遠く古代より、日本に代々伝わる“お笑い×音楽”の伝統芸能。異ジャンル・コラボレートというには、あまりにも相思相愛な関係性によって生み出された名盤/珍盤/奇盤をズラリ取り揃えてご紹介!
ようやく布団から這い出た日曜午後6時。止まない空腹に身を任せ、街へ飛び出たは良いものの、入るお店が決まらない……迷いに迷う貴方の脳裏を流れるのは「何でもいいよ お寿司でも。」なる言葉! ふと気が付けば、
マイナスターズ「俺なんでもいいし」を口ずさんでしまう潜在的お笑いファンの皆様へご推奨、“お笑い×音楽・クロスオーヴァーCD”選! 時代を彩る大ヒット曲から、意外な趣味嗜好が明らかになった企画モノまで、頭の片隅に眠る名曲/名盤を今一度再プッシュ!
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ダウンタウン/万力の国 ミニ・アルバム『GOBU GOBU』/シングル
「夕陽家族」「生きろ・ベンジャミン」を経て、1991年に満を持してリリースされた1stアルバム。島武実&
佐久間正英(元
プラスチックス)、
宇崎竜童、
所ジョージ、
島田紳助、
奥田民生(当時は
ユニコーン)といった豪華な作家陣を迎え、線は細いながらも、どこか郷愁漂う歌声を披露しています。後に
「チキンライス」(
浜田雅功と槇原敬之)という名曲を生むこととなる、松ちゃんの作詞センスはこの当時より開花(アルバム中4曲の作詞を担当)。
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GEISHA GIRLS/THE GEISHA GIRLS SHOW〜炎のおっさんアワー ●
日影の忍者勝彦オールスターズ/日影の忍者 勝彦●
「ダウンタウンのごっつええ感じ」音楽全集 その
ダウンタウンを中心に制作された、歴史的バラエティ番組『ダウンタウンのごっつええ感じ』発CD。プロデューサーには
坂本龍一&
テイ・トウワ、
小林克也/
BOREDOMS/
サトシ・トミイエ/
アート・リンゼイ/
小室哲哉……などなど、あまりにも豪華すぎるスジものを迎え、全米デビューまでも果たしてしまった
GEISHA GIRLS。ほんの思いつきではじまった話が、世界的規模で動いてしまうオモシロさ、ユニット結成〜レコーディング風景〜関係者の証言なども交じえ書籍化された『ザ・ゲイシャ・ガールズ・ショウ―炎のおっさんアワー』(幻冬舎刊)を読んで検証致しましょう。
男性レギュラー(
板尾創路/
今田耕司/
蔵野孝洋/
東野幸治)を加え、メンバー全員で歌詞を考える(3番)/ライヴ・イベントを行なうなど、ある意味バンドらしい活動が思い出深い
エキセントリック少年ボウイ オールスターズとくれば、その1年後に登場した“忍者”グループ・
日影の忍者勝彦オールスターズ(
木村祐一が新たに参加)も。番組のテーマ曲であった「恋のマジックポーション」(
すかんち)を筆頭に、韓流ブームの先駆けともいえる「オジャパメン」「マウヤケソ」(オリジナルは
ソバンチャ)、日景忠男の悩ましい姿に悶絶「ビーチク国イメージソング」、“シンガー板尾”として脅威の歌心を響かせた「チョキ」、「カッコええ!」の一言に尽きる「バリバリ・ロックン・ロール」(横分金蠅)といった各コーナー産の名曲を口ずさめば、気分はすっかり90's。20世紀ノスタルジアに浸る貴方のBGMは『ごっつ』で決まり。
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KOJI 1200/
KOJI-12000 ●
WEST END×YUKI/SO.YA.NAグレーテストヒッツ ドギツいメイクとレトロ・フューチャーな艶やかさ、赤いルージュが施された唇(厚ぼったい)に女性ファンも失神寸前で立ち直るというカルチャー・ショックを与えたのが、KOJI 1200/KOJI-12000。“テイ・トウワ×今田耕司”という、音楽/お笑い界の2大若頭による奇跡のコラボレートは、キャッチーな楽曲とも相まって広く世に浸透。現在は新喜劇でも活躍中の原万紀子との
「デュエット!!」、ブルース・リーなジャケットがイカす
『ディスカスティング』、素材の良さが見事引き出された傑作ぞろい。
1994年、
EAST END×YURI「DA.YO.NE」の爆発的なヒットに沸いた日本。「DA.BE.SA」「DA.CHA.NE」「DA.GA.NE」「HO.JA.NE」「SO.TA.I」といった具合に広まってしまった“ご当地ラップ”核弾頭、オリジナルのジャケットに顔写真を切り貼りするという雑然とした「やらされてる」感もまた秀逸、今田耕司&東野幸治×武内由紀子(大阪パフォーマンスドール)による
“WEST END×YUKI”「SO.YA.NA」。後にリリースされたアルバムも『グレーテストヒッツ』な割にはリミックス・テイクのみ収録!(「テクノでSO.YA.NA」は
石野卓球プロデュース)という潔さに胸を締め付けられます。
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「夢で逢えたら」メモリアル・アルバム ●
メロン組/トゥイン・トゥイン・ブラブラ ●
はっぱ隊/YATTA! ●
清水ミチコ/歌のアルバム ●
野沢直子/生理でポン 未来永劫、DVD化は望めないのか!? 日本各地からその強い念が送られること早幾年。
『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』『浅草橋ヤング洋品店』といった衝撃リリースにも全く動じず、DVD化の噂のひとつも聞こえてこない『夢で逢えたら』。「村さん」から「卍丸」へ留守電メッセージを変えては一人ほくそ笑む、僕らの願いは届くのでしょうか。
UN'zでのCDデビューにはじまり、
マモー・ミモー/
加納さん/
ブラックビスケッツ/
ポケット・ビスケッツ/
南々見組/
ウルトラキャッツ/
NO PLAN……そのキャリアの要所要所で記念碑的音源を制作している
ウッチャンナンチャンのディスコグラフィの中でも、極めて異色なのが、ナンチャン主導による
メロン組/
はっぱ隊。『ウンナン世界征服宣言』の名物企画「半ケツ写真」を彷彿とさせる、メロン組のYバック姿。海外で空前の高評価を得ているという、ポジティヴ・メンタル・アティテュード全開のはっぱ隊。「ナンバラバンバン」での軽妙な腰つきからこの発想が生まれたのだな、と納得せざるをえません。
ここ最近では「顔マネ」の印象も強いミッちゃん。しかしながら、彼女の本意気を感じるにはやはりライヴ! そして音楽! モノマネ〜替え歌〜ピアノ弾き語り、自身も気づかぬうちにそうなっていたのでろう、天然のミクスチャー・センスをビシビシと叩きつけた12年振りのCD『歌のアルバム』はまさしく傑作。片や、活動の拠点をアメリカへと移し、バンド活動“チンパンジーズ”/映画監督といった具合に、世界をまたにかける出稼ぎタレント・
野沢直子は『生理でポン』を1990年に発表。期待を裏切らない直球歌詞&アートワーク、とかくオープンなこのスタンス、やはりこちらも聴き逃し厳禁。