「AIR」と「AIR」??? 同名アーティスト特集!

2007/02/23掲載
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自分のドッペルゲンガーを見てしまうと「死期が近い」なんて都市伝説がありますが、レコード店で思わず二度見してしまう経験をお持ちの方は少なくないでしょう……。国内/海外関係なし、オール・ジャンルで発生してしまう“同名アーティスト”を検証!
 1996年、MO'WAXよりデビュー! 映画『ヴァージン・スーサイズ』のサウンドトラックをはじめとするディスコグラフィにて、ここ日本でも絶大な人気をほこるフランス出身のエレクトロ・デュオ“AIR(エール)”。メンバーであるJB Dunckelのソロ『Darkel』に続く、3年ぶりの新作『ポケット・シンフォニー』が2月28日に日本先行で発売されます。お洒落に小気味よく、それでいてほどよく気の利いた彼らのサウンド、今作では「琴」と「三味線」を特色とする楽曲もあり(1stシングル「Mer du Japon」の邦題は「日本海」となる模様)! 確実に日本びいきなその内容に期待大。

 かたや、昨年ソロ・デビュー10周年を迎えた元BAKUSPIRAL LIFEのメンバーといえば、車谷浩司こと“AIR(エア)”。エイベックス移籍第1弾、通算9枚目となるニュー・アルバム『The New Day Rising』を2月21日に発売。グランジ〜パンク〜ラウド・ロックと、時代の流れと重なるように繰り出されるサウンドは常にライヴ・ピープルを瞬殺! ここ最近ではよりメロウな表現へと変化している彼、現時点でのベストな仕事っぷりを収めた充実の1枚。

 “AIR(エール)”と“AIR(エア)”。読みは違えど、見た目は同じ、個性は違えど見た目は一緒、どうにも判別しずらいこの2組。新作か!? とドキドキしたら、全然違うバンドだった……SNUFFかと思ったらSNFUだった……DKM(Dropkick Murphy's)かと思ったらDTR(Dirty TrashRoad)だった……V6かと思ったらV2だった……そんな切ない思い出を引きずりながら、大人の階段を上る僕らの経験値! 間違えやすい“同名アーティスト/バンド”を検証していきましょう。

 まずは最近のJ-POPシーンを揺るがす大物?“KILLERS(キラーズ)”。バラエティ番組『きらきらアフロ』から生まれた、NAHOMI☆KILLER(オセロ松嶋)率いる5人組ロック・バンド。ついこの間結成したかと思えば、3月には解散!というロックンロールなこの生き様、2月27日に日本テレビ系で放送される特別番組『松嶋尚美の真実』(25:35〜)にてしっかりと確認せねば。

 最近になってニルヴァーナを知り「この人たちのライブ見にいこーやー」とのたまったというNAHOMI☆KILLERは知っているのか、米ラスベガス出身の4人組バンド“THE KILLERS”公式サイトを開いた途端「私の心を読みなさい 場所に入りなさい」というスピリチュアルなメッセージが目に飛び込む(しかも日本語)、古き良きニューウェイヴ風味がかぐわしい彼ら。無駄に「キラキラ」しているという点では通じ合っているのかも?

 HR/HMファンにはお馴染み、元アイアン・メイデンの初代シンガー、ポール・ディアノが結成したバンドも“KILLERS”『マーダー・ワン』『威嚇』と順調にリリースも重ねていたのですが……。いつの間にやら、僕の心のやらかい場所へとフェードアウト。地道なライヴ活動/音源リリースから実力と人気を獲得した“NWOBHM”スピリッツ、オセロ松嶋というよりは、現在も高座を忘れない笑福亭鶴瓶の方へと受け継がれていた模様です。

 HR/HMといえば忘れてはいけないのが“SKID ROW(スキッド・ロウ、US)”。デイヴ“ザ・スネイク”セイボ(ギター)を中心に1989年結成、若気の至りと初期衝動、スピード感溢れる特攻(ぶっこみ)サウンドで時代を制した彼ら。昨年末には新作『レヴォリューションズ・パー・ミニット』の日本盤も登場し、セバスチャン・バック脱退という不運(ハードラック)も我関せず。スピードの向こう側を目指して踊(ダンス)り続ける彼らの未来はいかに!?

 そんな爆音小僧たちに少なからず影響を与えた!? とも言い伝えられているのが、かのゲイリー・ムーアが在籍していたことでも知られる“SKID ROW(UK)”。インプロヴィゼーションもポンポン飛び出すサイケデリックな桃源郷ブルーズ、シン・リジィ結成以前のフィリップ・ライノットがヴォーカルをつとめていたこともある(デビュー・シングル「New Places, Old Faces」のみ参加)など、その歴史的価値たるや“走りの外道”の名にふさわしいのは言わずもがな。

 USとUK、ところ変われば……とは良く言ったもの、その活動期間の短さ/音源の少なさからか、今や全く話題に上ることのない隠れた同名バンドもおりまして。マンチェスターの重鎮“NEW ORDER(ニュー・オーダー)”は知っていても、デトロイトの伝説“THE NEW ORDER”を覚えている方はかなりのつわもの。復活作にも名を連ねるストゥージズのギタリスト、ロン・アシュトンを中心に、デニス・トンプソン(ドラム、MC5)も参加、1975〜76年にかけてデトロイトを荒らした豪腕! 『デクラレイション・オブ・ウォー』(日本盤は廃盤)を聴いて、在りし日の混沌とした爆音へ思いを馳せるもまた楽し。

 ディクテイターズのHandsome Dick Manitoba(ハンサム・ディック・マニトバ)の訴えが認められ、CARIBOU(カリブー)へと名前を改めたMANITOBA、LAのX(エックス)の存在を知り「JAPAN」を付けたX……やっとこ決まった名前でも、カブっていたらさあ大変! 逆に一文字加えてみました?“smiles davis(スマイルス・デイビス)”ぐらいの余裕とユーモアがあってもいいのかも。勘違いからはじまる恋もある、ってことでいかがでしょうか。
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