無人島にブルック・シールズ×クリストファー・アトキンズふたりっきり……という絶対にありえない偶然を妄想しては、意味もなく海へと自転車を走らせる、そんな青春をお過ごしの貴方が聴くべき1曲はBUCK-TICK「21st Cherry Boy」。これまでのBUCK-TICKが生み出してきた退廃的世界観とは赴きを異にし、ポップに弾けるストレートなカッコ良さがなんとも刺激的(ほんのりゴシックな香りも)。頭の中でグルグル渦巻く混沌とした純情な感情も、これさえ聴けばスカッと地獄行き! 一気に現実へと引き戻されるに違いない(受験とか部活とか)、目覚めのナンバー。

PAPA B「常夏王女夏女〜ココナツ王女ナツメグ」
 分かりやすいにも程がある夏満開アンセム、中原めいこ「君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。」(森雪之丞トリビュート『Words of 雪之丞』では、“BONNIE PINK meets Mansfield”によってカヴァー!)に太刀打ちできるのはこの曲だけでは? ジャパニーズ・レゲエDJの草分け、札幌生まれの“PAPA B”が2005年にリリースした「常夏王女夏女〜ココナツ王女ナツメグ」。80'sフレイヴァーをふんだんに取り入れ、いかなるときもユーモア&メッセージを忘れない彼のスタイルが反映されたユル・グルーヴがたまりません。ストロー・ハットに白スーツ、ちょっと(だいぶ)背伸びしたい夏の夜にはぜひお試しを。信頼と安心のRiki Brandならばなお良し!

THE BACK HORN「運命複雑骨折」
 いつのまにやら夏休みも終わりに近づき、あまりの憂鬱感にしょげ返る、やり残したことはないかウロウロしてしまう、ただひたすらにフロ掃除をはじめる、とりあえず寝る、ピザをとる、眠れない、もはや明日がくることが世界の終わりのような気分になってしまった……いつかは必ずやってくるジャッジメント・デイに聴くならこんな曲、THE BACK HORN「運命複雑骨折」(『ヘッドフォンチルドレン』収録)。バンド/表現者としての宣誓ともいうべき、ズルムケの心情を炸裂させる激情のほとばしり! 明日への活力を腹の底から搾り出したい、気分はもうケイン(コスギ)! な僕ら必聴の1曲。
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