今、何かと話題な“鉄道”にズームイン! 含まれる鉄分はわずか……ではありますが、だからこそ忘れられがちでもある名作の“鉄道映画”を大特集! 期待の冬休み映画も交えつつ、ゆるやかにお届けします。
2007年4月1日、JR東日本が発足20周年を迎えました! 崎陽軒の特別弁当(記念ひょうちゃん付き/10月31日で販売終了)をほおばり、キオスクで買ったオリジナル景品付きのお茶に目を輝かせ、クリスマスは“函館クリスマスファンタジーの旅”をJR20周年号で楽しむ……。全国各地で記念行事やキャンペーンが相次ぐなか、“鉄博”こと鉄道博物館が、10月14日(鉄道の日)さいたま市大宮区にオープン。交通博物館の名残を惜しみつつも、その凄まじいばかりの展示物に気が気でない貴方へ、わずかながらも鉄分を含む『鉄道映画』を大特集! 忘れがちな名作の数々、今一度味わってみてはいかがでしょうか。
まずは、キッチュなプラレールから
SHING02の“車掌さん”姿、もちろん車両も登場する
Goodings RINAの新作
「大都市を電車はゆく」PVからどうぞ!
『線路と娼婦とサッカーボール』
思わず体の鉄分がたぎる今冬、最も注目な映画はこちら! 「ハイヒールをスパイクに 化粧品をボールに いま、彼女たちの戦いが始まる。」中南米はグアテマラ・シティの“線路(リネア)”と呼ばれる貧民街の娼婦たちによるドキュメンタリー『線路と娼婦とサッカーボール』。さまざまな境遇/事情から、単線の線路脇の小屋で売春を商売としている女性たち。その稼ぎはわずかでも“ヒモなし”で生活していけるという、自由に誇りを持っている彼女たちは、サッカー・チーム“リネア・オールスターズ”を結成。自らを取り巻く偏見や暴力に対しての発言権を確保すべく、活動をスタートさせる……。
マスコミや警察を巻き込み、大きな論争を巻き起こしていくリネア・オールスターズの姿を通してグアテマラ社会を描いた本作。その題材はシリアスでありながら、登場する女性たちの快活な姿に押されるように、不思議と元気が沸いてきます! 12月22日よりシアターN渋谷ほかにて公開。
※公式サイト :
http://shoufu-fc.com/『旅の贈りもの★0:00発』
中森明菜の歌う「いい日旅立ち」のメロディにのせて、0時00分大阪発の列車が動き出す……。EF58-150(ゴハチ)が1等展望車のマイテを牽引する! ということでも大きな話題となった
『旅の贈りもの』(2006年)。映画初出演の
徳永英明(書き下ろし曲「happiness」/
中島みゆき「時代」カヴァーが挿入曲として流れる。ちなみに劇中の音楽は
浅倉大介(
access)が担当)をはじめ、
櫻井淳子、
大滝秀治、
細川俊之、
梅津栄、
石丸謙二郎(車掌役!)、そして
太平シロー! とスパイスの効いたキャスティングもまた良し。
西日本を代表する景勝地でロケーションが行なわれ、ハートフルなストーリーとともに、貴方の心を穏やかな場所へと運んでくれるハズ。特別編成列車DVD『大阪発-0:00発』/Bトレインショーティー(EF58 150+スハフ12 702+マイテ49 2)/特製ジオラマ(Nスケール・1/150)など、ツボを突いたオリジナル・グッズにも興味津々。
『ラストソング』
映画デビューは
『八つ墓村』! 純くん〜コトー先生〜茶川さんと、思わず劇中のキャラクターと同一視してしまうほどの演技を常に披露している
吉岡秀隆。彼の歴史を語る上で欠かせない“シンガー・ソングライター”としての出発点となった作品が『ラストソング』(1994年)。
本木雅弘、
安田成美、
倍賞美津子、
石坂浩二、本格派俳優が顔を並べるなか、ロック・バンドのギタリストとして繊細な表情を浮かべる姿はまた絶品。
エキセントリックなモックン、契約金をせしめるモックン、ボンヤリと線路を歩くモックン……表情の数では引けをとらないモックンをも凌駕する「ラストソング」熱唱シーンは何度観ても感涙もの。書き加えておきますと、
高倉健・主演
『鉄道員(ぽっぽや)』では、JR社員として登場しています。
『少年時代』
藤子不二雄Aの漫画(原作は、
柏原兵三『長い道』)を元に、監督:
篠田正浩/脚本:
山田太一が実写映画化を果たした
『少年時代』(1990年)。今となっては、日本全国が涙したエンディングの車窓シーンよりも、当時予告編で流れていたピンナップばかりが頭をよぎるのは、思春期特有の敏感さゆえでしょうか。
大人の階段を上るうえで誰もが通過する“青い友情”を描いた、ひと夏の思い出。
『ポーラー・エクスプレス』のファンタジックな世界にどうにも馴染めず、やっぱ冬は『鉄道員(ぽっぽや)』だな! と独り言をのたまう貴方は、ぜひお試しください。
『プレデター2』
アクセサリーも輝くドレッド・ヘアと河童のごとき風貌、誇り高き宇宙の戦士“プレデター”シリーズ第2作
『プレデター2』(1990年)。南米ジャングルにて、現カリフォルニア州知事との熾烈な戦いを演じた第1作から3年、舞台はロサンゼルスの大都会へ。
かのクロコダイル・ダンディーと同じ道筋を歩んだ(
『クロコダイル・ダンディーin L.A.』(2001年))プレデターは、またしても芸術的な殺戮劇を開幕。暗闇をひた走る地下鉄でのバトルなど“対人間”の名勝負が次々と。冷酷無比でありながら、ジェントルな心を持ち合わせる彼らの最新作『エイリアンズ VS. プレデター2』も注目!
『暴走特急』
“パニック鉄道ムービー”の決定版! どれだけ激しい攻撃に合おうとも、死なない、負けない、屈しない! あまりに見事な3本柱を映画史に刻み込んだことでも知られるMr.不死身の男、
スティーヴン・セガール製作/主演による
『暴走特急』(1995年)。
テロリストの持つ最先端のハイテク銃器を“拳”で粉砕! 列車という狭いスペースを縦横無尽に駆け巡る筋骨隆々な肉体美、説得力がありすぎるフェイス、鷹も射落とす鋭い目つき……敵に回したが最後、とうてい勝ち目のない相手とはまさしく彼のこと。ヘヴィ・デューティかつタフ、オールバックもピッチリ決まったセガール氏の魅力に完敗。