気分はもう夏休み! 仕事も全てほうり出し、遊びに昼寝にやりたい放題の日々を過ごす万年キッズの皆様へ贈る“音頭”特集! キュンと甘酸っぱい気分が漂う夏祭りの思い出とともにお楽しみください。
気象庁の発表によりますと、九州北部・山口地方/九州南部・四国がついに梅雨明け! 晴れわたる空、澄みわたる海、ジリジリと足裏を焦がす砂浜、立ち並ぶ海の家、夜な夜な動き回る暴走族! ようやく夏らしさ満開ムードが立ち込めてきた日本列島を、さらに揺り動かす“音頭”特集を決行致します! みうらじゅん著『とんまつりJAPAN』を片手に、全国各地のお祭り情報をチェックする貴方、移動のBGMはこれでOK!(写真はオモシロ系音頭満載のコンピレーション盤
『日本の夏』)
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「日本全国酒飲み音頭」 食べて飲んで、ひたすら踊る。古来より代々伝わる祭りの条件を全て満たした健康的芳満ボディをふりかざす、
松村邦洋、
内山信二、
ザ・たっち、
関塚裕二、
西尾季隆(丁半コロコロ)、通称“デブタレ”の皆さんが現代の祭り表現の最先端をいく“トランス”に挑戦した意義深き1枚。収録曲も「チキンライス」(
浜田雅功と槇原敬之)「ラーメン大好き小池さん」(
シャ乱Q)「うなぎのじゅもん」(
小椋佳&アルザ)など、食べものソングの名曲をセレクトしているなか、怒涛の盛り上がりを呈しているのは「日本全国酒飲み音頭」(バラクーダー)。ランニング・シャツ(もしくは裸)に身を包み、満面の笑みを浮かべては踊りに興じる彼らの姿を妄想してしまいそう。お口直しには、シリーズ3作の音源を頼んでもいないのにまとめてしまった
『「シベリア超特急」スーパー・コレクターズ・エディション』収録「閣下音頭」(歌:西田和昭(ぼんちゃん))をぜひどうぞ!
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金沢明子「イエロー・サブマリン音頭」 音頭といえば、忘れてはならない「カヴァー音頭」の代名詞! プロデュース:
大滝詠一/訳詩:
松本隆、日本を代表する2大作家がタッグを組んで産み落とした鬼の子「イエロー・サブマリン音頭」(ビートルズ結成20周年記念曲)。
杉真理/
佐野元春/
伊藤銀次らの参加ももはや伝説、チョチョンガチョンと皆で足踏み手を叩き、櫓の周りをひとしきり廻ってしまいそうな引力がありますね。歌っている
金沢明子は、その後「たけちゃんマン音頭」「平成ミックス東京音頭」「ポケモンかぞえうた」「昆布つゆ音頭」(ヤマサCMでオンエア中)などを発表している他、PS2ソフト『サルゲッチュ・ミリオンモンキーズ』で流れるドナ・サマーのカヴァー「I feel love」を歌っていたり。現在も民謡歌手として幅広く活動しております。
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怒髪天「怪獣音頭」 ウルトラマン誕生40周年を記念しまして、いわゆる“ロック”のジャンルには収まりきらない、異彩も異彩なオルタナティヴ・アーティストの方々が参加し制作されたのが『ROCK THE ULTRAMAN』。1999年にリリースされたコンピ盤
『特撮狂』(
コーパス・グラインダーズ/
MAD3/
POLYSICS/
BEAT CRUSADERS……が参加)でも痛感しました、その筋とこの筋との相性の良さを再び確認できたステキ過ぎる1枚。
LOW IQ 01、
Overground Acoustic Underground、
特撮、
ブラッドサースティ・ブッチャーズ、
MOGA THE \5、
BAZRAといった並み居る面子が、独自のルートよりウルトラマン・シリーズの各テーマ曲/劇中曲を再構築した逸品音源の中、頭一つ抜けて輝きを放っているのが
怒髪天「怪獣音頭」。どこぞの声優を遥かに上回る表情豊かなヴォーカルにて、伸びやかに喉を震わすこの完成度は凄まじ。
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坂田おさむ「ととべんき音頭」 世の中にタイアップ・ソングは数あれど、匂いたつよな臨場感を味わえるのはこの曲だけ! NHK教育『おかあさんといっしょ』の7代目“うたのおにいさん”として知られる
坂田おさむが歌います、TOTO(東洋陶器)提携シングル「ととべんきのうた」。「子ども達が楽しいトイレタイムを過ごしてくれるように」と、ジャケットには可愛らしいウ○チ・イラストが! 海外のスカム/ゴアグラインド・フリークも触手を伸ばしてしまいそうなこの徹底的トイレ・オマージュ、日ごろお通じに悩みがちな乙女、あるいは学校で“大”に入るのがためらわれてならない小学生男子の皆様も、ぜひぜひ盆踊りバージョン「ととべんき音頭」を聴いて明日へのふんばり力を蓄えてほしいもの。
特設サイトのウ○チ帽子も必見!
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萬Z(量産型)「ブレイク音頭」 金曜深夜のお楽しみ『タモリ倶楽部』にて“日本キャンペーンソング大賞”受賞! 一気に街の噂となりました、
萬Z(量産型)「日本ブレイク工業 社歌」。その勢いにのって、一般公募による作品の中から、萬Z(量産型)自らが選考/プロデュース。コラボレート作品としてリリースされたのがDVD付きフル・アルバム『ブレイク祭り』。夏だ! 花火だ! 風鈴だ! と渋くコブシを効かせた「ブレイク音頭」のチープな脱力感はホンモノの証! 彼が生み出したキャンペーンソング・ブームは止まるところを知らず、ローソン「からあげクン音頭」(2005年)、
伊藤園「天然ミネラルむぎ茶 06ミネラル音頭」(2006年)、富士宮名物
「焼きそば音頭」といった、亜流の子孫は現在も次々と勢力を拡大している模様。
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モーマス「Corkscrew King」 「sekuhara」「sashimi」「wakame sake」! どういうわけだか、
志村けん(バカ殿/変なおじさん)にインスパイアを受け、音頭調に展開する「Corkscrew King」(アルバム『Otto Spooky』収録)なる楽曲を制作した、スコットランド生まれのミュージシャン・モーマス。かたや、フォークのカリスマたる地位を離れ、日本の祭り囃子/伝統的歌謡を我がものとして「エンヤトット」のリズムを作り上げた
岡林信康(“岡林信康 meets 居酒屋”というコラボレートによって実現した居酒屋“御歌囃子(おかばやし)”は日本橋で営業中!)。国が違えばルーツも異なるこの2人が、いつの間にやら“音頭”に辿りついていたという不思議! 異文化交流となるのか、スコットランド×日本が生み出す新しいスタイルの“音頭”もいつかは聴いてみたいもの。それまでは
エルヴィス・コステロ「コステロ音頭」(原題:The World And His Wife(アルバム
『パンチ・ザ・クロック』収録))を聴いてガマンガマン!