ほんとにあった?ちょっと怖いDVD特集!

2006/11/24掲載
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「事実は小説よりも奇なり」……。 「実際に起こった事件/事象」を描いた“ほんとにあった? ちょっと怖いDVD”特集! 猟奇的事件に心霊もの、身近に起こりうる恐怖事件簿をご紹介です!
 時は1947年・ロサンゼルス。空き地で発見された若い女の全裸死体。しかも腰からまっぷたつ……。黒い服を常に着用していたことから“ブラック・ダリア”と呼ばれていた被害者の美女、猟奇的な殺人方法、新聞社に送りつけられた所持品、多くの謎とともに当時の話題を席巻した「ブラック・ダリア事件(BLACK DAHLIA MURDER)」。未解決に終わった後も、脈々と語り継がれるこの事件をモチーフに、ジェイムズ・エルロイ原作を見事実写化したのが、現在公開中の映画『ブラック・ダリア』。ジョシュ・ハートネットスカーレット・ヨハンソン、旬を迎えた若手俳優をキャストに配し、巨匠ブライアン・デパルマが描くその謎とは……。「事実は小説よりも奇なり」とはよくいったもの、ウソォ!ヤメテェ! 思わず叫びたくなってしまう奇々怪々事件が起こりうる現代社会。そんな「実際に起こった事件/事象」を描いた、“ほんとにあった? ちょっと怖いDVD”を特集しました。(写真は、同事件を素材にしたボブ・ベルデン『ブラック・ダリア』

●『テキサス・チェーンソー ビギニング』

 “猟奇的”という点で、まっさきに思いつくのがこの逸品。11月22日より公開がスタートしました『テキサス・チェーンソー ビギニング』。熱狂的コレクターも存在する実在の殺人鬼エド・ゲインをイメージして作られたであろう、噂のマスクマン“レザーフェイス”誕生の秘密がついに明らかに……。オムニバスTVシリーズ『マスターズ・オブ・ホラー』参加も嬉しいトビー・フーパー監督の『悪魔のいけにえ』(1974年)で初登場、昨今のホラー・ブームにのって、華麗にて残虐なるシーン復帰を果たした大御所さん。理屈もへったくれもなしに、とことん恐怖のるつぼへと観客を叩き込むその姿ときたら傍若無人はなはだしい! 前作『テキサス・チェーンソー』よりも過去の話であるにもかかわらず、大幅にパワーアップしたスリル/ショック/サスペンス! 体調管理には充分に気をつけたうえで観て欲しい、かなりのトラウマ級作品。

『殺人の追憶』

 韓国で起こった未解決連続殺人事件を、『ほえる犬は噛まない』『グエムル -漢江の怪物-』でお馴染みのポン・ジュノ監督が描いたサスペンス・ストーリー。捜査方法から、その性格に至るまで、全てが対照的な2人の刑事の描写もさることながら、観客側が犯人と一体化してしまったようなトリップ映像にさいなまされ四苦八苦。近づいたかと思えば消えていく、犯人の不気味な存在感が始終漂うリアルな恐怖を体感できます。「追っているつもりで追われているのか、追っているつもりで追われているのか」なる、美輪先生のお言葉が頭の中で渦を巻く、鳥肌一級認定作品。その演技もさることながら、汚さ100%なルックスがバッチリ決まったソン・ガンホにもぜひ注目を。

『地図から消えた村 杉沢村の呪い』

 頭では分かっていても、体はそう上手く反応できないのが人間というもの。そんな話が……という疑問は押入れの隅にしまっておきまして、いっそどっぷり浸かってしまいたいDVDがこちら。都市伝説がいつの間にやらネットへ流れ、『奇跡体験アンビリバボー』などで一気に注目を集めた“杉沢村”についてのドキュメンタリー的作品。「きっと、ここなんだろう」現地での聞き込み/突撃取材、再現ドラマ3本立て! 『完全無削除 絶対恐怖版 杉沢村伝説』(出演:桜金造)にはじまり、『日本怨念地図 検証!!杉沢村の呪い』へと続く、壮大な杉沢村ストーリー中盤戦。大オチへ向けて加速しっ放しのこの爽快感、眉唾ながらも満足至極。

『ほんとにあった!呪いのビデオ』

 鬼のごとくジャケット写真が羅列された公式HPを覗くだけでお腹は満腹! 「本作はお祓いを済ませております。」の一言が逆にまぶしい、一般投稿による心霊映像集シリーズ『ほんとにあった!呪いのビデオ』。写真ではなく動画というこだわりが妙に恐怖を煽るこのシリーズ、22作にも及ぶ本編をはじめ、「THE SPECIAL」(5作)/「ver.X」(4作)/「THE MOVIE」(2作)と、現時点での通算成績は33作品にも! 引越し祝いの宴会、演劇のリハーサル、結婚式の2次会、試着室での盗撮ビデオ、修学旅行、犬の散歩……などなど、日常生活の隅々にまで入り込む心霊現象見本市がここに開催。ところ変われば、心霊も変わる、『クイズところ変れば!?』のような倒錯世界にのめり込んでしまいそう。

●『ほんとにあった怖い話』

 恐怖幽便(not 恐怖新聞)に綴られた体験談を、吾郎さん(稲垣吾郎)を中心とした“ほん怖クラブ”メンバーが紹介する“リアルホラーエンタテイメント”番組。「ほんとにあった感」を徹底的に追求してきた〜というだけに、恐怖/戦慄が如実に伝わってくる再現ドラマには定評あり。桜金造つまみ枝豆……といった本職の「語り部」ではない、芸能人の心霊体験談などが聞けるのも貴重なんではなかろうかと。なぜか脱力してしまう“ほん怖五字切り”、極稀に登場する感動ストーリー、ホッと肩の力を抜くことのできる休憩ポイントを用意しているところも、(実は怖がり)熱狂的ファンには嬉しい限り。実録劇画調のパッケージに惹かれるグッズ(絵馬/お守り/ソーダ味キャンディ、写真は下敷き)も全種類制覇したいですね!

『MYSTERY NIGHT TOUR 2005 稲川淳二の怪談ナイト LIVE』

 日本の夏、淳二の夏! 『あなたの知らない世界』しか認めない!と言い張る、頑固な新倉イワオ支持層をも取り込んでしまうであろう、日本芸能界屈指の語り部“怪談でお馴染み”稲川淳二。本業はデザイナーであるにも関わらず、すっかりそのスジの大家として確立してしまった話芸の素晴らしさ、懐かしのリアクション芸も今では影が薄くなってしまうほど。そんな彼の体験談/伝え聞いた珠玉の物語を堪能できるのが『MYSTERY NIGHT TOUR』DVDシリーズ。毎年夏から秋にかけて開催される怪談ツアー実録版、凝りに凝ったステージ・セットも素晴らしいの一言(2006年の舞台セットは“遊郭”!)。年々進化し続ける“稲川怪談”、人間国宝認定も間近なのでは!?
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